800m1分台目前の選手へのアドバイス


今回、ある質問者さんから相談を受けて、800m1分台を出すためにはどうすれば良いのかを考えました。

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ベストタイムから現状の把握

質問者さんは、大学生で、専門は中距離で持ち味は短距離タイプです。
ベストタイムは、
100m12″45
200m25″05
400m53”77
800m2’00″87
1500m4’36”
5000m17’30”
参考として、マイルのラップ52″0、600m1’26″台です。

マイルのラップタイムは、バトンの受け渡しだと信憑性に欠けます。
しっかりと400mになるラインで計測したものであれば、自信を持てば良いです。

400mのレースではスタブロを使ったゼロスピードからになるので、マイルのラップよりも少し遅くなります。

私もマイルのラップ49″3、400m50″54なので約1″違います。

まだ大学生とのことなので、400mの記録向上が800m1分台の鍵になると思います。

私の400mベストは24歳時です。大学時のベストを0″1更新しました。質問者さんの場合、年齢は問題ではありません。

800m選手が400mの記録を伸ばすためにやるべきこと。

300m加速走の絶対スピードを高めることです。

私は、短距離が苦手で長距離もそんなに得意ではないです。800〜1000mが持ち味を出せる距離です。
私の各距離ベストは、
100m加速10″6
100m11″8
200m23″5(11″75)
300m加速36″6(12″2)
400m加速49″3(12″42)
400m50″54(12″63)
600m1’22″5(13″75)
800m1’54″6(14″32)
1000m2’30″1(15″0)
1500m4’01″41(16″1)

この( )内のように、100mあたりのペースにだんだんと加算されていきます。300mが遅いと必然的に全て遅くなります。

強靭なスピード持久力があっても300mより長い距離は300mのスピードを上回ることはあり得ません。
 
 

質問者さんと第三者(私)の各距離のベストタイム比較で課題を確認

ここで、質問者さんと私を比較します。
400m53″7と50″5で3″2=100mあたり0″80差
600m1’26″台と1’22″台で約4″0=100mあたり0″66差
800m2’00″台と1’54″台で約6″0=100mあたり0″75差
1500m4’01″と4’30″で約29″=100mあたり1″93差

質問者さんは、600mのタイムが最も良く、400mが悪いです。800mと600mの差と比較すると100mあたり0″5くらいの差に収まりそうな感じですね。400m52″5くらいが予想されるタイムです。

1500mは参考です。短距離タイプの質問者さんと、中距離タイプの私では持ち味が違うので、ここで差が大きくなりますが、質問者さんの持久力はまだまだ改善の余地があります。
 
 

600mのベストタイムから決定する、記録狙いの時の600m通過タイム

質問者さんは、600mを1’28″5あたりで通過してラスト200mを31″前半で抑えれば1’59″後半の記録が出た可能性があります。生でレースを見たこともありませんし、持ちタイムと比率だけの判断ですが。

私は600m1’24″5で通過して1’54″6でした。600mのベスト+2″0くらいの通過です。

600mのベストが早いほどレース展開の600m通過に余裕が持てます。600mを伸ばすには400mのスピードが必要ですし、400mを伸ばすには300mのスピードが絶対必要です。

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300mスプリント能力向上にはさらに速い動きの日常化が不可欠

300mを伸ばすには100m加速走で速い動きを反復して、動作を身体に馴染ませる必要があります。純粋な短距離選手ではないので、本数をこなしながらスピードとスピード持久力を養う練習メニューが必要です。

メニュー例は、
加速走100m×4×3+300m
目標タイムはマイルのラップより速いペース(52″0なら13″0以内で。)
120m歩き戻り約2′
セット間10’rest
ホームまたはバックストレートで実施
加速区間10m、ゴールラインも走り抜ける約10m、なので戻る時は120m
3set目はスピード上げれるなら上げる。設定を0″5速くして12″5目標で。
10’rest後
ラストの300mは全力で。入り100mからペース配分なし、突っ込んでタイム狙う。

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冬季トレーニングから移行期

積雪のある地方では自然との戦いもあります。低温時は無理にトラック練習でスピードを上げない方が良いです。動きも悪くなりますし怪我をしては元も子もないですから。

悪天候でも確実にできる、ATペース走をメインにして有酸素運動と無酸素運動量の境目=閾値を引き上げるトレーニングをしましょう。このペースは800mのタイムで決めるのではなく、長距離種目のレベルで決まります。私のホームページでは、5000mの記録でレベルを選択して、練習持久的なペースを決定することができます。本来、心拍数で管理すべきですが、心拍数を計測しなくてもだいたい狙ったゾーンに入るよう設定しています。

polor心拍計、私はこのモデルを愛用してます。必要最低限の機能です。数年ごとに安いところを探して同じのを何回か買ってます。
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ATペース走の練習メニュー
5000m×2(心拍80-85%設定)+短いレペまたは本数少ないインターバル

プラスのレペとインターバルは気温によってアレンジしてください。

寒い時は、
1000m×1を全力近くで。
または
100m×10×2(1500mレースペース→800mレースペース)17″→15″切
トラックなら直線でタイム計測、コーナーを歩きつなぎ、加速区間10mと走り抜ける10mあるので実際80m歩き。約1分強でつなげます。速い動きを分割して何回も走っておくことで、シーズンが近づいた時にスムーズにトラック練習に移行できるように、筋力とスピード感を最低限やっておくイメージです。

あったかくなってきたら、次のどれかを考えてやります。
200m×5(jog200m)を800mレースペースで。
600m×1全力
400m×1全力
100m×5、300m全力
などなど、全力近く出し切るメニューを加えることで、その日の練習を締めくくります。
体調によって、プラスαを無くしても良いですが、その時は流し100m×5で動きを整えます。

スパイクは移行当初はいきなり履かずに、スピードに慣らしていく過程で無理せずに履いてください。

 

ロードでの練習

メニュー表を参考にして、距離とペースを決めて、持久力向上の目的で走り込めば良いと思います。欲張って距離を延ばさないように注意です!

距離を延ばすより、後半のペースを上げる方が意味があります。

基礎的な持久力は、トラック練習の本数を反復する時に活きてきます。

予選、決勝と同じ日に走り、さらに決勝のタイムを落とさないことが大切です。

短距離タイプの800m選手でよく見られるのは、一本だけならタイムが出せるけど、1日2本目はスパートが効かずに撃沈するタイプの選手です。速いけど弱い選手です。

私個人的には、大会のタイトルよりも記録を優先してきましたので、良い記録が出せればそれもアリだと思います。

日体大、順大、筑波大などの関東のレベルが高い大学記録会や自分より格上の選手が出場する記録会等で1日1本、好記録を狙うのも一つのスタイルだと思います。また、定期的にそこまで遠征できる経済的余裕があれば、です。

レベルが上がるにつれて、速い選手は1日2本走れるものです。日常のトレーニングを高強度で反復することが必要です。そのためには、基礎的な持久力も必要になってきます。
 

セフルケアをしっかりと

舗装路等硬い路面での練習は疲労が抜けにくいです。疲労が溜まるような練習をした時は、セルフマッサージ、ストレッチを入念に行ってください。
セルフマッサージの説明

 
 

疎かになりがちな瞬発的な動作で上手な身体の使い方を習得する

特に走り込みをしていると疎かになりがちです。ジャンプ系の補強を定期的に取り入れて、スピードの基礎となる動作も練習しておきましょう。

瞬発的な筋力発揮、プライオメトリックの説明

 

トレーニングの五原則を忘れないで!

スプリント能力だけではダメ
走り込みだけでもダメ
スピード持久力強化のメニューは専門練習として一番大切
瞬発的な動作も必要
筋トレも必要
柔軟性の維持向上も必要
計画的な休養も必要
自分の持ち味を活かした戦術、レース展開、トレーニングメニューがあります。

トレーニングの5原則

 

まとめ

今の自分に合ったメニューは必ずあります!
今回、ある質問者さんからの相談に答える形でそのまま記事にさせてもらいましたが、アドバイスする際の思考過程をそのまま書きました。

15歳〜37歳まで、800mを150本以上走ってきた私なりの考えです。もちろん、他の方へのアドバイスなら他のアプローチがあって然るべきです。

考え方のひとつとして参考にしていただければ幸いです。

質問者さんの自己ベスト更新、800m1分台を心から願います!

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走るための知識とは?





このホームページでは、走るために必要な知識を紹介していきます。

走るために必要な知識の項目を簡単に書き出してみます。

運動生理学

心拍数で運動強度を管理する方法

心理学

食事や栄養

ストレッチ

筋トレ、補強運動

走る技術・フォームや動作の考え方

レースの戦術

超回復の原理

思いつくだけでも色々ありますね。

 

初心者の方にもなるべくわかりやすく説明できるように心がけています。
 

陸上部初心者、ランニング初心者からよくある質問Q&A

フォーム
腹痛
しやすい怪我
サプリメント
筋トレ
超回復
献血など

走るために必要な知識はこちら!!

 

 

 







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LSD、ロングスローディスタンスの効果とデメリット

質は量を生む。
量は質を生まない。

スピードを出せる人が長い距離も効率的に走るフォームを備えています。持久力はまた別の話です。

長い距離をだらだら走っても速くなりません。長距離を遅く走れる強い身体ができあがるだけです。

おすすめできるのは、フルマラソンより長い超長距離の大会に出る人、トライアスロンのスタンダードディスタンス51.5km以上の距離(2時間以上かかる距離)に出る人、それからランニング初心者です。また、長期休養後に練習再開する選手にも有効です。

フルマラソン以上の距離を目指す人向けの補給を伴うLSDを詳しく見る。
 
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LSDオススメしない理由。

LSDは有名な練習方法の一つです。しかし、レベルが上がるほど必要性は無くなってくると私は考えています。速くなるためには、自分のレベルに合った必要最小限の心拍数の割合が重要なことは今では常識です。運動生理学を無視したトレーニングでレベルアップは難しいです。

運動習慣がある人は心拍60〜65%のペースが回復日で走るペースになります。これが最も遅いトレーニングのペースだと考えるべきです。そして、それはそんなに遅いペースではありません。

例えば、5000mのタイム別の回復jogのペースは、
15’00″の選手で4’41〜4’21
17’00″の選手で5’18〜4’56
19’00″の選手で5’55〜5’31
21’00″の選手で6’33〜6’06
これくらいになります。

ペース一覧表で他のタイムも見る。

私は、心拍60%未満の割合で走るペースをLSDとして考えています。心肺機能の直接的な向上を期待せずに、脚関節組織の強化及び毛細血管の発達促進、気分転換を目的にしたものです。
 
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LSDと練習の最後に行うクーリングダウンのjogは目的が違う。

練習の一番最後に行うダウンjogは遅くても構いません。心肺機能の能力を高める目的ではありません。ダウンは、血中の乳酸濃度をなるべく早く下げて疲労回復に努める目的です。また、交感神経優位で興奮している心身を鎮めるものです。ダウンの最後にストレッチを強めに行うことで副交感神経が優位になり、成長ホルモンの分泌を促してより効果的な回復につなげます。

時々、勘違いしてダウンjogで30分〜1時間を走る長距離選手を見かけますが、目的を理解していません。ダウンjogは必要以上に長時間する必要は全くありません。5分〜10分で充分です。全力運動直後のダウンでも20分あれば運動前の水準に血中乳酸濃度は下がります。

クーリングダウンに必要な時間

疲労の要素に関する記事を詳しく見る。
 
 

動きは習慣化する→遅い動きに慣れると速く走りにくくなる。

ダウンjogやLSDのような、遅い動きに慣れてしまうと走るのが遅くなります。速い動作がしにくくなります。

ダウンで距離をプラスしたいくらいに距離を走る必要があるなら、それは朝練習で走るべきです。私ならそうします。朝のエネルギーが減っている状態で、水分だけ補給して、jogすることでミトコンドリアが増加しやすくなり、エネルギー効率上がりやすくなります。朝は身体は動きにくい時間帯ですが、空腹時のメリットがあります。高強度の練習は厳しいですが、基本的なjogと流しなら問題ありません。
 
 

LSDをおすすめする人

運動を始めたばかりの人や長期の故障明けで練習を再開する人にとっては、LSDは大切なトレーニングの一つになります。

初心者やランニング導入者は、膝、股関節、足首などランニングの接地衝撃に耐えるための脚の各関節組織の耐性が不足しています。ゆっくり走ることで軽めの刺激を関節組織に与えることになります。その結果、関節組織が鍛えられてケガの予防になります。これは筋トレでは鍛えられませんので、計画的にLSDを行うことで怪我を予防できます。
 
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まとめ

トラックレースを専門にしている選手でも、週に一度のLSDは筋力を休めて気分転換にもなるので有効な練習です。

しかし、楽な練習だからと言ってそればかりやっていては競技レベルはアップしません。行う回数はできるだけ減らすべきです。運動が習慣化している選手にとっては無くても良いくらいです。

一方、趣味でスローなランニングを楽しむ方も近年は増えています。

陸上競技と趣味のスローランニングは違います。

身体能力の向上、タイムを短縮することを目指しているのであれば、LSDの頻度は少なくするべきです。

時と場合によって、しっかりと使い分けて、純粋に走ることを楽しむLSDをトレーニングの一部として計画的に組み込むことで、心身のリフレッシュをして、トレーニング全体のバランスを取ることも可能です。

計画的に、時には柔軟に、陸上競技を、そして走ることを楽しみましょう!

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中学、高校の陸上部を引退した選手たちへ

結論、陸上競技に引退はありません!!

学校の【部活動】としての陸上部は引退したかもしれません。しかし、長い人生の中で走ることを楽しむことは辞めてしまう必要はありません。楽しみ方は人それぞれです。

これからも競技として取り組む人、大会には出なくても走ることを楽しむ人、時々ロードレースに出ようと考えている人など様々でしょう。
 
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引退した次の春からまた再開するかもしれない人

次の春に高校生として、大学生として、または社会人として再びトラックやロードレースのスタートラインに立って全力疾走することになるかもしれません。

また走ろうか迷っている人、陸上は辞めて他のスポーツをするつもりの人、また走るつもりの人等それぞれの想いがあると思います。いずれにせよ来年の春まで全く運動自体を止めてしまうことは避けるべきです。

 
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完全に運動を引退するつもりの人へ

運動自体をしないつもりでも健康維持のためには適度な運動はするべきです。

日本では生活習慣病が死因の多くを占めています。生活習慣病の原因は運動不足です。積み重なった運動不足による悪い影響がメタボ、糖尿病、高血圧を引き起こします。

若い時に一生懸命運動をしてもその後完全に止めてしまったら生活習慣病の道へまっしぐらです。健康を維持するためにも適度な運動習慣は持ちたいものです。

さて、ここからが本題です。

どんな運度をどれくらいの頻度でやっておけば良いかをアドバイスします。何段階かのレベルに応じてメニューを紹介します。

①陸上部に所属、トラック競技に取り組む人

②また走ろうかどうか迷っている人

③陸上部には入らず、他のスポーツをするつもりの人

④健康維持の軽い運度
 
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①陸上部に所属、トラック競技に取り組む人
②また走ろうかどうか迷っている人

走るペースの目安は心拍%でしめしています。こちらの一覧表を参考にしてください。

【週に3回運度パターン】
月休み
火基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
水休み
木速めjog3〜6km(心拍70%→80%)、流し×3〜5
金休み
土jog1km(心拍70%)、流し100m×10、jog1kmダウン
日休み

【週に4回運動パターン】
月休み
火速めjog3〜6km(心拍70%→80%)、流し×3〜5
水休み
木速めjog3〜6km(心拍70%→80%)、流し×3〜5
金休み
土基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
日jog1km(心拍70%)、流し100m×10または1km×1(気持ちよく)、jog1kmダウン

月休み
火基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
水jog1km(心拍70%)、1km×1(気持ちよく)、jog1kmダウン
木休み
金基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
土jog1km(心拍70%)、流し100m×10、jog1kmダウン
日休み

レベル別心拍数一覧表

基本的には2日に1回で超回復のサイクルを意識して走る日を決めれば良いです。2日続ける場合は、軽め→少し上げる→休む(回復日)というように組み合わせれば良いです。
 
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③陸上部には入らず、他のスポーツをするつもりの人

【週に3回運動パターン】
月休み
火基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
水休み
木jog2km(心拍70%)、縄跳び2分×3、jog1kmダウン

土jog2km(心拍70%)、100m流し×10、jog1kmダウン
日休み

【週に4回運動パターン】
月休み
火基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
水jog1km(心拍70%)、縄跳び2分×3、jog1kmダウン
木休み
金基本jog3〜6km(心拍70%)、流し×3〜5
土jog1km(心拍70%)、100m流し×10、jog1kmダウン
日休み

レベル別心拍数一覧表

陸上以外のスポーツで何をするかわかりませんが、瞬発的な要素が強いなら縄跳びをやっておけば良いと思います。流し100mを複数本やることで走る筋トレになります。jogだけでは筋力が落ちます。次にやりたいスポーツに合わせてアレンジしてください。

 
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④健康維持の軽い運度

【週に3回運動パターン】

火jog3〜6km(心拍60〜70%)、流し×3〜5

木jog3〜6km(心拍60〜70%)、流し×3〜5

土jog3〜6km(心拍60〜70%)、流し×3〜5

レベル別心拍数一覧表

2日に1回運動するパターンが最小限だと思います。超回復のサイクルです。流しは筋力維持程度です。気持ちよく走れば良いです。jogだけでは筋力は落ちます。

 
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まとめ

運動をやめてしまう人へ。

学生時代に陸上部で学んだことから完全に離れてしまうよりも、最低限は健康維持することで経験を活かすことができれば良いのではないでしょうか?

陸上を続けようか迷っている人へ。

3日に1回は走って最低限の身体の状態をキープした方が良いです。完全に運動をやめてしまうと、また走ろうと決めた時にゼロからトレーニングをしなくてはなりません。かなり出遅れることは間違いありません。受験勉強をしながらでも1日20分程度の隙間時間で走れば良いです。勉強で疲れた身体にも適度な良い刺激になります。

帰宅してすぐ走り、その後入浴、食事という流れをつくるのも方法です。自分の生活スタイルの中で隙間時間は必ずあります。それを使って少し走るだけです。

陸上を続けることを決めている人へ

できる限り今のトレーニングを続けることが理想です。受験生は勉強時間との兼ね合いです。勉強優先、隙間時間で少し練習する習慣をつくることが大切です。

文武両道、自己管理能力、計画性です。どのようにバランスをとるかは自分次第です。

勉強9:運動1だとしても何もやらないよりははるかに良いです。数ヶ月経つと体力レベルは天と地の差が生まれます。

最後に繰り返しますが、陸上競技に引退はありません。

生活環境の変化に合わせて、どのような形で運動習慣をつくれるかを常に考えましょう。

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男子800m選手2’05″をクリアするための条件

800m2’05″を切るために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

400〜5000m記録相関表

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’05″0の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m53″9
1500m4’35”
3000m10’12”
5000m18’07”

中距離タイプ
400m55″1
1500m4’22”
3000m9’41”
5000m16’40”

長距離タイプ
400m55″3
1500m4’07”
3000m9’05”
5000m15’37”

長距離タイプの選手は、800mよりも1500mを専門にしており時々スピード練習として800mに出る程度の人が多いと思います。

ですので、800mをメインに考えている選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m53″9〜55″1が必要なスピード

100mあたり13″4〜13″7を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は27″0切り
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定13″4ペース=40″2なので40″0切り
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’05″を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定31″2(2’05″ペース)
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定46″後半
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m32″0+ラスト100m15″切り
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。中だるみして32″かかる想定からラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’33″0、jog200m90″、32″0+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’33″、58″、41″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’22〜4’35が必要なスピード持久力

インターバルなどで目指すペースはこれです。レースペースです。

スピードタイプ〜中間タイプ
100m17″4〜18″3
200m34″9〜36″6
300m52″4〜54″9
400m69″8〜73″2
1000m2’55″〜3’03”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム52″〜54″
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ約50″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース前後
②600mは800mのペース1’33″目標
③300mは全力、400mのペース40″前後目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m10’12〜9’41が必要な持久力

レースペース=インターバル練習での設定ペース
スピードタイプ〜中間タイプ
400m81″6〜77″4
1000m3’24″〜3’13”

インターバル400m×10本
設定81″〜77″
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’40”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
また、トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考える場合は、この様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’05スパート無し
②3’00スパート無し
③2’55スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索をして確認してください。
中学生は現在の3000mのタイムで、高校生以上は5000mのタイムで選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mまたは5000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。
 
 

怪我の予防

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

この練習をこなせば800m2’05″が切れるのか?

そういう話ではありません。2’10″の選手がここで紹介したペース設定でメニューをこなせば力がついてきて、2’05″前後で走る力がつくと思います。

しかし、かけ離れた記録(2’20″など)の選手はこのメニューをこなすことはできません。背伸びし過ぎです。今の実力に合ったメニューをこなしていくことで、少しずつ力がついてくるものです。

高すぎる目標や設定タイムでは好結果は生まれにくいです。目の前の達成できそうな小目標を決めて、それを達成し続けてください。いきなり飛躍は難しいです。

例えば、800mなら
2’10→2’08
2’08→2’06
2’06→2’04
2’04→2’02
2’02→2’00
そして1分台
と言った具合です。

800mで2″0縮めるためには、400m1″0、200m0″5、100m0″25です。

100mあたり約50歩で走っているので、1歩あたり0.005秒の短縮になります。1歩あたりのこんな僅かな時間の積み重ねが800mで2秒になるのです。

効率的なフォームがいかに大事かわかると思います。

キツイ練習をすれば速くなる、という訳ではありません。キツくてメチャクチャなフォームでもがいているようではタイムは出ません。逆に遅くなります。
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。きちんと練習を積んできて、最高のフォームで最高のイメージを持って、最高の精神状態でスタートラインに立つことが大事です。

スピード練習は絶対に必要です!

練習では、インターバルレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の乳酸が溜まってからの身体の感覚を何度も体験しておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

狙った大会や一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、自己ベストを更新できることを願っています。

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男子800m選手の壁2’00″00突破の条件と練習方法

800m2’00″00を突破するために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

400〜5000m記録相関表

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’00″の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m51″7
1500m4’24”
3000m9’48”
5000m17’24”

中距離タイプ
400m52″9
1500m4’12″0
3000m9’18”
5000m16’00”

長距離タイプ
400m53″1
1500m3’57”
3000m8’43”
5000m15’00”

長距離タイプの選手は、800mよりも1500mを専門にしており時々スピード練習として800mに出る程度の人が多いと思います。

ですので、800mをメインに考えて2分を切ろうと考える選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m51″7〜52″9が必要なスピード

100mあたり12″9〜13″2を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は26″0切り
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定12″9ペース=38″7
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’00″00を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定29″台後半
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定44″台後半
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m31″0+ラスト100m14″前半
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。中だるみして31″かかる想定からラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’29″0、jog200m90″、31″+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’29″、57″、39″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’12〜4’24が必要なスピード持久力

インターバルなどで目指すペースはこれです。レースペースです。

スピードタイプ〜中間タイプ
100m16″8〜17″6
200m33″6〜35″2
300m50″4〜52″8
400m67″2〜70″4
1000m2’48″〜2’56”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム〜
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ約50″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース前後
②600mは800mのペース1’29″0目標
③300mは全力、400mのペース39″0前後目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m9’18″〜9’48″が必要な持久力

レースペース=インターバル練習での設定ペース
スピードタイプ〜中間タイプ
400m74″4〜88″4
1000m3’06″〜3’18”

インターバル400m×10本
設定〜
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’30”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
また、トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考える場合は、この様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’00スパート無し
②3’00スパート無し
③2’55スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索をして確認してください。
中学生は現在の3000mのタイムで、高校生以上は5000mのタイムで選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mまたは5000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。
 
 

怪我の予防

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

この練習をこなせば800m1分台が出せるのか?

そういう話ではありません。2’03″〜2’00の選手がここで紹介したペース設定でメニューをこなせば力がついてきて、1分台で走る力がつくと思います。

こちらも参考にしてください。
800m1分台目前の選手へのアドバイス

しかし、かけ離れた記録(2’10など)の選手はこのメニューをこなすことはできません。背伸びし過ぎです。今の実力に合ったメニューをこなしていくことで、少しずつ力がついてくるものです。

高すぎる目標や設定タイムでは好結果は生まれにくいです。目の前の達成できそうな小目標を決めて、それを達成し続けてください。いきなり飛躍は難しいです。

例えば、800mなら
2’10→2’08
2’08→2’06
2’06→2’04
2’04→2’02
2’02→2’00
と言った具合です。

800mで2″0縮めるためには、400m1″0、200m0″5、100m0″25です。

100mあたり約50歩で走っているので、1歩あたり0.005秒の短縮になります。1歩あたりのこんな僅かな時間の積み重ねが800mで2秒になるのです。

効率的なフォームがいかに大事かわかると思います。

キツイ練習をすれば速くなる、という訳ではありません。キツくてメチャクチャなフォームでもがいているようではタイムは出ません。逆に遅くなります。
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。きちんと練習を積んできて、最高のフォームで最高のイメージを持って、最高の精神状態でスタートラインに立つことが大事です。

スピード練習は絶対に必要です!

練習では、インターバルレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の乳酸が溜まってからの身体の感覚を何度も体験しておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

狙った大会や一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、全国のスタートラインに立てるように、また自己ベストを更新できることを願っています。

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女子1500m5’00″0突破への道

女子1500m5’00″を突破するために、必要な他の種目の実力は?

個人の持ち味があって、得意な距離や能力がありますので、一概には言えません。

スピードが得意なタイプであれば、800m2’16″台
短い距離が苦手なタイプ(持久力タイプ)であれば800m2’32″くらいだと思います。持ちスピードの幅はこれだけあると思います。

3000mであれば、11’05″前後の持久力は必要だと思います。持久力が得意なタイプであれば10’59″くらいの力はあるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

1500mに出る選手は、中距離タイプか長距離タイプが主だと思います。短距離タイプの人は400mや800mを専門にするでしょう。

記録相関表を参考にしてください。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

記録相関表から、各タイプ1500m5’00″の隣の記録を以下に抜き出しました。

スピードタイプ(瞬発力)
400m58″台
800m2’16”
3000m11’07

中間タイプ
400m63″台
800m2’23”
3000m11’05”

持久力タイプ
400m67″前後
800m2’32”
3000m10’59”

瞬発力タイプの人は1500mを専門にしないと考えて、以下は中間タイプと持久力タイプで話を進めます。

 
 

800m2’16〜2’23が必要なスピード持久力

100mあたり17″0〜17″後半が維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。

800mのレーススピードを反復するメニューを参考にしてください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

その次のステップが、
200m×5本×2set
設定は34″0〜35″台
つなぎはjog200m100″
set間10’restまたはjog600m5’00”
淡々と一定ペースでリズミカルに走れるように、前半突っ込んだり後半上げたりしません。2set目の最後2本はトレーニング効果を高めるために、ラストスパートします。

 
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1500m5’00″を切るための練習

1500m5’00″は100m20″0ペースです。

インターバル300m×5本×3set
設定59″台
つなぎjog100m60″
set間10’restまたはjog700m7′
1500mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバルとレペの間
400m×5〜6本
設定79″台
つなぎ400m歩き6′
1500m5’00″より少しだけ速いペース。
実戦的なスピードを力まずに、リラックスしたスピードを出せるように。つなぎはレペよりも短くインターバルより長い設定です。
入り、中間、ラストをイメージします。
最後の1、2本は入り100mを抑えてラスト300mで切り替えてスパートします。

レペティション800m×3
設定2’39″(1500mのレースペース)
15’rest
①入り800mをイメージ、1500mスタート地点から。スパート無し
②中間800mをイメージ、ゴールラインからスタートして300m〜1100mをイメージする。スパート無し
③後半800mをイメージ、ゴールラインからスタートして700m〜1500m区間をイメージ。スパート有り!

レペティション1000m+600m+300m
設定3’19″(79″台)、1’56″(77″台)、50″を目標
1500mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
1本目はレースペースの確認
2、3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m11’05″前後が必要な持久力

レースペースは
400m88″0
1000m3’40″0(11’00″ペース)

インターバル400m×10本
設定88″0
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイム約1’30”)
力みの無いリズミカルな走りを。
1500mのために、必ず必要な練習ではありません。秋冬の駅伝シーズンにやれば良い練習です。
トラックシーズンでもバランス良くトレーニングしたいと考えるなら参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く3’35″スパート無し
②3’30″切り、スパート無し
③3’25″スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も1500m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

ATペース走

AT(有酸素運動と無酸素運動の境目)でのペース走は1500mだけでなく中長距離種目のレベルアップのためには絶対に必要でとても大切な練習です。週に2回はやっておきたい練習です。

中学生であれば、全中に出るレベルでも合計10000m以下で、2回に分割して走れば効果的です。

長くて5000m×2、4000m×2、3000m×3、6000m×1等、ペースをATより少し速くするなら分割して、少し遅くするなら長めに走っても良いです。

自分のATペースは、練習メニュー検索で確認してください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索で、現在の3000mのタイムを基準にして選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、1500mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

貧血の予防、改善

もし現段階で、頻繁に立ちくらみしたり、貧血気味の人は早く治すべきです。

中長距離選手は、ランニングの接地衝撃によって、足裏毛細血管内でヘモグロビンが壊れてしまう溶血になりやすいです。

現在貧血気味じゃない人も食生活にも気を配り貧血を予防しましょう!特に女子選手は貧血になりやすいです。

中でも思春期の中学生と高校生はダイエットをしたくなる時期でもあります。やせたい一心で食事を疎かにすると、必要な栄養素が足りなくなり体調を崩す原因になってしまいます。食事は三食きちんと食べましょう。やせたいなら夜のお菓子をまずやめるべきです。完全にやめることがストレスなら、まずはお菓子を減らすことからやってください。

スルメはおすすめです!太りませんし、しばらく噛んでいられるので満足します。しかも、美味しいです。

持久系アスリートの貧血について
 
 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。

練習では、インターバルやレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持つことが大切です。また、ペース感覚やリズム感、乳酸が溜まってからのキツイ場面での感覚を体験しておく必要があります。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、自己ベストを更新して【自己最高の自分】になれることを願っています。

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超回復のサイクル

超回復のサイクルの基本

超回復のサイクルは通常48時間〜72時間で起こります。2日か3日ということです。

超回復とは、トレーニング前の元の状態よりもレベルアップして回復することです。
 
 

超回復のサイクルを1週間や1ヶ月の練習メニューに組み込んで考える

トレーニングでは超回復を狙って、ポイント練習や回復練習を組み合わせます。毎日ポイント練習を行うことはこれに反しています。

高強度のトレーニングなら3日周期で、高強度トレーニングでも量を抑えれば2日サイクルで行います。また、やや強度を落とした高中程度のトレーニングも2日周期で良いです。
 
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回復したかどうかの判断基準

主観的な判断では、筋肉痛が無くなったかどうかです。

客観的な判断としては、毎朝起床直後に心拍数を計測して記録し続けている人なら心拍数の変化で判断することができます。疲労状態では心拍数は高く、疲労が無い時は下がります。

心肺機能のトレーニング適応によっても起床時心拍数は低下します。
 
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心肺機能の回復

感覚的に、筋肉の修復よりも速く回復します。骨格筋の修復がされていれば呼吸筋は問題ありません。持久力の維持をするために、強度が高いトレーニングをする日以外も、適度な有酸素運動をする必要があります。それが、心拍70%の基本jogであったり心拍60〜65%の回復jogです。

心拍数をトレーニングに活用するための知識

 
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まとめ

超回復のサイクルを意識したトレーニング計画を立てることで、オーバートレーニングを未然に防ぎます。

トレーニング計画の立て方

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市民ランナーとトライアスリートのための時短ラン練習、ハードなキツイ練習は必要最小限に。

基本はジョギング

無駄なことはできるだけしたくありませんよね。ゆっくり過ぎるジョギングはスピードを出しにくくする悪影響がありますので、リズムよくやや速めのペースでジョギングすることをおすすめします。

短時間で終わりますし、心拍数もやや高めで走るので持久力の向上も期待できます。
 
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基本のジョギングは心拍数割合なら70%

自分に合ったジョギングのペースを確認しておきましょう!

現在の走力で、練習メニュー検索をすれば設定ペースを確認することができます。

トライアスリートの場合は、ラン+バイクのブリック練習で走るべき最低限のランのペースになります。

 
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ゆっくり長く走るLSDをなるべく控える

LSDとは、ロングスローディスタンスの略です。時々、楽しみながら長くゆっくり走るのは良いと思います。しかし、日常的にゆっくりペースだけでは身体がそうなってしまいます。速い動きに対応できなくなります。

トライアスリート、デュアスリートの場合はランでLSDをすると時間がかかりますので、バイクでやれば良いと思います。ロングを目指している選手はエネルギー枯渇の対策練習として必要に応じて取り入れてください。

LSDのメリットとデメリットをしっかり把握した上で取り組みましょう。
 
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心拍計を活用して運動強度を管理する

トレーニングで心拍計を活用することで、必要最小限のペースと距離で最大の効果を期待することができます。無駄な距離はなるべく走らないという考えです。

最大心拍数からの割合と運動強度は以下の通りです。

60%未満、LSD
〜65%回復jog
〜70%基本jog
〜75%速めjog
〜80%長めペース走
〜85%ATペース走
〜90%速めペース走
〜100%レース全力

最大心拍数がわからない人は、とりあえず220-年齢の公式で出た数字を使えば良いです。本来の数値と誤差がある可能性はありますが目安になります。

例えば、45歳なら220-45=175回を最大心拍数として設定します。

この際、心拍計の設定は回数表示ではなく、割合%表示にしておくとわかりやすいです。
 
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疲れているけど走りたい日は、回復jog60〜65%

いわゆるつなぎの日です。30分ほどのjogが適当です。この日は流しはしません。筋力を休ませる目的です。
 
 

少しがんばりたい日は心拍70→75→80%のjogからビルドアップ走

走りながら、「今日は調子良いな!少し上げてみるか!」と思えたなら、後半ペースアップしてみましょう!

基本は心拍70%のjogで一定ペースです。
これを、後半ペースアップします。

例えば、10kmのランニングを予定していたなら、
jog5km(70%)様子見で一定ペース
jog5km(70→75→80%)ビルドアップ

最後に流し100mを3〜5本で締めくくります。
軽くダウンします。
 
 

時間があまりとれないけど、しっかり練習したい日のメニュー

ランニング10kmの中で、走りながら流し100mを10本入れます。つなぎはjog100mです。

jo7km(70%→75%)
流し100m×10(jog100m)=2km
jog1km(60%)ダウン

流しとつなぎの100mはだいたいよ距離で構いません。普段、100mを何歩で流ししているか数えておけば、どこでも約100mの流しができます。

GPSウォッチを使えば客観的に距離もわかります。最近のGPSウォッチは精度がとても良いです。
 
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GPSウォッチの活用で、どこでも距離とペースを把握する

GPSウォッチを活用することで距離がわからないコースでも距離とペースを管理したトレーニングが可能になります。

社会人の特権です。学生にとっては高い買い物です。学生はトラック練習が基本なのでそんなに必要ありません。

心拍計とGPSが一体になった商品も多数あります。しかも防水です。自分の用途、使用頻度によって選べば良いでしょう。

手首で心拍計測するタイプ、ランニング専用モデル

胸ベルト計測タイプ、スイム、トライアスロン対応

 
 

ペース走はキツイからあまりしたくないけど、ペース走は必要だと思っている人向けの練習

ランニング10kmの中で全て完結させます。

アップjog2km(70%)
流し100m×5(jog100m)=1km
回復jog1km(スロー60%未満)
ペース走1km(80%)(jog500m)
ペース走1km(80%〜85%)(jog500m)
ペース走1km(80%〜85%)(jog500m)
ペース走1km(85%)
ダウンjog500m(スロー60%未満)
これで連続10kmです。

短時間で終わります。

メニューで書くと1km×4ですが、インターバルトレーニングではなくあくまでもペース走の設定で、AT付近で走ります。これをアレンジしてスピードを上げればインターバルになります。時期によって使い分けると良いでしょう。
 
 

まとめ

運動生理学やトレーニングの組み立て方を理解してくれば、どんなメニューもアレンジ可能になります。

自分の生活スタイルに合った時短メニューを考えたり、近所の広い公園を練習コースにしてインターバルトレーニングを組んだり、河川敷でペース走をすることも可能です。

学生の陸上競技は、学校のグランドや陸上競技場のトラックが主な練習場所になります。

社会人は、自宅の近く、職場の近く、昼休みのちょっとした空き時間など、貪欲に隙間時間を探して思いつきで練習をすることも多いと思います。

そんな時でも、一週間や一ヶ月、レースまで逆算した流れを考えて、柔軟な発想の思いつきで、流れに乗った臨機応変なメニューを組み立てて実行する能力も必要です。

心拍管理を基本としたペース設定、心拍計、GPSをフル活用して、来たるべき週末のレースを全力で走るために日々工夫したトレーニングをがんばりましょう!

ペース走のペース設定の考え方

ペース走のペースをどのようにして決めていますか?

顧問に言われたから、先輩たちがやっているからという理由で、何の根拠もわからないままペース走のペースを決めて走っている人は少なくないと思います。

昔の私もそうでした。

4’10でこなせたから、次は4’05でという具合でした。少し余裕を持って走れるか走れないかのギリギリのところでやっていたように思います。なんともあいまいな決め方です。
 
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適切な練習ペースは心拍数で決定する

人間の心臓は、自分の意思とは関係なく動く【不随意筋】です。一方、骨格筋は【随意筋】です。意識して思い通りに動かすことができます。

心拍数は、寝ている時の安静状態で最も低くなります。激しい運動をしている時に高い心拍数になります。

以下に、大まかな心拍数の変化と運動の負荷を示します。1分間での回数です。心拍数には、個人差があるので数値は参考程度にしてください。

一般的な20歳前後の選手の最大心拍数を200回/分と仮定したものです。

40〜50回、睡眠状態
50〜60回、安静
70〜90回、歩き
90〜100回、速歩き
100〜120回、ゆっくりなジョギング
120〜130回①ややゆっくりなジョギング
130〜140回②適度なジョギング
140〜150回③速めのジョギング
150〜160回④かなり速めのジョギング
160〜170回⑤適度なペース走
170〜180回⑥ペース走より速い
180〜190回⑦レースペース(レース序盤)
190〜200回全力運動(レース終盤)

①〜⑦で番号をつけてある範囲が、私のホームページで紹介している練習メニューで走る範囲になります。

タイム設定一覧表

 
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ペース走で設定すべき範囲は④⑤⑥

1分間の心拍数
150〜160回④かなり速めのジョギング
160〜170回⑤適度なペース走
170〜180回⑥ペース走より速い

④は余裕を持った長めのペース走
⑤が最も基本的なペース走
⑥はレースよりも遅いけどペース走としては速めの練習

それでは、以下にそれぞれについて、練習メニューとともに説明します。
 
 

④余裕を持った長めのペース走

最大心拍数の75〜80%を狙います。

5000m
15’00の選手で3’57″〜3’38″、16〜20km
17’00の選手で4’29″〜4’07″、10〜12km
19’00の選手で5’00″〜4’36″、8〜10km

走力の低い選手は、このゾーンであまり長く走る必要はありません。もう一つ上のペースで練習をする方が効果的です。

14分台を目指している選手は、定期的に長い距離を走る必要があります。淡々とリズミカルに、一定ペースで省エネ走法を研究しながら走ることでランニングエコノミーの改善を狙います。

地面を蹴らない、コンパクトな腕振り、速めのピッチで筋力の負担を減らすなど、自分でテーマを考えて取り組みましょう。

ランニングエコノミーとは、フォームの無駄を省いたり無駄なエネルギーをより使わないようにすることです。

このゾーンは、有酸素運動の領域です。乳酸が急激に溜まり始めるAT=無酸素性作業閾値(いきち)の手前にあたります。有酸素運動としてはかなり高いレベルの運動になります。
 
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⑤最も基本的なペース走=ATペース走

最大心拍数の80〜85%を狙います。

AT、無酸素性作業閾値は最大心拍数の80〜85%で出現する人が多いです。レベルが上がればもう少し高めの選手は存在しますが、トレーニングの強度設定としては、高すぎるよりも少し低いくらいが安全確実です。ゆとりがあれば後半ペースアップをして負荷を調整すれば良いです。

このゾーンは無酸素運動と有酸素運動の境目と言われています。スピードが上がるにつれて血中乳酸濃度が徐々に高くなっていきますが、ATを境目として急激に乳酸の溜まり方が上昇します。

この境目付近でトレーニングすることで、効率的に持久力を強化することができます。

ATペースは20分を2回行うことで充分効果があるそうです。メニューとしては20分+20分、つなぎは心拍65〜70%のjog約5分です。その日の体調によって5分歩きでつないでも良いです。後半をしっかり走る方が大切です。

設定ペースで前半をイーブンで走り、心拍が85%未満であれば、つなぎjog後の後半を設定-5″で走ると良いです。

走力に応じて、タイムが20分前後になるように距離をキリよく設定して、つなぎはjog1000m〜1200mとします。

5000m
15’00の選手で3’38″〜3’28″=設定3’30”
6000m×2、つなぎ1200m4’21″〜4’12″ペース

17’00の選手で4’07″〜3’56″=設定4’00”
5000m×2、つなぎ1000m4’56″〜4’45”

19’00の選手で4’36″〜4’24″=設定4’30”
4000m×2、つなぎ1000m5’31〜5’19

 
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⑥レースよりも遅いけどペース走としては速めの練習

最大心拍数の85〜90%を狙います。

ATより高いゾーンで走り続けます。ATより高いですが、最大酸素摂取量ペースよりも遅い範囲です。

感覚的にはハーフマラソンのペースよりも少し速めです。ハーフマラソン前のレースペースを確認する時は、これより数秒落とせば練習にも活用できます。

ちなみに、フルマラソンのペースはATを超えることは無いと言われています。先の項目⑤のペースに近いと考えられます。ただし、きちんと走り込んで身体の準備ができている選手に限ります。

5000m
15’00の選手で3’14″、6000〜8000m
17’00の選手で3’39″、5000〜7000m
19’00の選手で4’05″、4000〜6000m

この練習の後に、10分ほど休憩してからレペティションを追加するとトレーニング全体のバランスが取れます。

+1000m×1〜2(10’rest)
3000mレースペース前後でリズム良く走ることで筋肉と心配機能に刺激を入れます。これは最大酸素摂取量ペースよりも速いスピードになります。
 
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まとめ

ペース走と言っても幅広いです。

私は、jogでさえもペースを決めて走るべきだと考えていますので、ペース走と言えます。ほとんどの練習はペースを決めるべきなのです。自分に合ったペース=運動強度を把握して、その時々に応じたペース設定をすることが大切です。

疲労回復促進を目的とするjogでは、筋力を休ませつつも軽い有酸素運動をすること。

基礎を固めるjogでは遅すぎないペースでリズム良く一定ペースで走ること。

そして、ATペース走では有酸素運動と無酸素運動の境目を狙うこと。そこをなるべく長い時間維持しながら効率的なランニングフォームを研究することが目的になります。

しかしながら、中学生や高校生が全員心拍計を持てるかと言うとそれは難しいことです。中学生では、時計すら持ち込み禁止の学校もあります。

私のホームページでは、心拍計を使って心拍数を測らなくても、3000mや5000mの持久系の種目の記録(予想)から、それぞれの心拍数割合のペースを算出しています。

これは、自分の測定結果、教え子達の測定結果を基準にして、計算したものです。過去に何百人もこの方法でアドバイスしています。

幅広いレベルの選手を無作為に選び、心拍数を確認したところ、ほとんど当てはまっています。外れているのは、最大心拍数が極端に低い人や極端に高い人です。これらの人は最大心拍数の測定が必要になります。

心拍計を持てない多くの若い選手たちにも、心拍数管理を基本とした、その人に合った練習メニューと設定ペースの提案が可能になっています。

今まで、このようにペース設定をしたことがない選手は、ぜひ一度試してみてください。

自分に合った練習メニューとペース設定を検索する。

polor心拍計

最大心拍数を知って練習に活かすために

心臓は人間のがんばり度合いを表すメーター

人間の心臓は、自分の意思とは関係なく動く【不随意筋】です。一方、骨格筋は【随意筋】です。意識して思い通りに動かすことができます。

心拍数は、寝ている時の安静状態で最も低くなります。激しい運動をしている時に高い心拍数になります。

3kmあたりの距離を全力で走り切ると、最大心拍数になると思います。5kmでは長くて最大心拍数まで上がりません。1500mでは短か過ぎて、最大心拍数に達する前に走り終えます。

中距離種目の方がキツくて苦しいですが、無酸素運動の要素が4〜6割を占めていますので、溜まる乳酸に耐えながらスピードを維持する苦しさからだと思います。

 
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最大心拍数について

若ければ最大心拍数は高く、年齢を重ねるごとに最大心拍数は下がっていくことが考えられます。

昔の公式で、220-年齢=最大心拍数の予想がありますが、個人差があることも承知してください。

ちなみに私は、30歳時で最大心拍数197回を計測
220-30=190、誤差+7回、割合だと3%誤差が生じます。41歳現在でも最大心拍数はほとんど下がっていません。196回です。
220-41=179、誤差+17回、9%

適切にトレーニングを継続していれば最大心拍数の低下はかなりゆるやかになると考えられます。ですので、公式は参考程度にしてください。

小柄な人は心臓が小さく心拍数は高めの傾向があり、逆に大柄な人は心臓が大きく心拍数は低めの人が多いです。個人差あります。

極端ですが、ネズミなどの小動物の心臓はとても速く鼓動しています。

持久系のスポーツに取り組んで、競技力を伸ばすため、または安全にトレーニングを行うために自分の最大心拍数を知ることは大切だと考えます。
 
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最大心拍数をトレーニングに活用する

最大心拍数が分かれば、その割合からトレーニング強度を決めることが容易になります。

心拍計を使った効率的、客観的数値を確認しながらのトレーニングが可能になります。心拍計は自分のコーチになります。

心拍計を練習に活用する

以下に、最大心拍数からの割合で区分した、トレーニング強度を紹介します。
 
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心拍数割合と運動強度

60%未満、LSD
60〜65%、①回復jog
65〜70%、②基本jog
70〜75%、③速めのjog
75〜80%、④遅め長めのペース走
80〜85%、⑤ATペース走
85〜90%、⑥速めペース走
90〜95%、⑦レース序盤
95〜100%、レース終盤、全力

①〜⑦で番号をつけてある範囲が、私のホームページで紹介している練習メニューで走る範囲になります。

タイム設定一覧表

 
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まとめ

主観的な感覚や勘で練習ペースを決定する場合と、客観的な数値を参考にして自分に合った練習ペースを決定する場合では確実性が違います。

しかし、主観的な感覚、フィーリングも大切です。数秒違うだけで気持ちよく走れるペースがあったりします。

リズミカルに走れること、気持ちよく走れることもとても大切です。

主観的な感覚と客観的な数値の両方良いところを取り入れて、

【自分にとってベストな練習ペースを自分で決めることに意味があります。】

これで、トレーニングの五原則のうち自覚性の原則と個別性の原則をクリアすることができます。

polor心拍計

インターバルとレペティションの間のトレーニング

歩きでつなぎ、長く休み過ぎない

インターバルトレーニングは、jogつなぎで、疾走区間のタイム×1/2〜3くらいで回復時間を設定します。(私の考え方です。)
レースペースを基準として何本も反復して走ります。ある程度の質で量を走ります。総距離は、レース距離の2〜2.5倍程度になります。

レペティショントレーニングは、完全休息で15〜20’、時には60’休みを挟みます。3本前後の少ない本数で量より質を追求します。

これらに対して、インターバルとレペティションの間にあたる練習も考えることができます。

歩きつなぎ、回復時間は数分です。

目的は、レースペースの本数反復を適度な負荷で行うことです。身体に疲労を溜めすぎない練習です。レースペースを身につけて、その負荷に身体を慣れさせることを第一の目的とします。

私は、大会数日前の調整段階でポイント練習としても使っていました。
 
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名付けて、インターバルレペ、イメージセット走(あくまでも私の考えです。)

命名は何でも良いですが、インターバルやレペとは分けて考えることができれば良いと思います。

イメージセット走の由来は、必ずレースのどこかをイメージして走ること、そのイメージを頭と身体に慣れさせることを目的としているからです。

この練習の考え方は、現在取り組んでいるトライアスロンの練習でもそのまま活かされています。バイク練習で、速度を上げる練習では必ずレースを想定し、練習コースの選定も大会のバイクコースに似たレイアウト(坂道の長さや斜度、平坦路の長さなど)でやっています。そのコースで、区間ごとにレースの部分を想定して、レースに直結するポイント練習をやっています。

 
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インターバルレペ、イメージセット走の具体的な練習メニューの作り方

(1) まず、狙う種目を決めます。
例、800

(2) 目標タイムを設定します。
例、2’00″0

(3) 走る距離を決めます。レースより短く、1/2〜100mが適当です。
例①400m,300m,200m,150m
例②300mのみ

(4) 走る順番を決めます。
例①400+200+300+150
例②300m×5

(5) つなぎの距離を決めます。
次の距離を歩きでつなぎます。
例①
400mの後は200m歩き
200mの後は300m歩き
300mの後は150m歩き

例②
300m歩きで戻ります。(約5’になります。)
だいたい、100mあたり1’40″で歩けます。

(6) 各距離にイメージを載せて、具体的なペース設定をします。
例①
入り400m58″0
400→600m地点30″0
400→700m地点46″0中だるみ考慮
ラスト150m8″0+切り替え14″5

例②ラスト300m46″0=31″0+15″0切る

(7) 各距離のテーマを決めます。
例①
400入りペースの確認
200リラックスした中間疾走
300終盤苦しくなった場面でのフォーム維持
150でラスト100mの切り替え

例②
500-700までイーブン、ラスト100の切り替えスパート練習

この様に、①レースのスタートからゴールまでを時系列で並べても良いですし、②強化したいラストスパートのみに焦点を絞って反復練習しても良いです。

それでは以下に、他の練習メニュー例を紹介します。
 
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400m対策

150m×6、総距離900m
設定400mレースペース
つなぎ250m歩き、または5’rest(移動含)
スタブロ使用でスタート→150m
100m→250m
150m→300m
250m→ゴール
どこでも、走って確認したい区間を選びます。
直線→コーナー、コーナー→直線のそれぞれの走り方、技術を考えることができます。
 
 

800m対策

400m×5〜6、総距離2000m〜2400m
設定800mレースペース
1本目のみ入りイメージS→400m
以降は中間疾走区間(イーブン)200→600m
ラストは切り替えてスパート400→800m
つなぎ400m歩きで6〜7’、または300m歩き約5’でも良いです。

 
 

1500m対策

600m×4〜5
設定1500mレースペース
①入り600m
中間疾走600m
(②300→900、③600→1200など)
④ラスト600m
つなぎ300m歩き約5′
①走り、300m戻れば②のスタートになります。また300m戻れば③のスタートに。300m戻れば④のスタートになります。

つなぎの歩き方も工夫次第でアレンジ可能です。
 
 

3000m、5000m対策

長距離種目は、イメージセット走でやらなくても通常のインターバルトレーニングで、レースをイメージしながら走れば良いと思います。

やるとすればこのようなメニューになります。

2000m+1000m+2000m
設定、5000mレースペース
つなぎ400m歩き約6〜7′
2000m序盤、入り1000mを速めに入り、中間疾走へ
1000m中間疾走、リズム良く
2000m終盤、中間疾走からスパート

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まとめ

インターバルとレペティションの間の位置付けになる練習方法を紹介しました。

追い込むことだけが練習ではありません。

フォームやペース感覚をしっかり意識して、序盤は少しゆとりがあるくらいのトレーニングでも、得られる効果は高いと思います。

終盤はきつくなってきますが序盤に良いイメージで走れていれば、そのままの良い感覚で最後までしっかりと走り切れると思います。

この練習は、【前半は、良いイメージや感覚をつかむこと、後半はそれを実戦的な負荷の中で再現すること。】そう言えます。

この次の段階で、より距離を延ばしたレペティションを行えば良いと思います。

そして、一番練習になるのがレースに出ることです。不安、緊張感、競り合いの中で、その時の自分の力をしっかりと出し切れることが大切です。

レースと練習の組み合わせ、バランスを上手く考えて、目標とする大きな大会に挑みましょう!

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レペティショントレーニングについて

レペティショントレーニング、通称レペとは?

インターバルトレーニングは、レースペース前後の設定タイムで、回復はjogつなぎで複数本走り、さらに数セット行う場合もあります。最初から全力ではなく、レースをイメージしながら効率的なスピードフォームを研究しながら反復する練習です。ラストを全力近くで走ることにより、効果的な有酸素運動〜ラストは無酸素運動を行います。

これに対して、レペティショントレーニングは、少ない本数(3本前後)を全力または全力近くで走り、完全休息を挟みます。休む時間は15〜20’が適当です。決まりはありません。しかし、あまり長く休み過ぎると身体が沈静化します。60’くらい休んで記録会形式で行う練習も良いですが、その際は、流しなど軽くアップをする必要があります。
 
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レペティショントレーニングの考え方

専門種目、出場する種目よりも、やや短い距離を速く走ることでスピード強化、溜まる乳酸に耐えながらスピードを維持する能力の向上を狙います。

例えば、1500m対策のレペティションは、1000m×2、設定は1500mレースペースより速く、間は20’です。

土日の大会で、1500mと800mを兼ねる場合がよくありますが、その時は両方の種目に効果が出るようにするために、短い方の種目を基準に考えると良いです。また、組み合わせも可能です。

例えば、1000m+600m+400m
設定は1000mは1500mレースペースより速く、600mは800mレースペースより速く、400mは全力です。間は15’〜20’です。

それでは、次に具体的な練習メニューの一例を紹介します。距離の組み合わせは自由です。決まりはありません。
 
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400m対策のレペ

300m×3本、設定全力、間15′

400m52″0の力なら、100m13″0ペースなので300m39″0平均です。目標は38″0あたりです。

最初は、集中して2本でも良いです。ペースを落として3本やるより全力2本の方が効果は高いと思います。
 
 

800m対策のレペ、スピード

400m×3本、設定男子400mベスト+2″0、女子400mベスト+3″0〜4″0、間15’〜20′

800mに必要なスピード持久力を強化します。800mの一周目は、400m50″0くらいの男子なら400mベスト+4″〜5″くらいが適当です。400m60″0の女子なら400mベスト+6″〜7″が目安です。400mが遅ければ割合的に一周目も遅くなります。

一周目の動きと筋力にゆとりが生まれて、後半もしっかり走れるようになります。

とてもキツイ練習です。集中して行ってください。週に1回やれば良い練習ですが、毎週やる必要はありません。他の距離も組み合わせると良いです。
 
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800m対策のレペ、スピード持久力、イメージ走

600m×2
設定
①800mの600通過タイム、スパートなし
②800mの200→800mの後半600mをイメージ、ラストスパート
間20′
 
 

800mと400m対策のレペ

600m+400m+300m
設定
600mは800mの600通過タイムでイメージして。
400mは全力手前、イーブン、スパートなし
300mは全力、スパートあり
間15′
 
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1500m対策のレペ、スピード

1000m+600m、設定、1000mTT、600mTT
間20’〜30′
1000mの絶対スピードを高め、1500m通過時のタイムのゆとりを大きくする。
 
 

1500m対策のレペ、スピード持久力、イメージ走

800m×3、設定1500mレースペース、間15′
①スタート→800mイメージ
②400m→1200mイメージ、イーブン
③700m→1500mイメージ、スパート
 
 

3000m対策のレペ

1000m×3、設定3000mレースペースより10″〜15″速く、間15′
特に初心者に有効な練習です。ペース感覚が未熟なのでインターバルのような細かいペース設定の練習をするより、全力近くで走る練習の方がやりやすいです。
 
 

5000m対策のレペ

3000m+1000m+2000m
設定
3000mは5000mの通過タイム、イメージ
1000mは3000mレースペースより速く、1500mレースペース近くまで上げて。
2000mは5000mレースペースで。ラスト2000mをイメージ、スパートあり
間15′

真ん中の1000mで一度スピードを上げることで、最後の2000mではスピードにゆとりを感じることができ、リラックスしたスピードフォームが身につきます。

一般的な組み合わせは3+2+1です。3+1+2は私が考えました。教え子には、このパターンでポイント練習をアドバイスしています。
 
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レペティションの休憩時間の過ごし方

ずっと座ったり寝転がった状態では身体は動きません。走り終えたら、そのままゆっくりjogまたは歩きで身体をほぐします。3〜5分程度で良いです。スパイクを脱いでリラックスします。休憩中は水分補給をしてください。アミノ酸の摂取は効果的です。費用はかかりますが、、。

次のスタート3分くらい前にスパイクを履き、軽く50m程流しを1本入れるか、ゆっくりjogでスタート地点まで移動します。
 
 

まとめ

レペティショントレーニングの組み合わせは自由です。決まりはありません。自分なりの明確な考えを持って、メニューをアレンジしてみてください。

個人的には、レースペースで設定するならレースのどこかの区間をイメージしながら走る、【イメージ走】がおすすめです。走りながらのイメージトレーニングになります!

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インターバルのつなぎの距離と時間の決め方

インターバルトレーニングとは?

インターバルトレーニングとは、レースペース前後で走るスピードの区間と、ジョギングでつなぐ区間を何本か繰り返すトレーニングです。または、それを数セット行う場合もあります。

3000mのレースペース以上のペースなら最大酸素摂取量の向上が期待できます。理由は、最大酸素摂取量ペースは11分間以上続かないという実験結果からです。

ちなみに、私の走れていた時で、最大酸素摂取量ペースは3’02″でした。距離だと3500mくらい走ることになります。

簡単に言うなら、3000m11’00の選手は3’40″が最大酸素摂取量ペースと考えることができます。あくまでも目安ですが。

正確に知るためには、設備の整った施設で測定する必要がありますが、そこまてしてその数値を知る必要もありません。目安で知っておけばよい程度です。

インターバルトレーニングでは、jogのつなぎ区間も高めの心拍数を維持することで、有酸素運動を長く続けることを目的のひとつとしています。疾走区間では心拍数は90%を超えます。つなぎの回復区間では、基本的に心拍数70%以上をキープするように考えています。

これは、決まりはありませんがつなぎでさらに低い心拍数まで落とせば、トレーニング自体は楽になります。レベルに応じてつなぎのスピードは調整可能です。

インターバルトレーニングで、心拍計をつけて心拍数を確認する必要はあまりありません。トラックでのインターバルトレーニングは、心拍数よりもレースペースを基準とした設定タイムを守ることが大切です。心拍数を確認しておくことは良いことです。

坂道などの野外でインターバルを行う際は、トラックでのインターバルで計測した心拍数を把握していれば、それと比較することが可能になります。同程度まで上がっているかどうか確認することができます。つなぎでどれだけ低い心拍数まで落ちているかも分かりす。練習の参考にしてください。

【参考】心拍数管理で練習ペースを決定する方法

 
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インターバルよりも速く、休みをしっかり取るレペティションは、初心者におすすめ

インターバルに対して、完全休養を挟んで全力近く〜全力で走るトレーニングがレペティションです。

初心者は、インターバルよりもレペティションの方が効果的です。理由は、初心者はレースペースが定まっていないこと(伸び盛りだから)、また、ペース感覚が未熟で設定通り走るのが難しいからです。
 
 

インターバルの決まりとは?

インターバルの疾走区間を走るスピードには決まりはありません。しかし、レースペースやその前後で行うのが一般的です。その場合、レースをイメージしながら走れるという利点があります。

また、レースペースを無視した練習でも構いません。工夫次第で様々な練習ができます。坂道を使い、登りで負荷をかけて、下りで回復する練習もあります。

逆に、緩い下り坂を疾走し、登りを戻りながら回復するパターンもあります。この場合は、疾走スピードの向上を狙うトレーニングになります。

坂道を使う場合は、走った距離を戻ることになります。ジョギングのスピードと疾走区間のスピードでトレーニング全体の負荷を調整することになります。

今回は、主に陸上競技場、トラックで行う場合のインターバルトレーニングについて説明します。
 
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疾走区間の距離とスピードの決め方

疾走区間(距離)の設定タイムをRunning Time=RTとします。つなぎのタイムは、1/2RT、1RT、2RT、3RTで考えると、実力に応じてつなぎのタイムを調整することができ、わかりやすいです。練習日誌にも書きやすいです。

例えば、200mの設定が30″0の場合は、RT=30″となります。

1/2RT=15″
1RT=30″
2RT=60″
3RT=90″
となります。

疾走区間(距離)の設定が200mで800mレースペースの場合は、つなぎは3〜2RTです。

疾走区間(距離)の設定が200mで1500mレースペースの場合は、つなぎは1〜2RTです。

設定ペースが遅くなればつなぎは速くする必要があります。つなぎが長過ぎると、心拍数を高いまま維持できないためです。

疾走区間が300m〜400mで、中距離レースペースの場合は、つなぎは1RTです。長距離レースペースなら1/2RTでよいです。

疾走区間の設定が、1000m〜2000mで長い距離のレースペースの場合は、つなぎは短めの1/2RTでよいでしょう。
 
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具体的なインターバルのトレーニングメニュー

【狙っているレース距離と記録から算出する方法】

800m2’00″切りを狙ったインターバル

200m×5本×2set
設定29″0〜28″5=RT(Running Time)
つなぎjog200m(3RT=約90″)
set間jog600m(9RT=4’30”)
または、5〜10’rest
レースペースより速いリズムを体得する。実力より速いスピードなのでつなぎは長めにして、しっかり走れるようにする。

200m×5本×2set
設定29″台=RT(Running Time)
つなぎjog200m(2RT=約60″)
set間10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離1000m
2setで2000m
狙うレースペースを反復してスピード感をつかむ。つなぎの時間を短くする。

1500m4’00″00を狙ったインターバル
300m×5本×2set
設定48″0レースペース(RT=48″)
つなぎjog100m(1RT=約50″)
set間jog700m(1RTと同じペースで→7RT=350″=5’50”)
または10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離を1500mにしている。
3setで3000m

200m×10
設定32″0レースペース(RT=32″)
つなぎjog100m(1RT)
ラスト2本スパート練習
総距離2000m

5000m16’00″(3’12ペース)を狙ったインターバル
1000m×5〜6
設定3’10〜12(RT)
つなぎjog200m(1/2RT=約1’35”)
または、jog400m(1RT=約3’10”)
ラスト1本はスパート練習

5000m16’00″を狙ったインターバル
2000m×3
設定6’20〜24(RT)
つなぎjog400m(1/2RT=約3’10)
または、jog800m(1RT=約6’20)
ラスト1本は後半スパート練習
 
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自分なりにインターバルをアレンジ

自分の専門種目に合った、自分の持ち味を伸ばせるインターバル、自分の苦手を補うインターバルの2通りを考えてみてください。

持久力強化なら長めでつなぎ短め、スピードを磨くならレースペースより速めでつなぎは長めになります。
 
 

まとめ

インターバルトレーニングは、中長距離種目にとって実戦的な練習になります。終盤を全力近くまでペースアップすることで最大酸素摂取量ペースを超え、溜まる乳酸に耐えながらスピードを上げるラストスパートを再現することもできます。効果的なトレーニングです。

しかし、インターバルを行う前にはしっかりとした身体の基礎ができていないとあまり意味がありません。定期的に継続できない、単発の練習では効果は薄いです。

建物で例えると、jogでの地盤•基礎づくり、ペース走での土台づくりが大切です。トレーニングで走る距離の大半は、このjogとペース走です。

インターバルは、柱に当たります。高い柱を建てて固定するには基礎と土台、地盤が絶対に必要です。

基礎があまり無い状態でインターバルをすると一時的に効果はありますが、長続きしません。付け焼き刃です。

週に1回はスピード練習を取り入れながら、ベース走を週に1、2回、他はjogをきちんとする必要があります。

トレーニング全体のバランスはとても大切です。“トレーニングの5原則の、全面性の原則です。

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ビルドアップ走のペース設定方法と練習効果


ビルドアップ走は、陸上部で中長距離専門なら一度はやったことがある練習でしょう。

しかし、どれくらいの人が自分に適したペースの設定方法やトレーニングの効果を理解しているでしょうか?

ペースの設定には、絶対にこれだ!という決まりはありません。速め、遅め、レベルに応じて距離も加減すれば良いと思います。

それでは、私なりの解釈と考えでアドバイスをします。
 
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トレーニング効果

様々な速度域で走り、最後は全力または全力近くまで上げることで、有酸素運動→無酸素運動になります。様々なエネルギー供給系を使うことになり、バランス良く中長距離走に必要な要素を鍛えることができます。

イメージとしては、一般的に取り組まれているペース走より少し遅めからスタート→ペース走→ペース走より速く、長距離レースのペース(ハーフ→10km→5km→3km→全力)、こんな感じです。

ちなみに、フルマラソンのペースはペース走より少し遅めになると考えられます。
 
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長距離選手向けのビルドアップ走

普段やるようなベース走の設定タイムからスタートして最後は全力まで上げるものです。距離は10000m前後が適当なところでしょう。

ペース走より少し遅めからスタートしても良いです。距離を走りたい場合などに適しています。

ペース走のペース設定は、無酸素性作業閾値(AT)前後で設定するのが一般的です。最大心拍数の85%前後が目安です。

ペース走の設定ペースの考え方を詳しく見る。

以上から、ビルドアップ走の設定の方法は、最大心拍数の80%→85%→90%→95%→全力というように考えると良いでしょう。
 
 

ペース設定の基本、心拍数管理

練習ペースは、基本的には心拍数で決めます。回数で決めるのではなく、最大心拍数からの割合%です。スポーツ施設等で測定するのが一般的ですが、11分間走などで自分で測定することもできます。知識として知っておこましょう。

心拍数管理の方法を詳しく見る。

 
 

ペース設定一覧表

持久力レベル(5000m)のタイムによって、jogやインターバルの設定ペースを決めます。心拍数を計測したことがない人でもその範囲に入るようになっています。私が10年近く、陸上選手や市民ランナーを教えてきて確認したものです。

タイム設定一覧表

 
 

具体的なメニュー

例えば、ビルドアップ走の設定を心拍80%→85%→90%→95%→全力にする場合で考えてみます。

【5000m16’00″(3’12″ペース)の選手】
3’50①→3’45①→3’40③→3’35①→3’30①→3’25①→3’20①→全力①

丸内の数字は距離です。合計10km、10000mで考えてあります。AT=無酸素性作業閾値あたりの3’40を長めにとりました。ラスト4kmがキツイところです。ペース設定の距離配分は自由です。
 
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【5000m20’00(4’00″ペース)の選手】
4’50①→4’45①→4’40①→4’35①→4’30①→4’25①→4’20①→全力①

合計8km、8000mで考えました。女子を想定しています。タイムが遅い分、男子より距離を少し短めにするべきです。走る総時間は同じくらいになるように設定します。

タイム設定一覧表を参考にして、心拍80%からスタートして、1kmごとに5秒アップが覚えやすいと思います。5000mのレースペース+10〜20秒まで上がったら、その後はフリーで全力です。

 
 

5000m14’台、ハーフも狙う選手の場合

トータル距離は16km、16000mまで延ばします。先ほどと同じく心拍80%→85%→90%→95%→全力で設定します。

【5000m14’50″(2’58ペース)の選手の場合、10000m30’40(3’04ペース)くらい】

3’35②→3’30②→3’25②→AT3’20⑥→3’15②→3’10①→全力①

ATペースの3’20を長めにとり一定ペースで淡々とリズミカルに走ります。ちなみにハーフのペースは3’14前後が予想されます。ハーフ68’00″(3’13″8ペース)です。

ハーフマラソンはATを超えるペースになります。

フルマラソンはATを超えることはないと言われています。世界トップクラスでATに限りなく近く、男子より女子の方がAT近くで走ることができるそうです。但し、これはかなりハードなトレーニングを積んだトップアスリートの話です。一般的にはそこまで上げて走ることはできません。知識として参考程度に。

 
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まとめ

ビルドアップ走は、様々な要素を鍛えることができる効果的な練習です。しかし、毎日やれば良いという訳ではなく、週間や月間の練習計画に上手く散りばめると良いでしょう。

目標とする種目、距離によってビルドアップ走の距離設定とペース設定をアレンジすると良いです。

また、短時間で効果的なトレーニングをしなければならない多忙なアスリートにも有効です。走り始めをウォーミングアップとして、一度休憩しつつ体操、再スタートからペース走→ペースアップしてラスト全力近くまで上げたり。アレンジは自分次第、使える時間の範囲内で。

工夫次第では、レベルが違う選手同士が一緒に走ることもできます。途中から入ったり、途中でやめたり、練習前に相談してお互いに利用し合いましょう。

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クーリングダウンで血中乳酸濃度を早く下げたい理由


クーリングダウンが必要な事は他の記事で紹介していますし、アスリートならみんな知っていることです。

ウォーミングアップの記事も参考にしてください。

今回は、クーリングダウンについてもう少し詳しく紹介します。
 
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人間の体は弱酸性

ボディーソープのコマーシャルでよく耳にする言葉です。素肌に優しい弱酸性です。

短時間に大きなエネルギーを発生させると同時に乳酸も産生されます。この乳酸は酸性です。昔は乳酸=疲労物質というふうに言われていました。最近では乳酸はエネルギー源であるとも言われています。しかしながら私たちが速く走るときに乳酸をエネルギーとして使ってるかというとそうではありません。私たちの体では乳酸を分解して再びエネルギーとして使うことができるようになっています。そういった広い意味で乳酸=エネルギー源であると考えることもできます。

しかし、高強度のトレーニング直後またはレース直後に体の乳酸濃度は高くなっています。乳酸は筋肉の収縮を阻害して運動を妨げます。これは好ましいことではありません。少しでも早く高い乳酸濃度を下げて元の値に戻すことが、運動を再開するためには必要ですし、すばやい疲労回復にも必要となります。全力で走った後の体は酸性度が高まっていると言えます。
 
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体の酸性度が高い=ストレス

人間の体もある意味錆びてしまいます。酸性度を高い状態を保つこは人体にとって好ましくありません。ストレスと言えます。

人は、交感神経と副交感神経を切り替えている話を、ストレッチの方法で紹介しました。

人は、ストレスがかかっているときは交感神経が優位になります。ストレスに耐えているからです。逆に、ストレスがなくリラックスしている状態では副交感神経が優位に働きます。
 
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効率的な回復のためには成長ホルモンが必要

本題に入ります。血中乳酸濃度を早く下げると言う事は、体からストレスを早く取り除くと言うことです。血中乳酸濃度を早く下げることで、早く体がリラックスした状態になり、さらにクーリングダウンの軽い運動によって副交感神経が優位に働きます。この時に成長ホルモンの分泌が多くなります。
 
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成長ホルモンとは?

成長ホルモンは、アミノ酸で構成される物質です。

主な働きは、組織の成長促進と代謝コントロールです。子供の骨や筋肉の成長には欠かせません。また、大人でも脳の疲労回復、脂肪燃焼、病気の抵抗力、体組織の修復や再生等に関わっています。

成長ホルモンは、副交感神経が優位の時に多く分泌されますが、最も多いのは睡眠時間中です。
 
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まとめ

クーリングダウンは、その日の最後にだけ行うものではありません。例えば、陸上競技の大会では、1日に2本、3本走ることがあります。大会が2日や3日続きの場合は、1日何本か走るのを3日続けます。記録会でも、1日2本や3本走る場合があります。

大きな大会では、予選や準決勝レースの後に、決勝が控えていますので、余計な疲労状態から早く回復することが、次への準備につながります。

レース後に、何もしないで控え場所に戻って休むのと、きちんとダウンをしてから戻るのとでは、筋肉の余分な張りが違います。

クーリングダウンの適切な時間は?

レース直後30分以内、回復のゴールデンタイムにプロテインを摂取、クーリングダウンで血中乳酸濃度を早く下げ、交感神経と副交感神経の切り替えを行い、ストレッチとマッサージで副交感神経をさらに優位にして、軽い食事でエネルギーとミネラル類を補給、短時間の昼寝で成長ホルモン分泌促進して疲労回復、この流れを考えて行う必要があります。

次のレースまで時間があまり無い場合は、ダウンをきちんとして、アップは必要最小限で行えば良いです。その時も、落ち着かず歩き回るのでは無く、可能なら15分程度の短時間の昼寝を入れるようにしましょう。交感神経と副交感神経の切り替え、そして再び交感神経へ切り替える行動がダウンとアップです。

身体のしくみを知って、レース間の過ごし方で失敗しないようにしましょう。

疲労因子ファティーグファクター、乳酸、その他の疲労を測る物質について

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根拠の無い根性練習と根拠に基づく科学的トレーニングの違い。

根性練習と科学的トレーニング

根性練習とは、自分のレベルより高い設定で、たくさんの量をとにかく毎日休みなく行う事で実力がアップすると信じている練習方法で、そのような理論的ではない無謀な練習を行うことだと私は考えています。絶対にやりたくない練習です。

一方、科学的トレーニングとは、測定した客観的な数値や記録を元に、その人に合わせた練習内容や負荷の設定を適切にして、必要最小限の量を高い質で行うトレーニング方法だと私は考えています。当然、適切な休養日を設けます。

にわかに信じ難い事ですが、現在でも中学や高校で根性練習と思われる練習を生徒にさせている顧問やコーチが存在していることです。時々相談を受けます。

これはとても残念なことです。生徒は先生を選ぶことができません。私立高校ならまだしも、公立高校の場合は先生に転勤があり入学した学校に良くない先生が転勤してきたりする可能性もあります。

陸上競技の練習を、部活動で先生に言われることを全て信じて取り組む事は非常に危険です。基礎的な知識を自分でしっかりと勉強しておくことが自分自身の身を守る術です。

 
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科学的トレーニング理論を自分の練習に取り入れて、効率的に練習する。

今まで、人に言われたことだけをやって来た選手は、これをきっかけにして勉強を始めましょう!

トレーニングの5原則
心拍数と運動強度
全力で走る時間で異なるエネルギー供給系の違い
ポイント練習をする頻度(何日に一回という回数)
超回復の原理
可逆性の原理

まずはこのあたりを押さえておきましょう。
 
 

トレーニングの5原則

この5つを守ってトレーニングしないと効率的なレベルアップ走るできません。

継続性、個別性、自覚性、漸進性、全面性の原則です。詳しい説明はこちらの記事でします。
 
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心拍数と運動強度

中学生と高校生は、知識として知っておくと良いです。大学生や社会人は、心拍計を利用して練習することをお薦めします。

安静時の心拍数は40〜60回/分です。早歩きだと90〜100回/分くらい。ゆっくりjogすると110回くらい〜ペースアップして行くと120、130、140回と上がって行きます。

しかし、心拍数には個人差があります。同じペースで走っている誰かと同じ心拍数だからと言って同じレベルという訳ではありません。最大心拍数は個人ごと違います。最大心拍数からの割合で運動強度を測ります。最大心拍数200回の人Aと、220回の人Bがいたとします。ともに心拍数100回なら、Aは50%、Bは45.6%です。Bの方が少ない力で同じペースで運動をしているので、レバルが高いと判断できます。

詳しい測定方法や説明はこちらをご覧ください。
 
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全力で走る時間で異なるエネルギー供給系の違い

陸上の種目で説明すると100mと5000mでは使われるエネルギーが違います。また、得意な距離によって筋肉の質も異なります。速筋と遅筋です。先天的な遺伝によって、速筋と遅筋の割合は決まりますが、トレーニングによってもある程度の割合は変化するようです。

エネルギー供給系の詳しい説明は、こちらをご覧ください。
 
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ポイント練習をする頻度(何日に一回という回数)

ポイント練習とは、強度の高いトレーニングのことです。

では、毎日ポイント練習をすれぼ強くなりますか?

それは間違いです。高強度なトレーニングは運動によるダメージがあります。筋繊維は使うことで壊れます。それを修復することが大切です。

毎日ポイント練習を行うと、回復や筋繊維修復の時間が無く、疲労したまま次のポイント練習をすることになります。そうすると、パフォーマンスは落ちますし、余計に疲労します。これがオーバートレーニングです。

ポイント練習をする回数は、多くて週に3日、少なくて2日です。2日や3日連続で行うのでは無く、均等に間隔を開けて行います。理由は、次の項目で説明します。
 
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超回復の原理

高強度な運動により壊れた筋繊維が元の状態より強くなって回復することを、超回復と言います。

超回復に必要な時間は、48時間〜72時間です。2日〜3日です。これが、ポイント練習を週に2、3回行う理由です。

全力を出し切るようなハードなトレーニングだと、回復に3日。全力では無いけどかなりの高強度で本数や距離を多くした場合も同様です。そこまで出しきらなかったり、本数を少な目にした場合は2日です。

ゆっくりでもだらだらとかなり長い距離を走った場合も回復に時間がかかります。

筋肉痛が3日経っても治っていない場合は、やり方が良く無かったり、距離や本数が多すぎたと判断してください。また、睡眠時間が足りなかったり、充分な栄養を摂らなかった場合も回復しません。オーバートレーニングや休養、栄養面を考え直すべきです。
 
 

可逆性の原理

トレーニングをしなかったら元の状態に身体が戻ることです。ポイント練習の間隔を開けすぎたり、ポイント練習をせずにjogばかりしていても強くならないと言うことです。

毎日jogで長い距離を走る人は、大会で走る遅いと思いますが、jogを長くすることのレベルは上がります。

トレーニングはやったことに適応します。

例えば、ゆっくり長く走るLSDばかりやっているとLSDに対しては適応しますが、スピードは出しにくくなります。
 
 

科学的トレーニングのメリット

各トレーニングの理由が明確なので、目的意識をしっかり持てます。トレーニング5原則、自覚性の原則に合致します。

レベルに応じたペース設定が可能になります。段階的にステップアップすることが可能になります。漸進性の原則です。

様々なエネルギー供給系、速筋も遅筋も使う練習メニューです。全面性の原則です。

そして、その中で専門種目とするスピードやエネルギー供給系をメインにトレーニングします。個別性の原則です。

無理無くこなせる適度な質と量なので、やり過ぎによる怪我を防止できますし、無駄な時間をかけないので、その分アフターケアに気を配ることができます。体調を管理しながらトレーニングを行うので、継続的に効率的なトレーニングを積むことが出来ます。継続性の原則です。

すなわち、科学的トレーニングとは、トレーニングの5原則を全てクリアしたものと言えます。
 
 

根性練習のデメリット

自分に合わない練習量、設定ペースなので、効果が出にくいです。個別性の原則に反します。

量や時間が長いため疲れます。そして、疲れから回復する日程もありません。慢性的なオーバートレーニングに陥りやすく、常にどこかが痛く、満足なパフォーマンスをすることができません。だらだらと続けるので、こなすことに精一杯でステップアップしません。漸進性の原則に反します。怪我による中断も多くなるので継続性の原則にも反します。

痛みや疲れを、気合いだ!と一喝されて話は終わりです。指導者の押し付けトレーニングです。自ら取り組むトレーニングでは無く、やらされるトレーニングですので自覚性の原則に反します。

休養、回復練習、ストレッチ、マッサージという大切な要素が欠落しがちですので、全面性の原則に反します。

根性練習とは、トレーニングの5原則全てに反したものになりやすいです。

 
 

まとめ

学生の場合は、部活動に所属しないと大会に出れない仕組みになっています。だから、部活動の顧問が選手の運命を決めてしまうと言っても過言ではありません。すばらしい指導者に巡り会えるかどうかは運命です。私立の学校の場合は先生の転勤がほぼありませんのでこの先生に教わりたい!という学校に入学するという方法もあります。出しながら、そうできるのは一握りの選手であり、大半の選手は公立高校で顧問の先生が変わるなど流動的な状況で部活動をすることになります。

そんな時でも、自分自身の中に基礎的な陸上競技に対する知識や、そのために必要な運動生理学等の科学的根拠があればどんな先生が来ても自分で練習の意味を見出して設定ペースを調整するなど応用が効くと思います。

社会人であれば、実業団選手以外はコーチがいない状況で活動することが一般的です。関東等はランニング人口がとても多いため、ランニングクラブがありそれに所属すればプロのコーチの指導を定期的に受けることが可能です。しかしながら、それ以外の地域の戦士たちはプロコーチの指導を受ける機会は一切無いと考えられます。

自分自身で自分自身をコーチングする必要があります。

社会人ランナーは基本的に1人で練習することが多いです。がんばりすぎてしまう人は、自ら根性練習を課してしまうこともあります。とにかく毎日走る、とにかく毎日20km走る、絶対に休みを作らない、どんな時でも決めた練習メニューは絶対にこなすなど、がんばりすぎるゆえに根性練習になってしまっているパターンがあります。

学生も、社会人も共通して言える事は、練習日誌をしっかりとつける習慣を作ることが大切だということです。練習日誌は、これまでの自分自身が正しかったかどうかを判断する資料となります。

思いつきやフィーリングで練習をして、さらに練習日誌を書いていないと、調子が良い時や、悪い時が来てもなぜそうなったのか客観的に判断することができません。

科学的な根拠を勉強することが大切であると紹介しましたが、同様に練習日誌を書き続けることも大切です。簡単で地味な作業を地道に続けることが本当の根性なのかもしれません。

根性練習はダメだと言う結論なのですが、理論や根拠を知ることだけでは強くなる事はできません。頭でっかちではいけません。実行に移さないと意味がありません。

ここ1番の勝負所や、陸上人生の中でのがんばり時に、気合を入れて集中して取り組む姿勢が大事です。そして、何があってもやり通す強い気持ちが【根性】だと思います。

理論だけでは説明できない陸上競技論で説明しています。

根拠のない根性練習は反対ですが、強くなるために根性は絶対に必要です。

根性の使い時を間違えないようにしてがんばりましょう。

自主練習で何をすれば良いですか?


学生の場合、部活後や部活前に追加したい場合と、部活が無い日に練習する場合があります。

社会人なら、基本的に自主練ということになりますね。学生からすると考えられないでしょうが。実業団選手では無い、社会人アスリートは、日々多忙な生活を送っていますので日常のトレーニングを【時短】にして、仕事が休みの日のトレーニングをしっかり行うパターンをプランニングすることが基本になると思います。
 
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学生の部活前に自主練する場合

メイン練習は、あくまでも部活動時間中です。部活前の練習は補足的なものになります。

筋トレ、補強運動
jog
ラダー等のSAQトレーニング
縄跳び等、プライオメトリックな筋力発揮の動的な筋トレ
朝練習で走る場合の参考記事へ

本当に必要なのか考えることです。大半のレベルの選手は部活動時間に集中した練習を行うことを考えた方が良いと思います。あれもこれも欲張らない方が賢明です。やるならば継続しないと意味がありません。一時的な自主練はしてもしなくても身体能力向上は望めないと思います。
 
 

部活後の自主練

これも同様に、本当に必要か考えることです。【何かを鍛える】ことだけではなく、強くなるためには様々なアプローチがあります。部活後に何かせずにはいられないのなら、以下をおすすめします。

【筋トレ+柔軟運動、自力整体の効果(身体のバランスを整える)なら】
ヨガ
ピラティス
ネットで調べれば動画やサイトがたくさんあります。本を一冊買って、やってみるのも良いでしょう。社会人ならスポーツクラブで出来ますね。

【疲労回復に努めたいなら】
静的ストレッチ強め←最も基本的な必要不可欠なことです。
水泳(20分程度)←軽い有酸素運動+クーリングダウンの効果もあります。

【筋トレが不足しているなら】
自重での補強運動
短時間の器具を使ったウエイト
鉄棒で懸垂、懸垂逆上がり

【その日の走行距離が不足しているなら】
jog3〜6km程度、心拍60〜70%
+流し
これらは基本的にはする必要は無いと思いますが、部活動の顧問によっては十分な指導がなされず、偏ったメニューになることもあると聞きます。その場合は自分で考えて追加すれば良いです。

 
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部活が無い日の自主練

練習の流れに合わせて、ポイント練習、回復jogなど、本来その日にやった方が良い練習をやるべきです。

練習メニュー検索を参考にして、練習の流れや設定タイムを確認してください。

 
 

学生のテスト期間や社会人の勤務日の【時短練習】

普通にやりたい練習内容の半分の量にします。そして設定ペースを100mあたり0″5、1000mなら5″程度上げて走ります。

例えば、
アップjog3000m(4’30)、流し100m×5
ペース走5000m+5000m(3’40″、つなぎjog1000m)15’rest後にレペ
+レペ400m×2(設定56″、15’rest)
ダウンjog15′

時短メニューなら
アップ1500m(4’25)、流し100m×3
ペース走5000m(3’35)15’rest後にレペ
+レペ400m(設定54″)
ダウンjog8′
練習時間はほぼ半分になります!
このメニューなら、所要時間約65分です。距離は約8500mです。休憩をしっかり挟んで回復するところはしています。全力を出し切る訳ではありませんし、過度な疲労も残りません。

しかし、バランス良く様々なペースで走ることは変えていません。距離を減らす代わりにタイムを少し速くしています。これによって、距離を走ることの疲労は減り、筋肉の良い張りが生まれます。大会前の調整練習に近いです。

よくある考え方は、時間が無いからjog60分と流し、、、です。どちらの練習が効果的でしょうか?

忙しい時短期間を終えたら、通常のトレーニング周期に戻します。その時に、スムーズに戻って、良い動きが出来るのはどちらでしょうか?

時と場合にもよりますが、その時の自分にとって、【ベストな方を】選べば良いです。

参考までに、テスト期間で練習がほとんど出来なかった場合または社会人が残業続きで練習できなかった期間の後の練習再開方法

 
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まとめ

自主練習をする目的を明確に言えるのならば、やるべきだと思います。しかし、漠然と何かせずにはいられない、とにかく練習しなきゃ!という気持ちで計画性の無い思いつきの練習では良くありません。

速くなるため、強くなるためにはどうすれば良いですか?を参考にしてください。

練習しているつもりでも速くならない人も読んでみてください。

やるならば、しっかりと計画を立てて、年間計画に基づいた流れのある練習にすることが望ましいです。

陸上競技は個人競技だからこそ、このように自己管理をする能力が養われます。陸上専門の先生がいない場合、顧問が専門外の種目出身、いつも1人で練習しているので練習相手がいない。そんな人こそ、自己管理能力を徹底的に磨くべきです。

それが自分の強みになります。これは断言します。

1人で練習しているからこそ自由です。自由だからこそ、何でもできるので難しいのです。

コーチがいない人は、自分自身がコーチです。

客観的に考えて、やろうとしている自主練習は本当に必要か、効果的なのかを見極めて、自主練習をしましょう!

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自分のスピードと持久力のバランスを分析して、足りない練習を考える。


◎全国出場レベル
○県で上位レベル(県の次、ブロック大会レベル)
△県大会出場レベル
×県大会出れないレベル

全国上位レベル☆
を追加するとさらに細かく分かれますが、ここでは全国出場レベルまでにしておきます。全国上位レベルの選手にはコーチやきちんとした顧問がついていると考えられるので。
 
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(1)スピード◎、持久力◎

(2)スピード◎、持久力○
(3)スピード◎、持久力△
(4)スピード◎、持久力×

(5)スピード○、持久力◎
(6)スピード△、持久力◎
(7)スピード×、持久力◎

(8)スピード○、持久力○
(9)スピード○、持久力△
(10)スピード○、持久力×

(11)スピード△、持久力○
(12)スピード×、持久力○

(13)スピード△、持久力○
(14)スピード△、持久力△
(15)スピード△、持久力×

(16)スピード○、持久力△
(17)スピード×、持久力△

(18)スピード×、持久力○
(19)スピード×、持久力△

(20)スピード○、持久力×
(21)スピード△、持久力×

(22)スピード×、持久力×

今の自分はどれに分類されますか?
 
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スピードと持久力が同レベルという人はあまりいないと思います。だいたいどちらか得意で、どちらか苦手です。

私は持久力が苦手ですが、スピードの方がもっと苦手です。

タイム相関表で比べるとわかりやすいです。得意はものは上の記録、苦手なものは下の記録になります。

苦手なスピード練習を怠らず、持久力のトレーニングは年間通して継続するように意識した練習メニューを組んでいます。

結局のことろ、バランス良くスピードと持久力を配分しなければなりません。

時期によって、スピードを強調するか持久力を強調するかを自分で考える必要があります。

苦手克服は大切ですが、そればかりやるのはオススメしません。得意の持ち味が死んでしまいます。

逆に、得意なことだけを練習するのもいけません。苦手を補うことも忘れてはいけません。

数字で表すと、スピード:持久力のバランスは、9:1〜1:9の範囲なります。10:0や0:10はいけません。
 
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種目ごとの無酸素運動と有酸素運動の割合

大まかに考えると以下のようになります。

無酸素:有酸素
400m 9:1
800m 6:4
1500m 4:6
5000m 1:9

詳しくは、エネルギー供給系の記事を参照してください。

基本的には、これらの割合で練習で走る距離のバランスをとるように考えると良いです。

距離でバランスを振り分けるのでは無く、練習の日数や練習所用時間で考えた方が上手くいくと思います。

例えば、
800m選手なら、大まかに考えて10日のうちにスピード6日、持久力4日です。

または、1日の練習で100分練習時間があるなら、60’をスピード練習にあてて、40’を持久力練習と考えることもできます。

スピード練習は高強度ですし、短時間で距離も走れませんし休憩も多く必要です。持久力練習は低強度で長い時間かかる練習です。一概に、距離で分けることはできません。

上の考え方もあくまでも一例ですので、練習メニューを組むときに意識してバランス配分するようにしてください。
 
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最初にした分類を分析して特性と課題を探す

スピードが苦手ならば、スピード練習を週に2回は入れるべきです。また、身体の使い方を改善するために、ジャンプ系の補強を取り入れるべきです。

スピードが苦手な選手がやるべきこと。

持久力が苦手ならば、ペース走を週に2回は必ず入れて持久力の基礎を固めるべきです。

持久力が苦手な選手がやるべきこと。

(1)〜(22)段階で全国レベルから県大会より下のレベルで分かれますが、シンプルに考えるとやるべきことは同じです。

それぞれのレベルに応じたトレーニングを知り、それを継続することが大切です。

(1)の全国出場レベルの選手は、さらに上の全国入賞レベルがあります。やるべき方向性や意識していることは間違っていないと思いますので、さらに質を高めて効率的なトレーニングを追求することが大切だと思います。

練習の質を高める取り組め怪我やオーバートレーニングのリスクが高まります。

怪我の予防

オーバートレーニングの予防

(22)の下のレベルの選手は、速くなるためのアプローチはたくさんあります。何から手をつけても速くなれます。自分が得意なことを見つけて、それを伸ばすことを考えた方が長続きしますし、楽しいと思います。【好きこそものの上手なれ】です。楽しむことが一番大事です。やらされる練習ではなく、自分の意思で取り組む練習だからこそ身体が反応しますし強くなれます。

これを読んでみて、取り組めそうなものからやってみてください。

強くなりたいけど何から手をつけて良いかわからない選手へ
 
 

まとめ

自分の長所と短所を自覚するこはとても大切です。

私の意見ですが、短所を克服するよりも、長所を伸ばすことを重視した方が記録は伸びると思います。

しかし、短所の克服も意識して行うことは必要です。短所を放置して良いとは思いません。あくまでも、優先順位は長所を伸ばすことで、長所を伸ばすトレーニングをしっかりやった上で次に短所克服に取り組むべきだと思います。

自分の持ち味は、基本的には変わらないと思います。遺伝子に組み込まれた親から受け継いだものだと思います。

変えられないことを一生懸命に変えようとすることは労力と時間の無駄です。変えられることを変えることで自分の身体能力を伸ばすことを考えましょう!

変えられることとは、自分の生活態度や生活習慣、自分自身の意識と行動です。目標を明確に持つことです。

目標が決まれば、意識が変わり、意識が変われば行動が変わります。行動の積み重ねが1日になり、1日を繰り返せば1週間、やがて1年になります。これが習慣化されることで、身体能力が向上して、結果がついてきます。1日に0.01秒速くなれたら、100日で1秒、1年で3秒65も速くなれます!!ストップウォッチで100分の1秒を止めようと思っても止められないくらいの短い時間です。

陸上競技は非常にシビアな競技です。ごまかしは効きません。まぐれもありません。

やったことが正直に結果に現れます。だから面白いのです。

自分自身が、良い方向に変身するのを楽しみながらトレーニングに取り組みましょう!

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