インターバルのつなぎの距離と時間の決め方

インターバルトレーニングとは?

インターバルトレーニングとは、レースペース前後で走るスピードの区間と、ジョギングでつなぐ区間を何本か繰り返すトレーニングです。または、それを数セット行う場合もあります。

3000mのレースペース以上のペースなら最大酸素摂取量の向上が期待できます。理由は、最大酸素摂取量ペースは11分間以上続かないという実験結果からです。

ちなみに、私の走れていた時で、最大酸素摂取量ペースは3’02″でした。距離だと3500mくらい走ることになります。

簡単に言うなら、3000m11’00の選手は3’40″が最大酸素摂取量ペースと考えることができます。あくまでも目安ですが。

正確に知るためには、設備の整った施設で測定する必要がありますが、そこまてしてその数値を知る必要もありません。目安で知っておけばよい程度です。

インターバルトレーニングでは、jogのつなぎ区間も高めの心拍数を維持することで、有酸素運動を長く続けることを目的のひとつとしています。疾走区間では心拍数は90%を超えます。つなぎの回復区間では、基本的に心拍数70%以上をキープするように考えています。

これは、決まりはありませんがつなぎでさらに低い心拍数まで落とせば、トレーニング自体は楽になります。レベルに応じてつなぎのスピードは調整可能です。

インターバルトレーニングで、心拍計をつけて心拍数を確認する必要はあまりありません。トラックでのインターバルトレーニングは、心拍数よりもレースペースを基準とした設定タイムを守ることが大切です。心拍数を確認しておくことは良いことです。

坂道などの野外でインターバルを行う際は、トラックでのインターバルで計測した心拍数を把握していれば、それと比較することが可能になります。同程度まで上がっているかどうか確認することができます。つなぎでどれだけ低い心拍数まで落ちているかも分かりす。練習の参考にしてください。

【参考】心拍数管理で練習ペースを決定する方法

 
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インターバルよりも速く、休みをしっかり取るレペティションは、初心者におすすめ

インターバルに対して、完全休養を挟んで全力近く〜全力で走るトレーニングがレペティションです。

初心者は、インターバルよりもレペティションの方が効果的です。理由は、初心者はレースペースが定まっていないこと(伸び盛りだから)、また、ペース感覚が未熟で設定通り走るのが難しいからです。
 
 

インターバルの決まりとは?

インターバルの疾走区間を走るスピードには決まりはありません。しかし、レースペースやその前後で行うのが一般的です。その場合、レースをイメージしながら走れるという利点があります。

また、レースペースを無視した練習でも構いません。工夫次第で様々な練習ができます。坂道を使い、登りで負荷をかけて、下りで回復する練習もあります。

逆に、緩い下り坂を疾走し、登りを戻りながら回復するパターンもあります。この場合は、疾走スピードの向上を狙うトレーニングになります。

坂道を使う場合は、走った距離を戻ることになります。ジョギングのスピードと疾走区間のスピードでトレーニング全体の負荷を調整することになります。

今回は、主に陸上競技場、トラックで行う場合のインターバルトレーニングについて説明します。
 
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疾走区間の距離とスピードの決め方

疾走区間(距離)の設定タイムをRunning Time=RTとします。つなぎのタイムは、1/2RT、1RT、2RT、3RTで考えると、実力に応じてつなぎのタイムを調整することができ、わかりやすいです。練習日誌にも書きやすいです。

例えば、200mの設定が30″0の場合は、RT=30″となります。

1/2RT=15″
1RT=30″
2RT=60″
3RT=90″
となります。

疾走区間(距離)の設定が200mで800mレースペースの場合は、つなぎは3〜2RTです。

疾走区間(距離)の設定が200mで1500mレースペースの場合は、つなぎは1〜2RTです。

設定ペースが遅くなればつなぎは速くする必要があります。つなぎが長過ぎると、心拍数を高いまま維持できないためです。

疾走区間が300m〜400mで、中距離レースペースの場合は、つなぎは1RTです。長距離レースペースなら1/2RTでよいです。

疾走区間の設定が、1000m〜2000mで長い距離のレースペースの場合は、つなぎは短めの1/2RTでよいでしょう。
 
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具体的なインターバルのトレーニングメニュー

【狙っているレース距離と記録から算出する方法】

800m2’00″切りを狙ったインターバル

200m×5本×2set
設定29″0〜28″5=RT(Running Time)
つなぎjog200m(3RT=約90″)
set間jog600m(9RT=4’30”)
または、5〜10’rest
レースペースより速いリズムを体得する。実力より速いスピードなのでつなぎは長めにして、しっかり走れるようにする。

200m×5本×2set
設定29″台=RT(Running Time)
つなぎjog200m(2RT=約60″)
set間10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離1000m
2setで2000m
狙うレースペースを反復してスピード感をつかむ。つなぎの時間を短くする。

1500m4’00″00を狙ったインターバル
300m×5本×2set
設定48″0レースペース(RT=48″)
つなぎjog100m(1RT=約50″)
set間jog700m(1RTと同じペースで→7RT=350″=5’50”)
または10’rest
2set目の4、5本目はスパート練習
1setの総距離を1500mにしている。
3setで3000m

200m×10
設定32″0レースペース(RT=32″)
つなぎjog100m(1RT)
ラスト2本スパート練習
総距離2000m

5000m16’00″(3’12ペース)を狙ったインターバル
1000m×5〜6
設定3’10〜12(RT)
つなぎjog200m(1/2RT=約1’35”)
または、jog400m(1RT=約3’10”)
ラスト1本はスパート練習

5000m16’00″を狙ったインターバル
2000m×3
設定6’20〜24(RT)
つなぎjog400m(1/2RT=約3’10)
または、jog800m(1RT=約6’20)
ラスト1本は後半スパート練習
 
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自分なりにインターバルをアレンジ

自分の専門種目に合った、自分の持ち味を伸ばせるインターバル、自分の苦手を補うインターバルの2通りを考えてみてください。

持久力強化なら長めでつなぎ短め、スピードを磨くならレースペースより速めでつなぎは長めになります。
 
 

まとめ

インターバルトレーニングは、中長距離種目にとって実戦的な練習になります。終盤を全力近くまでペースアップすることで最大酸素摂取量ペースを超え、溜まる乳酸に耐えながらスピードを上げるラストスパートを再現することもできます。効果的なトレーニングです。

しかし、インターバルを行う前にはしっかりとした身体の基礎ができていないとあまり意味がありません。定期的に継続できない、単発の練習では効果は薄いです。

建物で例えると、jogでの地盤•基礎づくり、ペース走での土台づくりが大切です。トレーニングで走る距離の大半は、このjogとペース走です。

インターバルは、柱に当たります。高い柱を建てて固定するには基礎と土台、地盤が絶対に必要です。

基礎があまり無い状態でインターバルをすると一時的に効果はありますが、長続きしません。付け焼き刃です。

週に1回はスピード練習を取り入れながら、ベース走を週に1、2回、他はjogをきちんとする必要があります。

トレーニング全体のバランスはとても大切です。“トレーニングの5原則の、全面性の原則です。

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