全中標準記録男子800m2’01″00突破への道

800m2’01″00を突破するために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。タイムに幅があります。これからそれを説明します。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

例えるなら、方位磁石、コンパスの方位です。北、北北西、北西、西北西、西等、少しずつ方向が違います。度であれば360度もあります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’01″00の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m52″前半
1500m4’26”
3000m9’52”

中距離タイプ
400m53″前半
1500m4’14”
3000m9’22”

長距離タイプ
400m53″中盤
1500m3’59”
3000m8’47”

長距離タイプの選手であれば、おそらく1500mか3000m、またはその両種目に出ると考えられます。

ですので、800mで標準を切ろうと考える選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m52″前半〜53″前半が必要なスピード

100mあたり13″0〜13″3を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

たまに400mベスト54〜55″で2’00切る選手がいますが、それはおそらく400mで全力を出し切れていません。スピードの出し方がわからない選手もいます。特に長距離が得意なタイプです。

また、400mを走る機会もあまり無くて本当のベストがわからない場合です。記録を伸ばすためには自分のスピードを出し切れることは大切ですので、長距離タイプの選手でも練習する価値はあります。

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は26″0〜26″6
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定13″0〜13″3ペース=39″0〜39″9
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’01″00を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定30″2
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定45″6
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m31″0+ラスト100m14″5
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。ラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’30″0、jog200m90″、31″+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’30″、58″、40″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’14″〜4’26″が必要なスピード持久力

目指すペースはこれです。
200m34″0〜35″4
300m51″0〜53″1
400m68″0〜70″8
1000m2’50″〜2’57”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム51″0〜53″1
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ51〜53″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース2’50″〜2’57”
②600mは800mのペース1’30″0目標
③300mは全力、400mのペース39″0〜39″9目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m9’22″〜9’52″が必要な持久力

ペースは
400m74″9〜78″9
1000m3’07〜3’17

インターバル400m×10本
設定74″9〜78″9
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’30″〜2’40”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。
バランス良くトレーニングしたいと考えて、もしやるとすればこの様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’00〜3’10スパート無し
②3’00〜3’10スパート無し
③2’55〜3’05スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索で、現在の3000mのタイムを基準にして選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。

練習では、インターバルやレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の疲れ具合を感じておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

予選会一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、全国のスタートラインに立てるように、また自己ベストを更新できることを願っています。

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