乳酸と疲労因子FF、疲労回復因子FR、その他の疲労を現す数値について


疲労物質と言えば乳酸が真っ先に思い浮かぶと思います。しかし、最近では他の疲労物質があると研究されているそうです。
 
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FR発生で効果的な回復を期待

FRとは、Fatigue Recover Factorの略で、疲労回復因子です。あえてカタカナで書くと、ファティーグ リカバー ファクターとなります。

fatigueの意味
疲労でした。

因子の意味は?
要素、要因であったり、生物学的には物質も因子と呼ぶみたいですね。

それに対して、FFは、Fatigue Factorの略で、疲労因子で疲労の原因と考えられるものです。

研究によると、副交感神経優位時にFRは発生するとのことです。クーリングダウン後や就寝後にしっかり伸ばす静的ストレッチをすることで、副交感神経が優位になることは以前記事で紹介しました。

ストレッチの記事を詳しく見る。

また、イミダゾールジペプチドというアミノ酸の一種を摂取するとFRの産生量が多くなるそうです。鶏の胸肉、牛肉、豚肉、マグロ等に含んでいますが、手軽に摂取できるサプリが有効です。早速購入して毎日飲んでいます。

FRを増やすイミダゾールジペプチド

FFとFRは、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授が発見しました。

そちらの詳しい研究データがネット上に無いか探しましたが、具体的にランニングに参考にできそうなものは見つけられませんでした。
 
 

NHKで放送された内容も参考にしてダウンに必要な、適切な時間を考える。

1時間や1時間半のジョギング後、休憩をすることでFRの量が増えるという内容が放送されたらしいです。私は放送を観てませんが、、。

しかし、純粋なダウンと、FRを増やすためのジョギングは目的が違うのかなと私は考えています。あくまでも、私の意見です。私は研究者でも評論家でもありません。いちアスリートとしての経験からの意見です。

しかも、テレビで紹介しているジョギングの質がよくわかりません。心拍数で運動強度を管理したものなのか、血中乳酸濃度、呼気中の二酸化炭素濃度などを測定して運動強度を決めたジョギングなのか?おそらく、主観的なゆっくりでのジョギングだと思います。だから、あてになりません。

クーリングダウンに必要な時間

LSDの効果とデメリット

 
 

乳酸は疲労物質では無いという意見に対して

乳酸は疲労物質では無くエネルギー源だ書かれているブログをよく目にします。それも分かりますが、やはり筋肉の収縮を妨げているのは乳酸だと今は思いますし、乳酸をエネルギーとして利用するためには酸素供給と時間が必要です。

筋グリコーゲンを解糖するためには酸素が必要です。しかし、酸素供給が間に合わなくても解糖する、無酸素運動の話を以前紹介しました。

エネルギー供給系の説明

その時に筋収縮しにくくなるのは乳酸が原因だと考えられていましたが、違うという意見がFF、ファティーグ ファクターです。疲労因子のことです。

筋肉に乳酸を注射して、乳酸濃度を高めても筋収縮には影響が無かったという研究をネットで見つけました。じゃあ何が筋収縮を妨げているのか?それがFFだと言うのです。
 
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乳酸は疲労物質という表現は間違い

乳酸は疲労物質ではなく解糖エネルギー産生の副産物です。他にも二酸化炭素もあります。二酸化炭素は呼気から排出されます。乳酸は酸素供給により利用されるまでは筋肉の収縮を妨げるものとして存在し続けると考えられます。

現実的に、高強度なトレーニング中やレースで走っている最中に、乳酸が血中に浸透して肝臓に戻りグルコースに再合成されるにはとても時間がかかります。高強度運動による乳酸の産生によって運動が妨げられている方が影響大きいと思います。だから、乳酸が高強度な運動を阻害する=疲労物質と思われています。

捉え方次第で、低強度な運動ではエネルギー源として再利用される乳酸ですが、高強度な運動時には筋肉の収縮を妨げている原因としか思われていません。その時は疲労物質として捉えても良いと私は考えています。専門家の見解はわかりません。

今はこう考えていますが、今後新しい研究結果を見て勉強して、自分なりの理解をしたいと思います。
 
 

乳酸の説明とその他の疲労物質リン酸

東京大学の八田教授の研究で、乳酸を取り上げている興味深い研究があります。twitterのDMで教えてもらいました。
八田教授の研究室
 
 

血液検査で分かる疲労度合いクレアチンキナーゼ

確かに、病院などで血液検査をした時に、身体のダメージを現す数値のひとつに、CKというものがあります。クレアチンキナーゼです。

激しい運動で骨格筋から血中に溶け出すので、この数値が高いと【疲れている】と言えます。

正常範囲は、男性55〜210、女性44〜166
単位はIU/L(国際単位)

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FRを発生させるための具体的な方法

FRの発生に必要なことは、自律神経を副交感神経優位にすることだそうです。

副交感神経が優位になる時は以下の通りです。

睡眠中
短時間の昼寝中
起きていても休息中
食事中、消化吸収中
適温のお風呂に入っている時とその後
(適温は入って個人の主観によるもの。)
強めのマッサージを受けている時とその後
強めのストレッチをしている時とその後

走っている時=交感神経優位になりますので、長いダウンjogがFR発生の条件とは言えません。しかし、その後にしっかりと休息することで、その時にFRが発生することになるので、そこまで含めて説明してもらえると納得します。

先にも説明しましたが、長いダウンjogではそのjog自体は、効果的な有酸素運動レベルよりも低いのでトレーニング効果があまり期待できないものです。

ここまでしっかり理解して、ダウンjogの長さを考えて決めるべきです。FRを知っても私は長くしません。

理由は、その後に副交感神経優位になる時がたくさんあるからです。ダウンで1時間走るなら、私は1時間多く寝たいです。睡眠不足気味なので。
 
 

まとめ

近年色々な疲労の要素が取りざたされていますが、やるべきことはシンプルに考えた方が良いと思います。

適度なダウンに、適切なタイミングでの栄養補給、セフルケア、きちんと睡眠時間を確保することです。

FRについては、これから実験データを見つけて勉強したいと思います。

今回、乳酸やFR、FFについて調べようと思えたのは、twitterからのDMがきっかけでした。スポーツ科学分野は情報技術ほどの革新的な進歩や変化は無いにしろ、新しい発見で考え方が少しずつ変わっているようです。

疲れで乳酸溜まってるわ〜、という発言自体が間違いになっているような、なっていないようなそんな時期だと感じています。

最近は、ブログ記事も手軽に誰でも書けるので、同じ文章のコピペがいくつものサイト、ブログで目にすることがあります。少し手を加えていても、元ネタのコピペがすぐわかります。

そういうブログはあまり見ないようにしていますが、あながち間違っている訳でも無さそうです。

結局、最後に判断するのは自分です。勉強もコツコツと継続しなくてはいけないと、再認識した記事でした。

参考資料等

東京慈恵会医大 教授 近藤一博 氏

東京大学 教授 八田 秀雄 氏

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