レース中の中だるみを上手にしてタイムを上げる方法

レース中の中だるみの原因

中長距離のどの距離でも中だるみは起きる可能性があります。

考えられる原因
1 速すぎる入り、無謀な突っ込み
(1)ペース感覚が未熟
誰かについて行くだけのレース展開は運任せと同じです。自分でもペースを刻めるように普段の練習時もペース感覚を養いましょう。

(2)自分の実力を過大評価
実力と目標が伴っていない場合です。前向きな強い気持ちはとても大切ですが、自分の力を適切に評価しないとオーバーペースに陥ります。

2 気持ちのコントロール不足
キツくなった時に弱気になってしまう場合です。目の前にちょうど良い選手がいればなんとか耐えられても、自分一人でペースを刻めない人が陥りやすいです。練習時、集団の場合と一人の場合で課題を作って、単独走でもある程度のペースを維持できるように練習することが大切です。

3 単なる練習不足
トレーニングが不十分な状態ではベストを出した時と同じペースで前半戦走ったとしても後半は持ちません。

 
 

レース中の中だるみは悪いことでは無い

実力を適正評価して無謀な入りをしないことが大切です。中だるみは決して悪いことではありません。極端に落ちてそのままズルズルと落ちて行くのは良くありませんが。一旦ペースが少し落ちるけどラストスパートでしっかり切り替えて、最後まで出し切ることが出来ればタイムは上がる可能性もあります。

その為にも自分のレース展開を想定しておくことが大切です。目標タイムと平均ペースを考えて、それを各距離でペース配分を振り分けてみてください。

そして、それをイメージトレーニングで頭の中で反復しておきます。可能な限り、動的イメージトレーニングでインターバル等の練習で試してください。

(3000m対策)
1000m×3、2000m+2000m

(5000m対策)
1000m×5、1000m+2000m+2000m

静的•動的イメージトレーニングを詳しく見る。

 
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予定のペースを設定する

速い場合、適度な場合、遅い場合
3通りの想定をしておきます。後はタイムの幅はありますが、考え方はどれかに当てはまります。

それでは、5000m目標20’00″、平均ペース4’00″の場合で説明します。

【入りが速い場合】
3’45-4’00-4’07-4’08-4’00(20’00”)
3’45-4’00-4’10-4’10-3’55(20’00”)

【適度な場合】
3’55-4’00-4’02-4’03-4’00(20’00”)
3’55-4’00-4’04-4’06-3’55(20’00”)

【入りが遅い場合】
4’05-4’00-4’00-4’00-3’55(20’00”)
4’10-4’05-4’00-3’55-3’50(20’00”)
 
 

【入りが速い場合】
3’45-4’00-4’07-4’08-4’00(20’00”)
3’45-4’00-4’10-4’10-3’55(20’00”)
予定よりも突っ込んでしまった場合です。ここで焦らずに、後半の貯金が出来たと考えましょう。速かった分、後半にキツイ場面が出てきます。

入り1000mで10秒速かった時、突っ込んだ10秒を落ちた区間に振り分けるつもりで、リズミカルにピッチを維持してペースダウンを最小限に抑えます。

5000mなら2000m以降は元々の設定ペースに戻します。ここで最初に速かった10秒落とすと自分で揺さぶりをかける結果となり、ペースがめちゃくちゃになる可能性があります。

3000m以降は落ちて来たら、一時的に脚を休めるつもりで。気持ちは絶対に切らさずに。抜かれたら上手くその人の流れに乗りましょう。離されても一気に離れずにじわじわと少しずつ離される感じです。ついさっきまで一緒に走っていたのだから、その人もキツいはずです。

ラスト1000mで思い切って動作を切り替えてください。スパートして最後まで力を出し切ります。ラスト100mタレても構わないので出し切ってください。
 
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【適度な場合】
3’55-4’00-4’02-4’03-4’00(20’00”)
3’55-4’00-4’04-4’06-3’55(20’00”)
入り1000mは筋肉中のクレアチンリン酸をエネルギー源とする為、出だしは呼吸の苦しさは一切無く身体が軽いです。入りは平均より5秒速くても問題ありません。

中長距離走のエネルギー供給系の説明を詳しく見る。

最初に貯金が5秒できるので、それを中だるみに使っても良いと考えます。

2000〜4000mで少し落ちても大丈夫です。ピッチを維持して脚は無理せずに、ラストに備えます。ここで貯金以上に5秒余計に中だるみしても、ラストスパートでその5秒を取り返すつもりで気持ちは切らさないようにします。

4000mのLAPは4’06″、そこから動きを切り替えて10秒ペースアップするつもりでラストスパートです!目の前にバテてスパートできない選手がいれば50mくらい先の選手を目標に抜き続けます。目に見える目標が近づいてくると力も湧いてきます。
 
 

【入りが遅い場合】
4’05-4’00-4’00-4’00-3’55(20’00”)
4’10-4’05-4’00-3’55-3’50(20’00”)
1周目で気づけば良いのですが、1000mで通過タイムを確認するまで気づかなかった場合は、慌てないでください。

そこから一気にスピードアップすると無駄に疲れてしまうので、じわじわとペースを上げてください。余力はあるので苦しさは無いはずです。2000m通過までなペースを戻せるなら戻して、厳しそうなら3000m通過までにじわじわと上げます。

そこから、引き続きペースを上げ続けてください。最初に余力の貯金があるので大丈夫です。ビルドアップします。

前半に突っ込んで落ちてくる選手たちが何人もいるはずです。50m前、100m前の背中もだんだん近づいて来ます。何人か前の選手を目標にして、抜きながら次の目標となる選手を決めて抜き続けます。

ラスト1000mは一気に切り替えてスパートします。こちらは上げ続けているので、その時に周りにいる選手たちより勢いがあります。50m先(4’00″ペースなら50m12″)の選手を抜くつもりでラストスパートしてください。
 
 

上手に中だるみをする方法

レースで少し中だるみしても大丈夫です。そこで気持ちを切らさない事、ラストスパートでもう一回スピードアップすることが出来れば何秒も取り返すことが可能です。

中だるみを上手く最小限に抑えてラストまた上げれば良いのです。その為の方法と考え方を紹介します。

ペースダウンしそうになったら、
(フォーム維持の技術)
走るピッチをそのまま維持ことを意識する。
筋力に任せてストライドを伸ばす事はせずに、逆にストライドを少し縮めることで、筋肉の負担を減らして走るリズムを維持するように考える。
腕振りでリズムを取ることで脚を連動させて動かす。

(メンタルコントロール)
自分がキツくなった時は、周りの選手たちも同じくらいの実力なんだから同様にガマンしていると考える。
絶対に気持ちを切らさない。
足元を見ない、下を向かない。下を向くと蛇行してロスする。
自分のひとり前の選手では無く、何人か前の選手の背中、または直線の終わり、コーナーの出口を見る。
目線は遠くに。
口角を上げて笑顔をつくることで脳を錯覚させる。
笑顔で発生する脳内のホルモンを詳しく見る。

 
 

具体的な中だるみの数字

3cmストライドを短くした場合

例えば、5000mでストライド180cmなら400mで約220歩なので、約6.6mの遅れです。
170cmで235歩→約7.0m遅れ
160cmで250歩→約7.5m遅れ

歩数は分かりやすく説明する為の概算です。当然ですが、個人差があります。
速いスピードで走れる人は歩数は減りますし、遅い人は歩数増えます。
さらに、女子選手は小柄なので歩数が多くなります。

ストライド180cmの場合で3cm短くしたら、
400mLAP80″なら1″3で1000mでは約3″3のペースダウンです。
LAP72″なら1″2で1000mでは約3″0のペースダウンです。

実際は、レース後半のペースダウン時はピッチも落ちやすいです。そのペースダウンを最小限に抑えるために、ピッチを維持する意識をする方が、ストライドを維持するよりも有効です。

練習で試してみてください。
 
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ラストスパート

なかだるみを上手くして、ラストは動きを切り替えてしっかりスパートすることでタイムを戻すことが可能になります。

ラストスパート時の意識の方法

 
 

まとめ

いかがでしたか?

レベルが高くなればなるほどペース感覚も磨かれて、オーバーペースで突っ込む選手は少ないです。限界のスピードとレースペースがだんだん近づいて来ますので。感覚もシビアになり微調整できるようになります。

しかし、初心者やレベルが低い選手ほど、自分が走っているペースをわかっていませんし、ペース感覚も未熟です。ストップウォッチ付きの腕時計をせずに感覚で走ったり、適当に走っている人がよく見られます。

レベルが高くてペース感覚が身についている選手がそれをやるのとは意味が違います。

まずは自分のペースを把握することが大前提です。

そして、自分が目指すべきペース配分を考えておくことも大切です。持ち味のタイプによって得意な展開がありますので、こちらを参考にしてください。

事が起きてから対処するのでは無く、しっかりと練習しておくこと、イメージトレーニングもしておくことが大切です。

毎日の練習でペース感覚は養われます。
ストップウォッチ付きの腕時計でラップタイムやペースを確認することは悪いことではありません。苦手な人は面倒がらずに練習時にラップタイムを確認しましょう。





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笑顔の力でペースダウンを防ぐ方法

笑顔の力でペースダウンを防ぐ

練習やレースでキツくなった時に顔をしかめていませんか?

この時に作り笑顔(口角を少し上げる)事で、ドーパミン、βエンドルフィン、オキシトシン等の脳内物質が分泌されて体の動きが少し軽くなります!

どういう事かと言うと、笑顔を作ることで脳がそれに反応して楽しいこと嬉しいことがあったと錯覚して、その時に出るホルモンが分泌されるのです。

本来は、楽しい気持ちになった時に脳が反応して、その結果として表情の筋肉が反応して笑顔が生まれます。今回は、その逆順で脳を刺激します。
 
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走っている時の笑顔の注意点

あまり極端に笑っていると周りから変な目で見られるので注意してください(笑)

しかし、これは冗談ではありません。

体が先か、心か先か。
イメージトレーニングと同様の原理です。

良いイメージを持って走ると体はそうなろうとします。逆に、キツく感じて顔をしかめると、その現実は変わらずにそのままペースダウンしていまいます。
 
 

きついとき、苦しみ、怒り、悲しみの表情

ノルアドレナリン、アドレナリン等のホルモンが分泌されます。キツい表情をしたり、その事を口にすることで、この分泌が過剰になります。

それが血管の収縮や拡張を過度に行うことに繋がり、その結果として活性酸素が過剰に発生してしまい、血管にも神経にも負担をかける事になります。

これがストレスです。
 
 

【走っている時の笑顔の練習方法】

jogの終盤
ペース走の後半
インターバルのラスト数本
レペのラスト1本
レース中

リズムが崩れそうな時や、身体がキツく感じた時、ペースアップしたい時に、目を細くして口角を上げて白い歯を見せてください。

初めは極端に笑ってみてください。慣れて来たら、他人から見てもあまりわからないくらいの笑顔でやってみてください。

練習では、インターバルとレペティションをする際に、レースを分割してイメージを乗せる方法があります。その練習のキツい場面で笑顔トレーニングもやると良いでょう。
動的•静的イメージトレーニングについてを詳しく見る。

 
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笑顔=表情筋とフォームを連動させる

私の感覚ですが、目を細めて笑顔を作ったらこめかみの筋肉が収縮して、後頭部〜首筋が背中をひっぱり上げて、背筋が伸びる感覚があります。その時に少し胸を張るように意識すると腰もしっかり前傾を維持できて、走りが軽くなります。

それが永遠に続く訳では無く、キツい時に感じたその感覚を保つように心がけます。ひとつのきっかけです。

嘘だと思って一度試してみてください。これが合う人は、持久力やフォームが改善された訳ではありませんが、少しだけ速くなる可能性があります。やってみる価値はあります。
 
 

まとめ

いかがでしたか?
部活動等でこれを教わったことがある人は少ないと思います。

タイムを伸ばすためのアプローチのひとつとして考えてみてください。

部活動や学校の先輩は、学年が上がると自動的にその立場になります。しかし、企業では自動的ではありません。

笑顔の人の周りには自然と人が集まって来ます。逆に、いつも怒っている人やしかめっ面をしている人は孤立しています。

企業で上司と呼ばれる役職に就く人は、きちんと笑顔が出来る人だと思います。例え営業スマイルだとしても。無愛想な人でも、深く付き合って見たら結構良い人はいます。

しかし、企業では一人ひとりが企業の代表者です。周囲の人を不快にさせる表情や言動はアウトです。

話を陸上競技に戻します。

レース中や厳しいトレーニング期間において、笑顔を絶やさずに取り組める人は強くなると思います。常に前向きにいれると思います。

将来、陸上を辞めて、社会人になった時でもその精神は活きて来ます。社会人になっても陸上を辞める必要はありませんが。

走ることを生涯楽しみたいと私は考えています。その為にも笑顔は大切だと私は考えています。

素敵な笑顔は人を惹きつけます。
怒りや苦しみは人を寄せ付けません。

今日走れることに感謝して、練習の一本一本を大切にして、キツい場面では走れる喜びを噛み締めて笑顔でペースアップしたいものですね。

興味があったら、色々なホルモンについて調べてみてください。

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クーリングダウンの適切な時間は?

ダウンの目的は?

クーリングダウンは、運動時の交感神経優位の状態から、副交感神経優位の状態へスムーズに切り替えるためのステップです。激しい運動は、心身ともに興奮状態にあるので、それを沈静化させます

ダウンの目的は、筋肉中と血中の乳酸濃度を下げること、心拍数を平時に戻すときにゆるやかに戻していくことだと考えます。

低い運動強度で、乳酸の産生を最小限に抑えて血中乳酸濃度を下げたいので、酸素を身体全体に供給させることで乳酸の利用を促進して、乳酸濃度を下げることです。

また、乳酸濃度を低く抑えるためには、ペースはゆっくりになりますし、心拍数70%を下回るジョギングでは有酸素運動のトレーニングとしては非効率的になります。

だから長時間ダウンjogをしても、非効率的な持久力強化になりますので、長くする意味は無いと考えています。

では、一体どれだくらいの時間が最低限必要になるのでしょうか?
 
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クーリングダウンの時間と血中乳酸濃度の測定実験結果

早稲田大学の学生さんの研究結果を引用させていただきます。
ダウン時間と血中乳酸濃度の推移グラフ

グラフは、スピードスケート全力運動後の血中乳酸濃度と、ダウンにかけた時間推移です。ダウンの方法はジョギングとエアロバイクの2種類です。

グラフを読み取ると、20分後にはどちらの運動も、運動前の血中乳酸濃度に近いレベルまで下がりました。私は、ここでダウン終了しても良いと考えます。

全力運動の場合で20分なので、運動強度が全力より低い時は、血中乳酸濃度も低くなるのでダウンに必要な時間は短くて済むと考えます。

激しい運動ほど、血中乳酸濃度は高まりますし、その強度が低い場合は血中乳酸濃度は低くなります。グラフなら、全力後のダウンをしている何分後かの状態の値になるということです。
 
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全力運動以外のダウン時間は?

運動強度が下がれば、必要な時間は15分、10分、5分、ダウン不要という具合に短くなっていきます。

専門の大学での研究では実験として可能でしょうが、毎回血中乳酸濃度を測定する訳にいきません。一般の現場的には、自分の【感覚】で時間を調整することになります。

具体的には、こんな感じになると思います。
インターバルやレペティション→15分〜10分
ペース走+インターバル、レペ(少なめ)→10〜5分
ペース走+流し→5分
jog→ダウン不要

私が作るメニューでは、ペース走の直後はそのまま1000mのjogをしてからその後休憩に入らせています。血中乳酸濃度を緩やかに下げさせるためです。10分〜15分後に、インターバルやレペを加えたセットの練習が主です。

インターバルかレペの最後の一本後は、インターバルの場合はつなぎと同じjogをさせます。レペの場合は、止まったり座ったりさせずに、スパイクを履いたままゴール後の流れでそのまま歩かせています。200m〜400mです。

練習の合間にもダウンと同じ目的で軽い運動を挟んでいます。これらはメニュー表には明記してありませんが、理由も付けて口頭で指示をしています。自分の練習時もそうしています。

このように、普段の練習では合間にもダウンを挟んでいますので、一番最後のダウン時間は5〜10分で充分だと考えています。
 
 

まとめ

運動強度によって、必要なダウン時間は異なります。ダウンで30〜60分jogする長距離選手を見かけますが、それはダウンではありません。

持久力を高める目的のjogなら心拍70%前後が効率的です。通常、ダウンで走るペースはとても遅いものです。心肺機能を高める効果はほとんど無いと考えても良いでしょう。

きちんと目的と効果、意味を理解して【走る】必要があります。

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乳酸と疲労因子FF、疲労回復因子FR、その他の疲労を現す数値について


疲労物質と言えば乳酸が真っ先に思い浮かぶと思います。しかし、最近では他の疲労物質があると研究されているそうです。
 
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FR発生で効果的な回復を期待

FRとは、Fatigue Recover Factorの略で、疲労回復因子です。あえてカタカナで書くと、ファティーグ リカバー ファクターとなります。

fatigueの意味
疲労でした。

因子の意味は?
要素、要因であったり、生物学的には物質も因子と呼ぶみたいですね。

それに対して、FFは、Fatigue Factorの略で、疲労因子で疲労の原因と考えられるものです。

研究によると、副交感神経優位時にFRは発生するとのことです。クーリングダウン後や就寝後にしっかり伸ばす静的ストレッチをすることで、副交感神経が優位になることは以前記事で紹介しました。

ストレッチの記事を詳しく見る。

また、イミダゾールジペプチドというアミノ酸の一種を摂取するとFRの産生量が多くなるそうです。鶏の胸肉、牛肉、豚肉、マグロ等に含んでいますが、手軽に摂取できるサプリが有効です。早速購入して毎日飲んでいます。

FRを増やすイミダゾールジペプチド

FFとFRは、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授が発見しました。

そちらの詳しい研究データがネット上に無いか探しましたが、具体的にランニングに参考にできそうなものは見つけられませんでした。
 
 

NHKで放送された内容も参考にしてダウンに必要な、適切な時間を考える。

1時間や1時間半のジョギング後、休憩をすることでFRの量が増えるという内容が放送されたらしいです。私は放送を観てませんが、、。

しかし、純粋なダウンと、FRを増やすためのジョギングは目的が違うのかなと私は考えています。あくまでも、私の意見です。私は研究者でも評論家でもありません。いちアスリートとしての経験からの意見です。

しかも、テレビで紹介しているジョギングの質がよくわかりません。心拍数で運動強度を管理したものなのか、血中乳酸濃度、呼気中の二酸化炭素濃度などを測定して運動強度を決めたジョギングなのか?おそらく、主観的なゆっくりでのジョギングだと思います。だから、あてになりません。

クーリングダウンに必要な時間

LSDの効果とデメリット

 
 

乳酸は疲労物質では無いという意見に対して

乳酸は疲労物質では無くエネルギー源だ書かれているブログをよく目にします。それも分かりますが、やはり筋肉の収縮を妨げているのは乳酸だと今は思いますし、乳酸をエネルギーとして利用するためには酸素供給と時間が必要です。

筋グリコーゲンを解糖するためには酸素が必要です。しかし、酸素供給が間に合わなくても解糖する、無酸素運動の話を以前紹介しました。

エネルギー供給系の説明

その時に筋収縮しにくくなるのは乳酸が原因だと考えられていましたが、違うという意見がFF、ファティーグ ファクターです。疲労因子のことです。

筋肉に乳酸を注射して、乳酸濃度を高めても筋収縮には影響が無かったという研究をネットで見つけました。じゃあ何が筋収縮を妨げているのか?それがFFだと言うのです。
 
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乳酸は疲労物質という表現は間違い

乳酸は疲労物質ではなく解糖エネルギー産生の副産物です。他にも二酸化炭素もあります。二酸化炭素は呼気から排出されます。乳酸は酸素供給により利用されるまでは筋肉の収縮を妨げるものとして存在し続けると考えられます。

現実的に、高強度なトレーニング中やレースで走っている最中に、乳酸が血中に浸透して肝臓に戻りグルコースに再合成されるにはとても時間がかかります。高強度運動による乳酸の産生によって運動が妨げられている方が影響大きいと思います。だから、乳酸が高強度な運動を阻害する=疲労物質と思われています。

捉え方次第で、低強度な運動ではエネルギー源として再利用される乳酸ですが、高強度な運動時には筋肉の収縮を妨げている原因としか思われていません。その時は疲労物質として捉えても良いと私は考えています。専門家の見解はわかりません。

今はこう考えていますが、今後新しい研究結果を見て勉強して、自分なりの理解をしたいと思います。
 
 

乳酸の説明とその他の疲労物質リン酸

東京大学の八田教授の研究で、乳酸を取り上げている興味深い研究があります。twitterのDMで教えてもらいました。
八田教授の研究室
 
 

血液検査で分かる疲労度合いクレアチンキナーゼ

確かに、病院などで血液検査をした時に、身体のダメージを現す数値のひとつに、CKというものがあります。クレアチンキナーゼです。

激しい運動で骨格筋から血中に溶け出すので、この数値が高いと【疲れている】と言えます。

正常範囲は、男性55〜210、女性44〜166
単位はIU/L(国際単位)

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FRを発生させるための具体的な方法

FRの発生に必要なことは、自律神経を副交感神経優位にすることだそうです。

副交感神経が優位になる時は以下の通りです。

睡眠中
短時間の昼寝中
起きていても休息中
食事中、消化吸収中
適温のお風呂に入っている時とその後
(適温は入って個人の主観によるもの。)
強めのマッサージを受けている時とその後
強めのストレッチをしている時とその後

走っている時=交感神経優位になりますので、長いダウンjogがFR発生の条件とは言えません。しかし、その後にしっかりと休息することで、その時にFRが発生することになるので、そこまで含めて説明してもらえると納得します。

先にも説明しましたが、長いダウンjogではそのjog自体は、効果的な有酸素運動レベルよりも低いのでトレーニング効果があまり期待できないものです。

ここまでしっかり理解して、ダウンjogの長さを考えて決めるべきです。FRを知っても私は長くしません。

理由は、その後に副交感神経優位になる時がたくさんあるからです。ダウンで1時間走るなら、私は1時間多く寝たいです。睡眠不足気味なので。
 
 

まとめ

近年色々な疲労の要素が取りざたされていますが、やるべきことはシンプルに考えた方が良いと思います。

適度なダウンに、適切なタイミングでの栄養補給、セフルケア、きちんと睡眠時間を確保することです。

FRについては、これから実験データを見つけて勉強したいと思います。

今回、乳酸やFR、FFについて調べようと思えたのは、twitterからのDMがきっかけでした。スポーツ科学分野は情報技術ほどの革新的な進歩や変化は無いにしろ、新しい発見で考え方が少しずつ変わっているようです。

疲れで乳酸溜まってるわ〜、という発言自体が間違いになっているような、なっていないようなそんな時期だと感じています。

最近は、ブログ記事も手軽に誰でも書けるので、同じ文章のコピペがいくつものサイト、ブログで目にすることがあります。少し手を加えていても、元ネタのコピペがすぐわかります。

そういうブログはあまり見ないようにしていますが、あながち間違っている訳でも無さそうです。

結局、最後に判断するのは自分です。勉強もコツコツと継続しなくてはいけないと、再認識した記事でした。

参考資料等

東京慈恵会医大 教授 近藤一博 氏

東京大学 教授 八田 秀雄 氏

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タイプ別5000m/3000mのペース配分の考え方


よく耳にするアドバイスは、
『入り1kmを突っ込んで、そのままいけるところまで行って、最後は粘れ!』

本当にこれでよいのでしょうか?
私は、このアドバイスは不十分だと思います。個人の持ち味に合わせたアドバイスがあるはずです。

予選、決勝、記録会等によって作戦は変わりますし、個人の持ち味(運動特性)によって適切なペース配分は違うと考えています。

学生の部活動では、顧問の先生によって、陸上競技経験者、未経験者、経験者であっても中長距離以外の種目が専門の先生もいます。的確なアドバイスをもらえない場合もあるかもしれません。
顧問の先生が陸上未経験者の場合、生徒はどうするべきか?
 
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持ち味に合わせたペース配分のアドバイス①
記録会等で記録を狙う場合の走り方

持久力タイプは、
イーブンペースが基本
入りを少しだけ速めにしてレースの流れに乗って自分に合うペースの集団に入る。
ここで無理をして速く入り過ぎて一つ上の集団に入ると後半で失速する可能性が高くなる。
中盤〜終盤は流れに乗って苦しいことろで少し落ちるけどリズムは崩さずに
ラストスパートでペースを戻す。

中間タイプは、
入り1000mを速めに入りリズムをつくる。
そのリズム(ピッチ)を維持する。
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ラスト1000mは一気に動きを切り替える。自分の得意な距離
強烈なスパートで前の選手をゴールまで抜き続ける。

瞬発力タイプは、
スピードがある瞬発力タイプの人は暴走注意
地面を蹴らない走りで腕振りもコンパクトにする。
自分の目標平均ペースより速めに入る。
そのリズム(ピッチ)を維持することを意識
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ペースが落ち過ぎるようなら腕振りでリズムをとって維持
ラストは自分が最後まで持つと思える距離(ラスト600m〜400m)から、短距離的なフォームに切り替えて一気にスパートで盛り返す。
ラストスパート次第で5″〜10″はタイム戻せる。

持ち味に合わせたペース配分のアドバイス②
大会で予選、決勝での着順を争う場合の走り方

持久力タイプは、
ラストスパートの切り替えが苦手
最後の直線勝負に持ち込まれると勝ち目は低くなるので、早めの仕掛けで余裕のある段階で自分が得意な展開に持ち込む。
ロングスパートを仕掛けるか、
前半から速めのペースでレースを展開して後続を振り落としておく。
前半から行く場合は、あらかじめペース設定を考えておき、後半ペースが落ちる区間が出て来るけど、リズムで粘って気持ちは切らさない。イメージトレーニングをしておく。持久力タイプの自分がキツイところでは、他の持ち味の選手はもっとキツイはず。そこで追いついて来るのは難しいので、一人でも逃げ続ける決意が必要。その流れで周りに何人かいれば、集団の力を借りてペース維持を。
そのままズルズルとペースダウンせずに、ラスト1000m過ぎたら行けると判断できるポイントでスパートをする。
この距離のスパートなら、この時点で後ろにいる中間•瞬発力タイプはスパートできる状態では無いし、先手を打って逃げ切る。可能ならラスト200m再度スパートをして全力を最後まで出し切る。

中間タイプは、
ラストの競り合いは強い。
前半〜中盤は前に出ずに、狙った順位の集団の中程で流れに乗って省エネで走る。
ラスト100m等短い距離の着順争いでは瞬発力タイプの人には敵わないので、早めの段階で良い位置に着けておく。
最低でもラスト500mの直線を利用して動き始め、コーナーでは無駄に外を走らず、遅くてもラスト300mでスパートを。
スパート、切り替えはじわじわ上げるのでは無く、一気に切り替える。
じわじわ上げると持久力タイプの人でも食らいつきやすくなる。
逆に、持久力タイプの選手に、ロングスパートをかけられた場合は、意を決してついていくか、ガマンして自分の得意なスパートの距離までリズムを保つ。
ついて行く場合は、長距離タイプに分があるので早い段階で前に出ず、後ろで流れに乗って力まずにそのリズムを盗む。リズム変化に対応。
長距離タイプからすれば、ついて来られることがプレッシャー。ラスト勝負は弱いので。
自分が自信のある距離までついて行ければそこからは予定通りの切り替えで再スパートする。

瞬発力タイプは、
ラスト100m〜150mの競り合いに強い。
一方で、前半からの速い流れや、中盤からのペースアップには対応できない人が多い。持久力が持たない。
レース序盤は狙う順位が見える位置で、ポケットされない身動きできる位置に入る。
レース自体が牽制し合った流れになればなるほど勝機が出て来る。
レース序盤、中盤で自分から余計な仕掛けはせずに、ひっそりと誰にも気づかれないように淡々と省エネだけを考えて身を潜める。
ラスト300mからスパートするタイミングを考えつつ、狙った順位の右後方で待機
スパートする時は一気に動きを切り替えて、後続が反応する前に加速する。

 
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まとめ

大会前や記録会前に、先生や先輩からペース配分のアドバイスをもらうことがあると思います。

自分からアドバイスを頼む場合と、相手が良かれと思って言ってくる場合があります。

どちらにしても、まず自分なりに一度考えることが大切です。

自分の考えと第三者のアドバイスが一致していれば、自信を持って臨めるでしょう。

また、違う場合はどう違うのか?
大体の考え方は同じで細かいペース配分が数秒違うのか、それとも真逆の様なアドバイスなのか。その場合はどちらを採用するのか。

最後に決めるのは自分自身です。

大会や記録会でいきなり試すのは、私はおすすめしません。レースがひとつもったい無いです。

私なら、練習のインターバルやレペティションで、次のレースで走るペース配分をイメージした練習をすることをおすすめします。

走るイメージトレーニングでレースを分割を詳しく見る。

インターバルをただやみくもに本数とタイムをこなすのか、何かをイメージしながら消化するのか、その後の結果は違ってきます。

イメージトレーニング、メンタルトレーニング、インターバル、レペティション
普段の練習が大会での走りににつながります。
 
 

中だるみを上手くする方法

レースで中だるみはつきものと言っても過言ではありません。オーバーペースで入れば確実にそうなります。その時にどう対処するか、どう備えておくかでタイムは変わってきます。

中だるみを上手くする方法を詳しく見る。

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顧問が陸上未経験な部活動、選手(生徒)たちはどうするべきか?

陸上競技部の顧問はプロフェッショナルか?

部活動で陸上競技をしている学生の場合は、顧問の先生からアドバイスをもらう機会が多いと思います。

しかし、顧問の先生は陸上競技出身者でも短距離や跳躍、投擲が専門の場合もあります。中長距離がよくわからない先生がいることも事実です。

実際に陸上競技場で、高校の先生方から中長距離の練習方法を教えてくれと言われることもあります。若い頃は、その学校の生徒達と一緒に走らせてもらったこともあります。

生徒指導のプロフェッショナルに対して、陸上競技経験のあるただのサラリーマン(私)が教えるということが実際にあります。

私は、人材育成や社員研修のプロです。陸上競技のプロコーチではありません。

しかし、人に何かを教えるということは共通していますので、応用が利きます。きっと先生もそうだと思います。
 
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先生たちもわからないこと、苦手なことがある

先生方も、専門外の種目のことは勉強していますし、何人も生徒を見ているので動きの良し悪しを見る目はあります。短距離も長距離も走る動作の本質は同じですから。

ただし、種目に応じた戦術だったり、個人の性格や持ち味に合わせたピンポイントなアドバイス、その選手専用の助言ができるかどうかは別の話です。

迷ったり、分からなかったり、困ったら、一般論を伝えることになります。それが、『最初速めに入って後半粘れ』です。または、『行けることろまでついていけ』もあり得ます。
 
 

顧問の先生方は顧問歴によって独自の指導方法を編み出す

ベテランの先生になると、自分の専門外の種目の方が教え子のレベルが高くなることがあるそうです。基礎から学び直すからです。その専門種目で活躍した他の学校の先生から教えてもらって、そこの学校に自分の生徒を合宿や練習会に送り込んで、先生自身もその練習風景を見ながら、レベルの高い選手の動作と自分の生徒の動作を比較して、それを生徒に伝えたりするそうです。指導方法はその人によって沢山あります。

自分の専門種目は、自分がやっていた先入観があって上手く教えられない場合があるそうです。自分のタイプしかわからないので、自分と違うタイプの選手には、過去にやってきた練習方法が合わない場合があります。そこを柔軟に対応してアレンジできるか、意固地におれは昔これで速くなったんだ!と強制されるかは、その先生の指導能力が問われるところです。
 
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先生たちの経歴

オリンピックに出ていた先生
世界陸上に出ていた先生
元実業団の先生
全中、インターハイ、インカレ、国体に出ていた先生
全国大会には行けなかった先生
県レベルの先生
県大会にも出ていない先生
陸上競技未経験の先生
陸上未経験だけど他の競技で全国クラスの先生
陸上未経験で運動も苦手な先生

みんな先生です。

陸上競技未経験の先生も、先生なりに努力しています。その気持ちを汲んであげることも大切です。

ちなみに私の高校時代、2年までは中距離専門の先生、3年時は未経験で運動苦手な先生でした。
 
 

陸上競技未経験の先生から学んだこと

3年生の時は私にとって転機でした。先輩としての自覚、自分でメニューを組み立てる必要性、中長ブロック長として後輩達のメニューを考えて面倒を見る責任感、部長や他のブロック長と協力して部活動を運営するための協調性、陸上競技を通して沢山のことを勉強するきっかけになりました。特に自己管理することの大切さ、大変さを学びました。1日も欠かさずに記録した練習日誌が自分のコーチになりました。

それまで先生の言いなりだった部活動が、生徒主体の活動に変わりました。顧問はそれを見守ってくれました。

その先生は物理専門で、陸上競技は全く知りませんでした。しかし、大会の引率や大会役員等を一生懸命にやってくれました。専門外の事に、一生懸命取り組むその真摯な姿勢をその先生から学びました。

今では、高校3年時の一年間があった事を本当に感謝しています。

 
 

顧問の転勤とその後

公立高校の先生には必ず転勤があります。強豪校でも、先生が転勤になった翌年から弱くなることが多いです。転勤後2年経過すれば、その先生の教え子もいなくなり全く違う体質の部活動になります。

そして、その先生が転勤して行った先の学校が強くなります。それだけ先生の影響は大きいものです。

しかし、弱い学校や陸上競技未経験の先生が顧問を務める学校でも、時々レベルの高い選手が出てきて活躍します。

そして、一人でもすごい選手がいると周りのレベルも引き上げられます。短距離ならリレーが強くなりますね。スター選手の影響もまた大きいです。

長距離は、駅伝の7人は揃いにくいので厳しいです。しかし、個人のレースでは孤軍奮闘して駅伝強豪校に割って入る選手もいます。

必ずしも、陸上競技経験のある先生が顧問を務める部活動だけ強くなれる訳ではありません。

先生が未経験者でも、生徒自身が自主性を持ってやるべきことをやれば、陸上競技は強くなれます。そのためには強い意志と創意工夫が必要です。
 
 

生徒、選手たちがやるべきこと

先生が未経験なことは変えられない事実です。その事を悔やんで1年〜3年過ごすのは時間の無駄です。

自分自身は変わることができます。

もし、顧問の先生が陸上競技未経験であれば、それはあなた自身が成長するためのとても大きなチャンスが目の前にあると言えます。

すぐに良い結果は出ないかもしれませんが、諦めずに考えて行動してください。陸上競技のことを沢山勉強してください。

最近の中学生、高校生は恵まれています。インターネットで沢山の情報を得ることができます。

それを上手に活用して、正しい情報(知識)を得て部活動に活かしてください。

超回復の原理や栄養の鉄分、交感神経と副交感神経の働き等
走る技術やメニューを立てるだけが勉強ではありません。

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プライオメトリック(瞬発的な筋力発揮)

瞬発的な筋力発揮

プライオメトリックとは、ランニングに直結する瞬発的な筋力発揮のことです。

短距離や跳躍選手だけのもとの思われがちですが、そんなことはありません。中長距離選手でも効果はあります。

特に、脚が流れている人は、この動作が苦手だと思います。
脚が流れている人の原因と改善方法を詳しく見る。

それでは、プライオメトリックのトレーニング方法を詳しく説明する前に、他の筋肉発揮の方法をおさらいしましょう。

筋力発揮の仕方と具体例をいくつか挙げて簡単に説明します。

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様々な筋力発揮の方法

1 アイソメトリック(等尺性筋力発揮)
筋肉の長さが変化しない筋力発揮
壁を押す時
持ち上がらない程重い物を持ち上げようとしている時
腕立て伏せの姿勢で腕を伸ばして保持している時(腕だけではなく、腹筋もこの筋力発揮で耐えています。)

2 アイソトニック(伸縮性筋力発揮)
筋肉の長さが変化する筋力発揮
アイソトニックは二つに分けて説明できます。伸びる時を伸張性、縮む時を短縮性と言います。

(1) エキセントリック(伸張性筋力発揮)
伸ばされながら筋力を発揮する。
鉄棒で懸垂して上りきった位置からゆっくり下がる時

(2) コンセントリック(短縮性筋力発揮)
縮めながら筋力を発揮する。
懸垂で上がる時
走る時のふくらはぎ、ハムストリング
基本的にランニングでの筋肉の働きはこれになります。腕振りもそうです。

3 プライオメトリック(瞬発的筋力発揮)
瞬間的な伸張と短縮を伴う筋力発揮
ジャンプ、連続ジャンプ、縄跳び
走る時の接地から離地の動作(瞬間)

4 アイソキネティック(等速性筋力発揮)
一定負荷の筋力発揮、伸張と短縮
油圧の器具で筋トレした時
水中で歩行や走行した時の負荷のかかり方

それでは、次にプライオメトリックのトレーニング方法と効果を説明します。

プライオメトリックのトレーニング方法と効果

瞬発的な筋力発揮を鍛えるためには、その動作をすれば良いです。

具体的には、
その場で連続ジャンプ
縄跳び、二重跳び
ハードルジャンプ
バウンディング
ボックスジャンプ
等があります。

ランニングの接地動作の局面を強調して行うイメージです。両脚同時に行う場合と片足ずつ交互に行う場合があります。

順序としては、両脚から行うのがやりやすいと考えます。

ハードルジャンプまたはその場で連続ジャンプを例に説明します。

プライオメトリックの導入〜両脚同時にジャンプ〜

初心者は、ハードルを使わずにその場連続ジャンプからやると良いです。

学校等の階段の上りを使ってもできます。下りは危ないのでやめてください。

足先だけや脚だけの動作にならないように気をつけてください。

接地の瞬間に上半身全体で身体の重心を引き上げるイメージです。地面に足が着いてから、タメを作ってよいしょ!と跳ぶのではありません。跳ねるように跳びます。

肩甲骨から動作を起こして、約90度に曲げている腕をすくい上げるようにします。

肘を引いた時は肩甲骨が閉まります。背中の内側に寄ります。肘を前方に送り出す時に肩甲骨が開きます。

両手同時に、自分の前方30cmに対してボディーブローするイメージです。振り切るアッパーではありません。この時もランニングと同じように肘が身体の前に出過ぎないようにブロックしてください。ブロックした瞬間が接地の瞬間です。

このトレーニングでは、全身のコーディネーション能力を高めます。上半身と下半身、肩甲骨と骨盤、腕と脚、前腕(肘から先)と下肢(膝から下)、上腕(肘から上)と太もも(膝から上)の動作を同調させます。

身体操作の技術を高めると同時に、瞬発的な筋力発揮をすることで筋力も高めます。

プライオメトリックのトレーニングは、この二つの効果を狙ったものだと私は考えています。

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両脚同時ジャンプから片脚でジャンプへ

両脚同時の動作でタイミング、身体操作のリズムを掴むことができたら、次は左右の入れ替え操作をトレーニングします。

要するにランニングと同じ、片足ずつのジャンプです。

これがバウンディングです。

跳躍選手が頻繁に行うトレーニングです。陸上競技部に所属しているなら跳躍専門の選手に動作を見てもらってアドバイスしてもらえば良いです。

導入当初は、段階的なレベルアップを確認するために、立ち5段跳びで計測してみることをおすすめします。可能なら、跳躍ブロックの選手たちと一緒にやってみてください。専門の選手がどうやって跳んでいるかを生で見て、それを真似してみてください。中長専門の男子なら13m00〜50cmほど跳べればまずまずの記録でしょうか。跳躍専門の選手は14mくらい跳んでいました。助走なしで、最後は砂場に着地です。

砂場以外の場所では、グランドやトラック内の芝生等でもできます。雨天時や冬季は体育館の走路でもできます。この場合は着地動作は無しです。5回、10回とバウンディングする歩数を段階的に増やして行きます。最終的には、100mバウンディングで歩数を数えてみてください。私は助走無しで41歩が最高記録でした。

右脚と左腕が同調します。同時に左脚と右脚が同調します。どちらか一方だけを強く意識すれば反対側は反射で動きます。

複数本やる場合は、右を意識する回と左を意識する回でやれば苦手な方がわかります。ランニングの時でも同じことが言えると思います。

ボックスジャンプ

ボックスジャンプは、40cmほどの高さの安定した台を二つ置きます。説明上AとBで名前をつけます。

当初Aに乗ります。
地面に対して飛び降りて、接地した瞬間に
Bに跳び乗ります。

これだけです。
台の間隔は適宜決めてください。安定した大きな台じゃないと危ないので気をつけてください。

これを複数回行います。
意識することや行うこと動作は、先に説明している連続ジャンプと同じです。

個人的には、これはほとんどやったことありません。ハードルジャンプとバウンディングを主にやっていました。

まとめ

中長距離選手が、プライオメトリックのトレーニングを行う頻度や量は、短距離や跳躍、投擲選手よりも少なくて良いと思います。

最大、週に2日だと私は考えます。ポイント練習(スピード練習)を行う日にアップとして取り組めば良いと思います。理由は超回復のサイクルに当てはめるためです。

ただし、やるべきかどうかは自分で判断してください。過度な疲労や脚に痛みがある状態でやるトレーニングではありません。

プライオメトリックは、スピードが苦手なタイプの人ほど、嫌いで苦手な動作だと思います。苦手な原因は筋力ではなく、身体操作の方だと思います。私の指導経験からの意見ですが、スピードが苦手な人は不器用な人が多いです。

最も苦手な人は連続して跳ぶことができませんでした。一回一回止まってしまい、動作の連続性が無いのです。脚だけで跳ぼうとらします。だから、走りの動作も固くスピードが出せません。

スピードが苦手、短距離が遅いからという理由で長距離をやっている人はほとんどこれに当てはまると思います。

そんな人ほど、練習の一部に補強として取り入れると効果があるでしょう。スピード練習をする時の、アップの中で流しの前に少しやるのも方法です。練習の最後に補強としてやるのも方法です。

自分には必要だと感じている人が、練習の流れの中でどこかに組み込めば良いと思います。

学生や30歳未満の若いアスリートは、高く+遠くへ+速く跳ぶように段階的にレベルを上げて行けば良いです。

ただし、社会人でベテランアスリートの方は方は気をつけてください。具体的には35歳以上の人は、若い時よりも筋力がかなり低下しています。自分が思っている以上に筋力は衰えています。

張り切ってやりすぎると筋膜炎や肉離れを起こす原因になってしまいます。

身体にいつもと違う、速い刺激を軽めに入れる程度に考えておけば良いと思います。

怪我をしては元も子もないですから。

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イメージトレーニングと想像の違い

大きな大会前の不安

目標としてきた大会が数日後に迫ると、不安になることがあります。経験がある選手は多いのではないでしょうか?

心配や想像ばかりで、考えるだけで心拍が上がります。それが前日になると緊張感も増してきます。

特に、自分が出場することができる最高レベルの大会になると、不安になりやすいものです。

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イメージトレーニングと想像の違い

静的と動的なイメージトレーニングの話を紹介したことがあります。イメージトレーニングと想像は違います。

静的•動的イメージトレーニングの説明を詳しくみる。

想像とは、実際には経験していない事柄等を推し量ることです。また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くことです。

漠然と思い浮かべる、思い浮かんでくるという感じでしょうか。思い浮かべるだけで、特に対策を立てる訳でもなく、時間の流れとともにその日が来ます。受け身の思考です。

一方、イメージトレーニングは、実際に動作をせずに頭の中で動作を考えて、その正しい運動動作を学習したり、行動をリハーサルすることです。(私は、静的イメージトレーニングと呼んでいます。)

また、ある事柄について、起こり得る場面や場合、それらの対処方法などを、頭の中で考えて慣れておくことです。

最高〜無難〜最悪のパターン等を想定しておいて、それぞれのケースに対応できるように心の準備をしておくことです。

情報を集めて、頭の中で一人作戦会議をする感じです。これから戦いに行くための具体的な準備です。大会当日から逆算して行なう、積極的な思考です。

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まとめ

大きな大会に緊張はつきものです。
かと言って、考えすぎたり、余計な想像をし過ぎることはマイナスです。

想像し過ぎで自分で自分にプレッシャーをかけないようにしたいものです。

特に前日の夜は、余計なことを考えずにリラックスして過ごしたいですね。気持ちの切り替えです!

想像が膨らんで、交感神経が優位になって心拍が上がり眠りにくくなってしまいます。

部屋の明かりの照度を調整したり、好きな音楽を聴きながらストレッチしたり、温かいハーブティー(ノンカフェイン)を飲んだり、自分なりのリラックス方法も考えておきたいですね。

ちなみに、ハーブティーは妊娠授乳期にも飲める商品が品質的にも安心ですし低価格に抑えられていて人気のようですね。コーヒーはカフェインを含んでいますので、覚醒して眠りにくくなるのでおすすめしません。

走るだけがトレーニングや調整では無く、生活の流れ全体も含めて調整練習です。

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テニスボールを使ったセルフマッサージ

トレーニングとケアのバランス

部活動以外の時間や、自主練習後に自宅でできるトレーニングはありますか?

と、度々質問を受けます。

私はトレーニングすることよりも、ケアすることをおすすめします!トレーニングの効果は、その後の回復にかかっていると言っても過言ではありません。トレーニング→食事、栄養→休養、回復です。体を休めて睡眠をとることが最も大切ですが、他にもストレッチをしたりマッサージをして、疲労回復促進をした方が良いです。

そこで登場するのが、テニスボールです!
テニス部の皆さん、本来の用途とは違う使い方をして申し訳ありません、、。

しかし、この硬式テニスボールの弾力が程よく筋肉をほぐしてくれます!

私は治療院の先生に教えてもらいました。

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なぜテニスボールが良いのか?

手で押すよりも固く、それが適度な圧力をかけてくれます。点のようで面です。

筋肉繊維が束になっている筋肉組織の表面を筋膜が覆っています。疲労によって、この筋膜が上手く働かなくなり、筋肉の動きも悪くなるようです。

テニスボールで気になる部位をコロコロと圧をかけると、この筋膜が元の状態に戻るように働らくそうです!これが筋膜リリースです。

お値段以上の効果

筋膜リリースで検索すると、筋膜リリースをするための道具が何点も出てきます。5000円〜万単位まで。高価なものは電動のなんたらかんたらでウン万円です!これは買えない(涙)

そこで、テニスボールです!
もちろん手動ですが、お値段150円!スポーツ店で手に入ります。

適応部位

肩、腕、脚、ハムストリング、腸脛靭帯、ふくらはぎ、背中、臀部、どこでもOKです。

ただし、足裏には柔らか過ぎます。足裏は竹踏みかゴルフボールがおすすめです。ゴルフボールを使う場合は家の床材を凹ませないように、何か硬いものを敷いてやらないといけません。グランドでゴルフボールは良いかもしれませんね。

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具体的なマッサージ方法

床にテニスボールを置いて、背中、臀部、腰等、気になる部位を押し当ててください。自分で動いて好きなだけ圧をかけてください。

テニスボールを手に持って、前もも、太もも側面、ふくらはぎ、腕をマッサージしてください。押し当てる、圧をかけて転がす、色々できます。

椅子に腰掛けて、ハムストリングでテニスボールを踏んでください。臀部との付け根、坐骨結節のコリも痛気持ち良くほぐれます。

後は、お好きなようにやってOKです。
嘘だと思って、一度やってみてください。気持ち良いですよ!

マッサージ後は、静的ストレッチをしっかりしてゆっくり寝ましょう!
効果的なストレッチについて説明を詳しく見る

Amazon筋膜リリースのマッサージ器具






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速くなるため、強くなるためにはどうすれば良いですか?


時々この質問を受けることがあります。

非常に抽象的ですが、強くなりたいけど、どうすれば良いのか、何から手をつけたらよいのかわからない、そんな気持ちが伝わって来ます。特に中学生に多いです。

それでは、具体的にどうすべきか整理してみます。

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トレーニングの5原則を守ること。

これは絶対守るべき基本です。これから外れると絶対に競技力は伸びません。
トレーニング5原則を詳しく見る

目標を明確に、具体的に持っていること。
目標に向かってしっかり計画を立てて取り組むこと。

年間計画の立て方を詳しく見る

 

自分に合ったメニューとペース設定でトレーニングすること。

私が作成したものですが、今の自分の持久力(3000か5000mのタイム)と運動特性、専門種目を選択することで最適なメニューを導き出します。
練習メニュー検索

 

練習では本数とペースをこなすだけではなく、しっかりとレースをイメージして走ること。

練習量を消化するためだけの自己満足な練習ではなく、練習の目的を考えてレースのための練習をすることが大切です。走りながらのイメージトレーニングです。
イメージトレーニング(大会で過度に緊張して自分の力を出せない人へのアドバイスを詳しく見る

 

自分に合ったランニングフォームを研究し続けること。

走るフォームには個性が出ます。誰かの真似をそのままできるものではありません。自分の体型、持ち味、専門種目や距離によって理想的なフォームは異なります。
三大ランニングフォームの説明を詳しくみる
 
 

中長距離で疎かにされやすいプライオメトリック(瞬発的な筋力発揮)の練習も少し取り入れること。

長い距離には必要ないと思われがちですが、効率的な動作、無駄の少ないランニングフォームを目指す上では必要な運動です。少し練習に加えるだけで、身体の使い方が上手になりますので、やったことがない人はやってみてください。
プライオメトリックトレーニングの説明
 
 

自分に必要な筋トレや補強運動を考えて行うこと

筋トレや補強運動は、あくまでも【補う】トレーニングです。メイン練習は走ることです。自分に弱い部分や苦手なことがあれば、それを克服することが大切です。レベルアップへの過程で必要なことです。

ランナーに必要な筋トレや補強運動とは?

 
 

自主練習を計画的に行うこと

学生なら部活動が無い時や部活停止中のテスト期間などに自分で考えて練習することが必要になります。

自主練習について

 

規則正しい生活、睡眠時間の確保

生活基盤は大切です。
トレーニング→栄養→休養→回復→トレーニング、このサイクルをひたすら繰り返します。シンプルで地味な繰り返しです。

睡眠と成長ホルモン

 

栄養バランスの良い食事を三食きちんと食べること。運動直後30分以内に補食を摂って回復を促進すること。

特に中長距離ランナーは消費カロリーが大きく、筋肉疲労も大きいです。無理なダイエットは控えましょう。有酸素運動や回復のために必要な酸素の運搬能力はとても大切です。貧血には絶対ならないように気をつけましょう。
持久系アスリートと貧血を詳しく見る

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中長距離ランナーとして適切なBMIと体脂肪率を目指すこと、そして体型維持をすること。

適切なBMIはあくまでも目安で、自分のベスト体重と体脂肪率を知り、それを維持する努力をし続けること。
中長距離ランナーの体重について、を詳しく見る

 

自己管理がしっかりできること。

練習日誌で自分自身を管理することが必須です。ただ練習するだけでは競技力は伸びません。
練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る
 

セルフケア、疲労回復に努めること。

怪我の予防のためにも、毎日のセフルケアは大切です。ストレッチ、マッサージが代表的です。
ストレッチの基礎知識を詳しく見る
 

不慮の怪我や故障をしてしまった時に、その時できる最善を尽くすこと。また、トレーニングに対する怪我のリスクを理解して、怪我の予防に努めること。

ランナーがなりやすい怪我と故障を詳しく見る

故障者のエアロバイクを活用した有酸素トレーニング

 

まとめ

地味な回答ですが、この地味で当たり前のことを何年も継続することが基本になります。質問してくる人は、たぶんこんな答えを期待していないでしょう。

おそらく、こんな練習をこのペースでこれだけこなせば強くなる!とか、そんな練習内容を聞きたいのかな、と推測します。

しかし、それはこれまで紹介してきたことがほとんどクリアできた段階で行う内容になります。

今回紹介したことを、誰かに強制されてやるのではなく、自分で必要性を感じて自発的にやるようになれば内面的な成長も見込めます。

内面的な成長が、トレーニングに対する取り組み方の質を高めます。また、日常生活においても創意工夫できるようになります。

部活や練習の時間だけがトレーニングではなく、生活全体がトレーニングを支えていることが理解できるようになります。

陸上競技やランニングは、シンプルで地味なスポーツです。シンプルだからこそ、努力した分だけ自分に返って来ます。それが陸上競技、ランニングの魅力でもあります。

私は陸上競技を通して非常に多くのことを学びました。走ることを通して出会った人達に感謝していますし、良い影響をたくさん受けました。

監督やコーチがいなくて苦労したことは多かったですし、色々なことを知ったり気づいたりするのに時間もかかりました。

私と同じように、指導者に恵まれずにどうしたら良いのかわからずに悩んでいる選手はたくさんいると思います。

本来、部活動やチームで教えてもらう基礎的なことを今回は紹介しました。

陸上競技、ランニングは一人でも強くなれます!一人で走っていても一生懸命がんばっていれば、自然と同じ志を持った仲間に出逢うものです。

しっかり自分と向き合って、自己最高の自分になれるようにがんばりましょう!!

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速筋と遅筋、その中間の筋肉について

筋繊維の分類

速筋、タイプIIb、白色、瞬発力、短時間で大きな力が出せます。

速筋(中間)、タイプIIa、ピンク色、瞬発力と持久力の中間

遅筋、タイプI、赤色、持久力、大きな力は出せないが長く運動継続できます。

この三種類に分類されます。

特に、遅筋は酸素を取り込むことでエネルギーを作り出しますので、貧血だと能力を発揮することはできません。
持久系アスリートと貧血の説明

エネルギー供給系と筋繊維の特性

速筋、中間、遅筋の能力とエネルギー供給系が一致すると考えられます。

速筋→クレアチンリン酸系、ホスファゲン系(瞬発力〜耐乳酸スピード)

速筋(中間)→ホスファゲン系、無気的解糖系(耐乳酸スピード〜耐乳酸持久力)

遅筋→有気的解糖系(持久力)

結局のところ、それぞれの筋繊維を増やしたい場合は、鍛えたい距離(運動時間)を鍛えたいスピードでトレーニングすることが必要になってきます。

エネルギー供給系の詳しい説明

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私の体験談と他の選手の例

私が見てきた陸上選手たちや自分自身を考えて見ても、持って生まれた特性はほとんど変化しないと思います。

それよりも、本人の目標や意識、技術的要素がパフォーマンスに大きく関わっています。

トレーニングによって速筋、遅筋の割合がひっくり返る程変わるのか?と言うと疑問です。計画的かつ段階的に長期間継続すれば変わるかもしれません。

しかし、経験的には割合は変わらないと思います。トレーニングすればそのトレーニングで高められた能力はアップするとは思いますが。後は、スプリントの技術や最大筋力、筋肉量、長距離を走る省エネなフォームと技術が競技力に占める割合が大きいと思います。

長距離選手のスプリントトレーニング

長距離選手が短距離を速くなるのは見たことがありません。長距離選手は、不器用な人が多いです。スプリントの技術を練習しようという気持ちも持ちません。長い距離にこだわるので走行距離が減るような練習を好まない傾向も強いです。身体能力的には素質があったとしても、専門が長距離だという意識とトレーニングの考え方が能力の幅を狭めている原因になっていると考えられます。

しかし、中には器用な選手もおり、今まで取り組まなかったスプリント動作をやることで、スピードの出し方のコツをつかんで1500mが一気に伸びる選手もいます。そうすると相乗効果で5000mの記録も引き上げられます。スピードにゆとりが生まれるので、柔らかく無駄のないフォームを獲得するきっかけになります。これも速筋繊維が増えたのではなくて、スピードの出し方=技術的な問題を解決したことによる効果だと考えられます。

長距離選手が短距離的な能力を改善したい場合の練習例
スピード練習の導入やスピード感を戻す練習方法

短距離選手の持久力トレーニング

逆に、短距離選手が積極的に長い距離をトレーニングに取り入れて長距離のタイムが劇的に伸びたのは見たことはあります。この場合、短距離の能力をそんなに落とすことなく、長い距離も走れるようになるという相反する能力を併せ持つ人がいます。こういう選手が、400-800mタイプの選手です。私の元教え子で、100m10"9台、800m1'53"台、5000m15'45"がいます。

彼が、高校を卒業したばかりの頃は、400m48"台、800mを志しましたが柔らかい走りが上手くできずに、800m2分もなかなか切れませんでした。ランニングの技術的な成長で、スピードを殺さずに省エネな走りができるようになり、伸びました。単純に遅筋繊維が増大したから速くなったとは考えにくいです。

中距離選手のスプリントトレーニングと持久力トレーニング

800m、1500mを専門とする選手が最も幅広く走れます。しかし、中途半端です。短距離が速い訳ではなく、長距離も速い訳ではありません。

800m専門であれば短距離寄り、1500m専門であれば長距離寄りの特性になります。

夏場は短距離と一緒に練習してマイルリレーのメンバーとして活躍し、冬場は長距離と一緒に駅伝メンバーとして活躍する選手も多いでしょう。

まとめ

筋繊維の分類は、あくまでも医学的なもの、学術的なものとして知識としておさえておけばよいと思います。

実際は、本人の目標、やる気、技術的な進歩、トレーニングの継続でパフォーマンスは向上します。

その結果、検査をしてみたら速筋繊維が増えていたとか、遅筋繊維が増えていた、という結果論になると思います。5000円ほどでこの検査ができるとネットで見つけたことがありますが、私はやろうとは思いません。

やるならば、計画的にシーズン直後(好調な時の後)に測定して、冬季トレーニング直後=次のシーズンインの直前に再度継続して、その変化を確認するなら意味はあると思います。

狙い通り、狙った筋繊維が増えているか?全体の筋肉量が増えているか?等、検証するための要素のひとつではあると思います。

私は、そこまでやっている人を見たことも聞いたこともありません。

今、自分に必要なことは何かをよく考えましょう。

年間を通して計画的なトレーニングを考える。

練習日誌を書くコツ

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エアロバイクを活用した脚の回転数向上のトレーニング


怪我や故障時に行う持久系トレーニングだけでなく、怪我をしていなくても荒天時や冬季に室内で行うことができる有効なトレーニングです。

故障者でも、痛みが出なければやっておくと良いです。

エアロバイクのセッティング及びペダリングの技術も併せて確認してください。

セッティング、準備

ペダリング技術

 
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具体的なメニュー①高回転トレーニング

アップ5′
(10″〜30″全力高回転、つなぎは軽い負荷で3’に1本行う)×3〜5set
3’に1本なので3set9’〜5set15′
ダウン5′
(合計時間19’〜25′)

何分に1本行っても良いですが、休憩が短か過ぎると疲れて速く回せなくなります。速く回すことが目的です。

逆に、休憩を短くすることで、有酸素運動の意味合いが強くなるので、それはそれで有りです。
 
 

メニュー②持久力トレーニング+高回転トレーニングの組み合わせ

30’心拍65〜70%の負荷で、回転数(ケイデンス)90前後=走るピッチ180歩/分と同じ回転数です。
+(高回転10″〜30″、軽くつなぎ、2〜3’に1本)×3〜5set
ダウン5′
(合計時間41’〜50′)

アレンジ次第で何分にでもできます。冬季練習や荒天時、故障時にやってみてください。
 
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③エアロバイク高回転+流し×数本

屋内や体育館の状況によって、可能ならやると良いです。

高回転で何セットかやった直後、ダウンをせずにそのままエアロバイクから降りて、流しを入れてください。

高めた回転数を実際の走りの動作につなげてみます。
 
 

実際に走っている時のピッチを知る

これを知っている選手はほとんどいないと思います。データのひとつとして確認してみるのも良い機会です。

レース時のピッチを練習に活かす方法を詳しく見る。

私は、800mのレースで1’56″で走った動画を数えました。
800mで400歩
ストライド1歩2m00cm
ピッチ206.8歩/1分

このピッチが肝になります!!
バイクのケイデンス、回転数は歩数の半分なので103.4回転になります。

高回転練習では、このピッチを遥かに超える高回転数を数十秒維持することで、身体と脳にもっと速く身体を動かすことができると覚えさせるのです。

110回転以上を目指しましょう!
エアロバイクのペダルの重さ、負荷は軽めにセットしてください。重すぎると速く回せません。軽すぎてもスカスカ抜けます。抜けない程度の軽さでやってください。

逆に、高回転数練習では無く持久力トレーニングの場合は、ジョグの時のピッチ(私は180歩=エアロバイクの回転数は半分の90)に合わせることで、エアロバイクのペダリングとランニングの動作を関連付けることが出来ます!
 


 

まとめ

エアロバイクにただ乗るだけではもったいないです。同じ時間をエアロバイク上で過ごすとしても、ここで紹介した知識と考え方を持って取り組むのと、何も考えずに乗るのとでは効果が違うと思います。

時間の密度を高めるのは、正しい知識と経験からの知恵です。

どうせ乗るなら、スマート(賢く)に!!

勉強ができる学力の賢さだけでなく、物事を応用する力、工夫して活かすための柔軟な発想力も養いたいですね。

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静的イメージトレーニングと動的イメージトレーニング


大会で力を発揮できない人へのアドバイスで説明した、自分の行動と考えを書き出したものを利用して、イメージトレーニングを行います。

静的イメージトレーニング

書き出したイメージを頭の中で思い浮かべて、時間の流れに沿ってイメージします。

注意点として、寝る直前にベッドや布団ではやらない方が良いです。興奮して来て、交感神経が優位になって眠りにくくなります。

逆に、夜21:00以降はイメトレをせずに、陸上競技を忘れて自分の好きな趣味の時間にしてください。リラックスも大切です。

また、必要以上に【想像】し過ぎると、逆効果になりかねません。イメージトレーニングと想像は違います。

イメージトレーニングと想像の違いを詳しくみる。

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動的イメージトレーニング

書き出した行動のイメージを実際の行動でやっておきます。普段の練習の時にそのイメージで走ります。

例えば、長距離選手がインターバル1000m×5やるなら、レースを分割して一本ずつレースの最初、2km、3km、4km、ラストとイメージしながら走ってください。

前半突っ込むなら1本目を速めにして、次の2本目は一定ペースとか。ラストは切り替えて全力出すとか。

練習をただ練習としてこなしていては、大会と練習がつながりません。

イメージトレーニングが大切です。

中距離選手も同様に、どのトレーニングでも応用可能です。800m1’59″0目標とします。

400m×3(15’rest)のレペティションなら、
1本目は、800mレースの入り400mをイメージして。ラストスパートはしません。57″0
2本目は、レースの200〜400mをイメージして、当然ラストスパートなし。57″〜58″
3本目は、レース後半イメージで、一周まわってきたところから頭の中はスタート。走りながら500通過、600通過とイメージ、水濠からいっきに切り替えてスパート!56〜57″

こんな感じです。
15分restにすると1本1本しっかり走れるので、レースのタイムよりは良くなりますが、あくまでもイメージはレースをシミュレーションします。

休憩を短くすれば、1本1本の質(タイム)は落ちるのでレースに限りなく近い感じになります。その時は5分で400m歩きでつなげば、そういうトレーニングができます。

400m×5(400m歩きつなぎ5′)レースペース
入り57″、2本目以降は60″〜61″、ラスト60″
このようにやれば、かなりレースに近い感じのキツさになります。

1500m対策なら、インターバル300m×5(jog100m50″)×2(jog700mつなぎ)
目標ペースは4’00″00とします。300m48″0、100m16″0です。

1set目は予選、2set目は決勝

1set目は、淡々と48″0でこなす。一定のリズムで一定ペース。スパート無し。最後の1本目だけ、着順の位置取りで、ラスト100mを一気に切り替えて15″0に上げてみる。

セット間は、jogでゆっくりつなぎながら、次のセットのイメージを確認する。

2set目は、1本目速めに入ったり、遅めに入ったり自分なりに。5本あるうちの最後の2本目は練習効果を高めるためにスピードアップします。これをレース終盤のペースアップとつなげてイメージして、46″0、45″0に上げるようにします。

1500m対策のレペティションなら
1000m+600m(15’rest)
4’00目標なら、2’40″と1’36″〜1’30です。
1000mは実際の1500のスタート地点から。入り1000mをイメージ、スパート無し。
600mはラスト600mをイメージします。15’restの間に休憩とスタート地点の移動をします。900m地点から1200m地点までは一定ペースで、ラスト300mで一気に切り替えてスパートします。

こんな感じです。

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笑顔の力でペースダウンを防ぐ

根性論ではありません。
身体がキツい時に、あえて笑顔を作ることで脳が錯覚します。プラスに作用するホルモンが分泌されます。

こちらの記事にまとめてありますので、参考にしてください。

笑顔の力でペースダウンを防ぐを詳しく見る。

 
 

まとめ

身体能力のレベルアップは絶対必要です。しかし、メンタル面のレベルアップも伴わないと身体能力の全てを発揮することはできません。

練習で強いけど、大会で弱い人は、社会人なら仕事でも同じことをしていると思います。学生のみなさんは、いつかは社会人になります。その時に、陸上競技で培ったものは体力的な強さだけではありません。

現実は、体力よりも目的意識や問題意識の高さ、自分自身をコントロールするメンタルの強さであったり、自己管理する能力が社会人として求められる要素であり、それを兼ね備えている人材が必要とされています。

私は企業で、人事担当者としてリクルーティングにも携わっていたことがあります。

学生時代に運動部で競技に打ち込んでいた人というのは、こういった面が充実している人が多いので、運動部の印象は良いです。しかし、運動部でもさぼったり、大した活動をしていない人は話せばわかるので、全ての運動部が良いとも言えません。

今、学生なら陸上競技を通して多くのことを学ぶことになると思います。

怪我や故障、記録の停滞等、悩むことも多くあると思います。それらを乗り越えた人だけが、自己最高の自分に出会えます。

目標達成に向けてやるべきことを考えてみてください。

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イメージトレーニングについて

練習では走れるけど、大会になると上手く走れません。

という質問がたまにあります。

練習で速いけど、大会になるとそうでもない選手っていますよね。

おそらく気負い過ぎなんでだと思います。
または、その場に立つと何をして良いかわからなくなって、周りの流れのまま走って終わってしまうパターンです。

そういう人は、サブトラックでのアップ中でも他の人が気になってしょうがありません。みんな速く見える。強そうに見えるのではないでしょうか?

召集所に行くと、それがさらにヒートアップします。強豪校のジャージを見ただけで萎縮してしまいます。強豪校の選手たちはライバル同士で話したり談笑している人、静かに集中している人、それぞれが上手く待ち時間を過ごしています。

それを、横目にそわそわして立ったり座ったり、、。誰でも身に覚えがあると思います。

これ、私の経験談です。
そういう時期もありました。

それでは、私なりの解決方法を紹介します。
 
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大会前に練習日誌を読み返す

他の記事で紹介していますが、大会前に練習日誌を読み返すことをおすすめします。
練習日誌を読み返して、自分がやってきた練習に対して大会前に自信を持つ

 

自分の行動や考えを全てに紙に書き出す。

やるべきことや考えてることを全部書き出してみてください。

大会の準備からアップの流れ、jog何分、流し何本、体操ストレッチ何分、休憩何分、着替えして召集場所いって、等

時間計画をきっちり立てて、その通りに行動することに集中すれば余計なことはあまり考えなくなると思います。

レースでも、目標タイムの設定、1000mごとの通過タイム設定、入りが速めなら、その細かいペース配分、中だるみは最低何分何秒で抑える、その時の意識はこうする、スパート切り替えのタイミングはラスト何メートルで。余力あったらどこから、その時の意識はこうする等

レース展開をイメージして、その時の身体のキツさやリズム感もイメージで感じながら、その時に自分がどうすべきかをシミュレーションして、それを書き出します。

これを利用して、イメージトレーニングに使います。

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イメージトレーニングには、静的イメージトレーニングと動的イメージトレーニングがあります。

静的イメージトレーニングは、どこでもできます。頭の中でシミュレーションします。

動的イメージトレーニングは、実際に身体を動かしながら動作とイメージを一致させる行動です。レースペースの練習の時にやると効果的です。

それでは次回、詳しく説明します。
静的•動的イメージトレーニングの説明

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エアロバイクのセッティング、準備


どこの体育館にもほとんど置いてあるエアロバイクを活用してリハビリトレーニングを行います。

ただまたがって乗れば良いというものではありません。

自分の身体に合わせて、できる限り調整してください。これからそのポイントを説明します。

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ペダルに足を乗せる位置

母指球が一番力が加わりますが、そこより数センチ(2cmくらい)土踏まず寄りにしてください。

理由は、アキレス腱とふくらはぎをあまり使わないようにするためです。その部位の故障者は特にそうする必要があります。その部位の故障者でなくてもその方が良いです。

身体の中心から遠い末端部分の出力発揮は小さくて長続きしないものです。体幹に近い大きな太ももと臀部を中心に使う意識で乗りたいので、そのようにしてください。

 

ペダルと足を固定するベルトの有無

できれば固定できるタイプが望ましいですが、フィットネス目的の簡易的なエアロバイクではこの固定ができない商品もあります。ママチャリのような感じになります。

先ほど説明した、足を乗せる位置でしっかり締めてください。これで引き脚を上手く使うことができます。

踏むと、前ももとふくらはぎを主に使うことになります。

脚を引くことで、臀部とハムストリング、腸腰筋を使えるようになります。

 

サドルの高さ

まずペダルを合わせたら、次はサドルです。お尻がしっくり来る位置に座り、ペダルに足を乗せて、一番脚が伸びた時に、膝が伸びきらない程度にします。

立った状態で、カクッと膝を曲げた時に曲がる程度で良いです。ハーフスクワットのように曲げるのはサドルを下げ過ぎです。

 

サドルの前後位置

サドルの前後位置を調整できるタイプであれば、それも合わせます。

ペダルが水平の状態で、前側にある時、ペダルの中心(回転する軸)の真上(垂直な)に、膝が来るところに合わせてください。または、それより2cmくらい前でも良いです。引き脚がやりやすくなります。逆に後ろへは行かない方が良いです。

調整できないタイプでも、サドルのクッションや形状によっては、自分が座る位置を前にずらすことで、合わせることができます。

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ハンドルの調整

調整可能なタイプであれば、調整してください。座っているサドルの面よりも少し高くします。これを下げると、ロードバイクのようなポジションになってきます。そこまでする必要はありません。腕も使って、腹筋を使うためにはハンドルも必要です。腕の使い方や技術はまた他の記事で説明します。

高く上げるとママチャリポジションになります。力が加えにくくなります。

調整できなくてハンドルが高い場合は、手放しでランニングの腕振りをしながら乗るのも有りです。

これで、準備(セッティング)は終わりです。

いよいよ、実際に乗って有酸素運動をしましょう!

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私のバイクの実力
エアロバイクの準備、セッティング
エアロバイクのペダルの漕ぎ方、技術
エアロバイクの具体的な練習メニュー

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中長距離コーチ(管理人)のバイクの実力

エアロバイクのリハビリトレーニングをアドバイスしていますが、一体何の根拠でそれを言っているんですか?と思われる方もいるかもしれないので、私の自転車の能力を書いておきます。(読み流してくださって結構です。)

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私の自転車(バイク)の実力

トライアスロンやデュアスロンでは、駅伝の区間賞のように、各パートごとにラップタイムと順位が出ます。バイクラップだけはこの数年1位が9割以上です。たまに2位です。その成績を資格代わりに考えていただければ幸いです。トライアスロンやデュアスロンのプロにバイク「だけ」勝つことはあります。

具体的な能力を現す数字としては、平坦基調のコースで距離60kmを時速40kmで一人で走ったことがあります。1時間30分ちょうどです。

元800m専門でありながらBMIが22を超える、ランナーにはあまり向いていない体型がバイクで活きていると感じでいます。

ランニングをする上では筋力が低下して、走るのはかなり遅くなりましたが、筋持久力自体はそれほど落ちておらず、体重をほとんど支えないバイクでは、それを活かすことができています。体重が重いのでペダルに加わる力も大きくなります。ランでは不利になりますが。

もちろん、バイクのペダリング技術、独自の身体操作技術の研究は怠っていません。

自転車専門の選手に教えてもらったり、一緒に練習したりしてバイクの能力を伸ばす努力はしています。その過程で学んだことをリハビリトレーニングに活かそうと考えています。

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バイクの競技経験を活かして陸上競技のリバビリに応用

そのバイクのセッティング方法と技術を応用して、リハビリトレーニングとして紹介しています。

ちなみに、バイクのトレーニングの考え方や方法はランニングと全く同じです。最大心拍数の割合で運動強度を管理しています。走っているか自転車(バイク)に乗っているかの違いです。

バイクはランよりも身体の負担が少ないので、より長い時間トレーニングすることが可能です。ランニングで3時間ジョギングしろと言われても、そんなのやりたくないですが、バイクだとできます。

より長い時間、必要な心拍数を維持することができるので、持久力の基礎を固めるトレーニングとしては最高だと思います。

しかし、バイクがランニングに直結するか、と言われると難しい面もあります。

絶対的な筋力と負荷はランニングの方が高いです。だからバイク練習をそのままランニングにつなげる時は相当キツイトレーニングが必要になります。

現在も、バイクとランの連携と相乗効果を自分自身を実験台にして研究中です。

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エアロバイクの具体的な練習メニュー

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エアロバイクを活用した持久力トレーニング

エアロバイクを活用してできること

怪我や故障時のリハビリ、持久力トレーニングが有効です。

また、怪我をしていない時でも、荒天時や冬季に活用できる練習もあります。
脚の回転数=ピッチを向上させるための神経系トレーニングです。

怪我及び故障時にできること。

受傷部位や故障の程度によって、エアロバイクに乗っても痛みが出ない場合があります。

痛みが出ないのであれば、痛みが無い範囲で運動を継続するべきです。

どこの体育館や体育施設にも置いてある、エアロバイクを活躍したリハビリトレーニングを紹介します。

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エアロバイクは、ランニングで受ける接地の衝撃が無く、膝や脚部の筋肉にかかる体重のストレスがほとんどありません。

持久力を最低限維持して、故障の程度によっては心肺機能を向上させる強度の高いトレーニングをすることも可能です。

しかしながら、その為には正しい姿勢で、適切なペダルの回転数で、適切な負荷でリハビリトレーニングをする必要があります。

twitterのツイート等で、「エアロバイクは有効です!」なんてことを書いてあるのを目にすることがあります。しかし、一切肝心な事には触れていません。具体的に何をどうすれば効率的なのかがわかりません。

私がそれを具体的に紹介します。

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私がエアロバイクをアドバイスできる理由

トレーナー等の資格を持っている訳ではありません。陸上選手であり、トライアスロンでバイクをやっているからこそ、アドバイスできることがあります。

2016年現在で、トライアスロン歴はまだまだひよっこの4年目ですが、ロードバイク歴は9年目です。

私のバイクの実力
(一応、これくらいの実力と経験はあるのである程度の説得力はありますよ、という紹介です。とばしてくださっても結構です。)

エアロバイクの準備、セッティング
エアロバイクのペダルの漕ぎ方、技術
エアロバイクの具体的な練習メニュー
 
 

陸上長距離選手PB14’57″が、故障して3ヶ月間バイクとスイムのクロストレーニングを行い、復帰後約1ヶ月でPB更新14’38”

鹿屋体育大の学生がクロストレーニングを実践して結果を出した卒業論文

twitterのフォロワーさんです。ご自身の体験談を研究成果として、論文にされたそうです。故障前は15’31″だったそうです。

最後の実践された練習メニューはとても参考になります!!

中高生には難しい内容かもしれませんが、勉強だと思って読んでみることを強くオススメします!

 
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ママチャリを活用したリハビリ、トレーニング

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ママチャリでも工夫次第でリハビリやトレーニングができる
 

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エアロバイクのペダルの漕ぎ方、技術

エアロバイクでペダリングする時の意識と技術

【つま先で漕がない】

つま先でペダルを漕ぐと、ふくらはぎを主に使います。ふくらはぎの筋膜炎、肉離れ、アキレス腱炎の時は痛みが出ると思います。土踏まずに近い位置でペダルを漕ぐとふくらはぎが使いにくいようになります。

【足首でペダルをねじ込まない。最後まで踏まない。】
踏んで踵が下がるペダリングをするとふくらはぎとアキレス腱を伸ばします。痛めている場合は痛みます。足首は少し爪先立ちの様な角度で固定してください。足首の筋肉でブロックします。

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【ペダルの回し方】
時計の12時、真上では踏めません。踏んでいる缶を前に倒すように、足を送り出します。

1時から3時まで斜めに前方へ踏みます。
3時以降は踏む意識は無しで。

6時の位置、すなわち真下は力を加えにくい位置ですが、引き上げる意識をしてください。
7時〜11時まで力を入れて引いてください。ランニングで言うと地面から足が離れて膝が折り曲げられて、空中に浮いている方の脚です。この引き上げが大事です。

今は片側の脚だけを説明しましたが、これを左右同時に交互にペダルを回すことになります。

最初は、片側ずつ意識すれば良いです。反対側の脚はペダルについて来ます。

【ペダルを回す感覚と狙い】

私の感覚では、引き脚7割、踏み脚3割です。

踏むばっかりでもペダルはそれなりに周りますが、これだとママチャリと同じになります。引き脚を加えることで、より多くの脚腰の筋肉を使うことができます。

ペダルを固定できないタイプのエアロバイクでも、必ずこの引き脚を使ってください。脚を引き上げたらペダルにかかっていふ重さが抜けて、踏む方も楽になります。ペダルに固定されていないので少しやりなくいですが、近い効果が狙えます。

踏むと、前ももを主に使います。ランニングでは前ももはブレーキ筋です。接地時に脚を支える時には必要ですが、推進力を生み出すのは、後ろ側のハムストリングです。さらに踏み込むとふくらはぎで最後踏むことになります。

引き脚を意識して使うことで、ハムストリング、臀部、腸腰筋を使うことができます。ランニングに必要なのはこれです!!

【膝の意識】
引き脚の時に、膝を少し内に入れます。そうすることで、内転筋群を使えるようにらなります。

膝は水平に飛ばす意識です。ランニングと時と同じ感じです。膝を折り畳んで前方に飛ばす意識をすることで、自然と引き脚が使えるようになります。すると、反対脚は自然に踏めています。この流れをスムーズに行います。

膝を上に上げる意識ではありません。ランニングで、膝を高く上げる走りは不必要な動作です。水平移動するイメージです。

【ハンドルを持つ場合】
軽く乗るだけ
→手を添える。

負荷をかけたい時
→ハンドルを引く、押すを交互に。
この時は肘軽く曲げます。ずっと引きっぱなし、押しっぱなしという訳ではありません。
ペダリングのタイミングに合わせて、右脚が踏むなら、右手は引きます。その時左手は押します。左脚は引いてます。文章だとわかりづらいですが、実際に乗ってやってみるとわかると思います。

引く時だけ意識するも良し、押す時だけの意識でも良いです。タイミングは同じです。

【立ち漕ぎ(ダンシング)】
立ち漕ぎのことをダンシングと言います。
一時的に負荷をかけたい時は、立ち漕ぎをすると良いです。座りっぱなしでは飽きますし、立ち漕ぎをすることで、さらに全身の筋肉を多く使うことができます。座って漕いでいた時の腰や背中の疲れをほぐす効果もあります。

ハンドル、腕の使い方は先に説明した、引くのと押すのを交互にやる方法です。

立ち漕ぎをする時は、ペダルの重さを一段か二段重くしてください。そのまま立ち漕ぎをすると軽すぎて、スカスカ抜けます。

【ハンドルを持たずに手放しで乗る方法】
ランニングの腕振りをします。いつも意識している腕振りをそのまましてください。腕振りすることで、ペダルに力が上手く伝わります。

スマホで遊びながら乗るのも、たまには良いです。長いかもしれないリハビリ期間、続けることがとても大切です。遊びながらも、時々ペダリングの意識をしっかりして確認してください。この時は、引き脚をいつもよりしっかりしてください。

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【ペダルの回転数について】
ランニングのピッチに合わせます。
走る時は、1分間に170〜200歩だと思います。レースだと200くらい、jogは170くらいです。当然、人によって違いますので、自分で普段のjogや速いペースの歩数を確認しておいてください。私の800m全盛期は800mを400歩で走ってました。1分間で200数本です。

自転車のピッチ、回転数のことをケイデンスと言います。ケイデンスは1分間にペダルが何回転したかを表示します。ランニングのピッチの半分で考えてください。左右の足が一歩ずつで1回転です。

ですので、ケイデンスは85〜100回転が目標とする数字になります。

ランニングはゆっくりだとピッチは遅くなります。速いとピッチは上がります。

しかし、エアロバイクでのトレーニング時は、軽い負荷の日は軽めの重さにして、回転数を速めにすると良いでしょう。軽いので筋肉を休めつつ回転数を高めにして心拍数を上がりやすくします。

逆に、負荷を高めにしたい時は、ペダルを重くしてください。重いペダルを速く回そうとすることで、筋トレにもなりますし、心拍数も上がります。

さらに、ペダルをさらに重くして、速く回せないくらい(60〜70回転)にすると、引き脚の筋トレができます。

エアロバイクは、ランニングよりも筋力を使わないので、時々重くして色々な刺激を身体に入れてください。

 

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エアロバイクの具体的な練習メニュー

練習メニューの区分

先に説明した、心拍数で区分したものです。(最大心拍数200回の人)
わかりやすい様にこの丸数字で強度を表します。
①回復jog(心拍60-65%)120〜130回
②基本jog(65-75%)130〜150回
③速いjog(75-80%)150〜160回
④ペース走(80-85%)(160〜170回)

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【回復練習】
①で30〜60分

【基本練習】
①で20分
②で20分
②〜③で10分
①で10分
連続してやるのは飽きるので、20分ごとに、補強トレーニングを入れると良いです。

【ポイント練習気味】
①で10分ウォーミングアップ
(④重くして20秒ダッシュ+①軽くして2分回復)×5set=約10分、流しをしているつもりで。
①で5分つなぎ、回復
(④重くして60秒上げる+①軽くして4分回復)×5set=25分
①で10分ダウン
合計60分

がんばって上げた時に、どこまで心拍数が上がるかで負荷の確認ができます。ランニングと違って、一定で高負荷はキツイです。メリハリをつけて、上げ下げをします。回復中もそこそこ高めの心拍数を維持しますので、だらだらゆっくり乗るより遥かに効果はあります。

ランニングのファルトレクのイメージです。→ファルトレクの説明

【自分で考えて、インターバル等が可能】
インターバル1000m×5(jog400mつなぎ)をエアロバイクでやると、

(3’30″上げ、3’30″軽く回復)×5回
こんな感じです。

自分なりのリハビリトレーニングを考えてやってみてください!

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まとめ

オリンピック選手も、世界陸上に出るような選手も、一度も怪我をしたことがない選手なんていないと思います。

あきらめたら、そこで終わりです。
必ずできることはあるはずです。

知識を深める。

何年分かの練習日誌を読み返す。

痛くない範囲でやれる運動をする。

目標とする大会で、全力を出し切って笑顔でゴールする自分の姿を具体的にイメージする。

良いイメージを持つことはとても大切です。

悪いイメージを持つとそうなります。

スタートラインに立った時の自分の鼓動
眩しい日差し
ピストルの音
スタートダッシュした自分の足音
ライバルたちの足音
タータンの匂い
コーナーを抜ける時の風
ホームストレートの声援
溜まり始める乳酸
スパートをしかけるタイミング
ぶつかり合う肘
ゴールに向けて切り替えるスピード
電光掲示板の数字がパタパタと動いている
聞こえる声援とライバルの荒い息づかい
•••

ここで、ゴールできるのかスタートラインにも立てないのか、リハビリ期間の自分自身が決めることです。

リハビリ期間をどう捉えて、どのように過ごすか。

考えましょう。

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ランナーに起こりやすい怪我と故障


ここでは最低限必要な基礎知識と経験談を紹介します。詳しく知りたい方は、専門のサイト等で調べてみてください。

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【肉離れ】
ふくらはぎ、ハムストリング(裏もも)
筋繊維が断裂してしまい、筋肉が収縮するだけで激痛がはしる。受傷直後は、まともに歩けない状態になります。程度によっては内出血を伴います。
肉離れの説明

【筋膜炎】
ふくらはぎ、ハムストリング
肉離れの手前の状態です。筋肉組織自体の断裂ではなく、筋肉組織の表面を覆っている筋膜の損傷です。筋収縮時に、ピリッ!っとした痛みで発症します。筋肉が疲れてくると攣ったりするものですが、攣る前に痛みが出る場合があります。jogも無理な痛みです。数日で痛みはおさまりますが内部は痛んでいるので、走ると再発します。肉離れ同様二週間は安静にすべきです。
筋膜炎の説明

【腸脛靱帯炎が原因の膝の痛み】
膝の外側が痛みます。太ももの側面外側を押したら痛いです。腸脛靭帯は太もも側面外側にあります。腸骨から膝に向かって伸びる靭帯です。
腸脛靭帯炎の説明

【アキレス腱炎】
アキレス腱の踵あたり、付着部が痛みます。走り始めは痛くて、走っているとだんだん慣れてきて痛みが和らぎます。アキレス腱を触るだけでも痛いです。
アキレス腱炎の説明

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【シンスプリント】
スネの内側の痛みです。初心者病と言われる症状です。しかし、初心者でなくてもなり得えます。
シンスプリントの説明

 
【股関節の痛み】
股関節周りの筋肉が痛む場合と関節内部が痛む場合、座骨神経痛などの痛みがあります。上半身と下半身の連動を産む、骨盤に繋がっていおり走るために重要な関節です。
股関節の痛みの説明

 

怪我及び故障時にできるエアロバイクを活用した持久力トレーニング

受傷部位や故障の程度によって、エアロバイクに乗っても痛みが出ない場合があります。その場合は、痛みが出ないのであれば、痛みが無い範囲で運動を継続するべきです。

エアロバイクは、ランニングで受ける接地の衝撃が無く、膝や脚部の筋肉にかかる体重のストレスがほとんどありません。

持久力を最低限維持して、故障の程度によっては心肺機能を向上させるトレーニングをすることも可能です。

→故障者のエアロバイクを活用した有酸素トレーニング

セルフケアと基礎知識

アイシング用氷のう+バンテージ
怪我以外でも筋肉疲労を軽減するために気になる部位をアイシングすることも大切なセフルケアです。


スポーツ障害の入門書で基礎知識をおさえておくことは大切です。

 

まとめ

違和感や痛みは、身体からの信号だと考えて、悪化しないようにケアをしっかりして、練習を中断しないようにしましょう。

1日、2日痛みをガマンして、無理をして追い込んだトレーニングをしたとしても、その後長期間トレーニングを中断することになると、その追い込んだトレーニングは全く無意味になります。

トレーニングを中断しないことが一番大切です。トレーニング5原則の【継続性の原則】です。5原則の内、一つでも欠けると競技力は伸びません。→トレーニング5原則

今日走ることが大事なのか、何週間後または何ヶ月後かの大会で全力を出して走ることが大事なのか、目標と時期をしっかり考えましょう。

『やらずに後悔するよりも、やって後悔した方が良い!』と、言われることがあると思いますが、故障や怪我の痛みの場合は、話が違いますよ!

上の言葉は、何かに挑戦することを躊躇している人に向けて背中を押してあげる言葉です。

今回、私がみなさんに贈る言葉はこれです。

『痛いのに無理して走って後悔するよりも、痛みの原因をしっかり理解して、早く治して再発を防ぎ、目標の大会で良い結果を出して笑おう!!』です。

自分にも言い聞かせます。
自己管理は本当に難しいものです。

練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る。

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