朝練習について、学生と社会人の考え方

朝練で何すれば良いですか?
とよく質問されます。

学生と社会人で朝練習をする目的がちがいます。

学生→補足的な練習、部活がメイン練習
社会人→メイン練習、夜は残業で時間が取れないかもしれない。

それぞれの生活スタイルによってやるべき練習内容、目的が異なります。究極には、学生社会人問わず、一人ひとりで自由に使える時間(量)が違いますし、使える時間帯も違います。

学生は、ある程度の時間が確保できるものとして提案します。ある程度の時間とは、部活動の時間です。

社会人は、基本的にフルタイムで働いており、残業もあるものとして提案します。学生は、テスト期間中の部活停止中などで考えても良いでしょう。

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学生向けの提案

基本的に、朝練はいらないと思います。

ただし、長距離が強い学校で監督が決めた年間メニューの一部分として、計画されている朝練習は話が別です。おそらくそういう強豪校は、月間走行距離は非常に多いと思いますので、朝練と午後のメイン練習で分割しているものと考えられます。

他の場合で朝練をする場合は、しっかりと年間計画を立てて、目的を明確にしないと単なる自己満足練習になります。

自分は早起きして走ったんだ!と。

きちんとした計画の中で、回復のためのケアもしっかり考えていることを前提で提案します。

 

計画的な朝練習の一例

持久力タイプ、中間タイプ
jog6km前後+流し100m×5前後(100jogつなぎ)

瞬発力タイプ、中間タイプ
jog5km前後+流し100m×10前後(100jogまたは歩きつなぎ)

設定する心拍数は60%〜70%
学生なら最大心拍数200回くらいの人が多いので、それで計算すると、
120〜140回です。
走った直後の脈を15秒数えて30〜35回です。学生は心拍計を使っていないでしょうから目安にしてください。

あくまでも、午後の部活動がメイン練習ですから、朝は持久力を効率的に鍛える範囲のjogで済ませます。ペース走やインターバルは必要ありません。どんな時でもコツコツと続けられる練習であることも大切です。

jogと流しのつなぎも含めて7km前後走ることになります。月換算すると、30日中の平日は22日前後ありますので、7×22=154kmです。

部活動は、毎週日曜を完全休養として月4か5日休み。平日+土曜日で26日前後です。部活動中に10〜15kmは走ると思います。26×(10〜15)=260〜390kmです。
だいたい300kmにはなるでしょう。

朝練習154km+部活動300km=454kmです。

レベルによっては走り過ぎになります。
私の経験では、月間450kmなら長距離専門の教え子は5000m15’00〜20では走っています。

自分にとって、朝練習は本当に必要なのかよく考えてください。大半の人は必要ないと思います。

やるならば内容を吟味して、自分にとって本当に必要なことをピンポイントでやるべきです。ただ早起きしてjogしただけで強くなると言う妄信的な考えは捨ててください。

年間を通した大きな計画の中で考えられたものではない朝練習は、早起きして走ったという自己満足と根性練習のようなものです。

私は、5000m15’00くらいの選手には、ベースとなる持久力を広げるために距離を追加する意味で朝練習やってもいいかな?と言っています。レベルが上がるほどjogのペースも速くなるので、走る距離が伸びても練習にかかる時間はあまり変わりません。実際部活動の時間内に20kmは楽に走れる時間的余裕はあります。

5000m15’00レベルの選手は、心拍70%のjogは4’00ペースくらいです。基本jog20kmは80’で終わります。だから、このレベルでも朝練習でわざわざ時間をとる必要が無いと考えています。

5000m17’や18’台の選手は朝練習は必要無いと考えています。距離を走り過ぎることになって、膝の痛み等のケガをするリスクが増えますし、もしケガをして練習を中断したら間違いなくレベルダウンします。

5000m16’台の選手には、月間走行距離を意識して、走り過ぎにならないように全体を見てから、部分である1日のメニューを調節して朝練習をするように伝えます。16’台になると15’台を意識して練習に対する意気込みも強くなります。そして走り過ぎてパフォーマンスを逆に落とす人もいます。

走力の低い選手ほど、部活動中の練習に集中した方が賢明です。距離を走り込める耐性も備わっていないと思います。

月300kmがひとつの目安で、この範囲内でスピードを上げて行くことができればタイムは伸びてくると思います。

部活動の練習メニューは、先生が立てるかブロック長が立てるかわかりませんが、その与えられたメニューの中で、自分で目的をしっかり考えてがんばれば良いと思います。

私自身は、社会人になってから月240kmくらいで真夏の5000mで15’40くらいで走ったこともあります。その当時は、長距離のための練習は一切せず、マイルと800mの練習をしていました。jogは回復の日だけです。走行距離を伸ばす目的のjogはしていません。朝練習も一切無しです。高強度なスピード練習の反復と、週2〜3回のATペース走さえできていれば、そこそこ走れるもんだなと実感しました。

一方、他の年に長距離の記録を伸ばしたくて冬に月間600kmを3ヶ月走ったこともあります。その時も朝練習は無しです。一部練で20km走っていました。練習時間は90分くらいです。その時で5000m15’22″のベストが出ましたが、練習量に比べたら遅いです。私は、BMIが22で筋肉質な体型な上に長距離が苦手な中間タイプなので、長距離に適性はありません。

学生向けの朝練習アドバイスの最後に繰り返しますが、自分にとって朝練習は本当に必要なのかよく考えてください。

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社会人向けの提案

1 朝練習をメイン練習に充てる場合

個人に合ったメニュー表を参考にして、自分の生活スタイルに合わせて練習メニューを組み立ててください。

仕事の休日にポイント練習をすることになるでしょう。勤務日はつなぎのjogと流しが中心になると思います。

早朝に高強度の練習メニューは厳しいものです。仕事にも差し支えます。ビルドアップや速めのjogで、心拍60〜80%くらいに抑えておいた方が良いと思います。朝に慣れていて問題無い人は、その限りではありません。

朝は、確実に時間が確保できる時間帯ですので、社会人アスリートは朝練習をメインの練習時間にしているひとは多いと思います。

2 朝練習をつなぎの練習に充てる場合

つなぎの練習とは、とりあえずjogと流しくらいはやっといて最低限の体力維持をするものです。

就業後にまとまった時間が取れる場合は夜練が良いでしょう。その方が身体は動きやすいです。

土日が仕事休みの人は、平日水曜日あたりにポイント練習を1日入れると全体のバランスが整います。

一週間全体の流れを見て、朝練習が必要かどうかを決定してください。

私なら、こうします。

水曜日のポイント練習は身体がよく動く夜に実施。水曜朝練習無し。

その他の平日は朝練習にjog10kmを心拍60〜65%で実施。夜練は残業で無し。

体調をみて平日のどこかで1日完全休養を入れるかどうか考える。飲み会の日は朝練習を必ずする。

土曜日は、クラブチームの練習会に参加。朝練習無し。

日曜日は、朝練習で回復jog10km心拍60%で済ませて、1日家族サービスする。

こんな感じです。
社会人は、業種業界が違うと勤務形態が全然違うので、参考にならない人もいると思います。三交代勤務、二交代勤務、会社員、公務員、自営業、在宅勤務、様々です。

時間が確保できる時にポイント練習をバランス良く配分して、他の日を上手くつなぐという一週間の考え方として参考にしていただければ幸いです。

 

まとめ

学生の陸上競技部員、社会人アスリートや市民ランナー、色々な人達が走ることを楽しんでいます。忙しい人も時間に余裕がある人も、大会のスタートラインに立ったら関係ありません。

速い人が勝つ、とてもシンプルです。

速い人は自分に合った練習を考えてしています。嫌々走ったり、誰かにやらされる練習ではありません。また、義務感で走っている訳でもありません。

朝練習をしなくては、という義務感だけで走るのは意味のないことです。

自分にとって朝練習は本当に必要か考えて、意味のある朝練習をしましょう!

社会人の持久系アスリートは、生活の中で安定した時間が確保できる朝を上手く活用しない方法はありません。

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