全中標準記録男子800m2’01″00突破への道

800m2’01″00を突破するために、必要な他の種目の実力は?

一概には言えません。タイムに幅があります。これからそれを説明します。
個人の持ち味があって、得意な距離や能力があります。陸上競技は、その一番得意な能力を専門種目にしていると言えるでしょう。

それでは次に、得意分野について考えてみます。

瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人

言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。

短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。

例えるなら、方位磁石、コンパスの方位です。北、北北西、北西、西北西、西等、少しずつ方向が違います。度であれば360度もあります。

自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。

簡単に説明するために3タイプで話を進めます。

 
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録

タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ800m2’01″00の隣の記録を以下に抜き出しました。

短距離タイプ
400m52″前半
1500m4’26”
3000m9’52”

中距離タイプ
400m53″前半
1500m4’14”
3000m9’22”

長距離タイプ
400m53″中盤
1500m3’59”
3000m8’47”

長距離タイプの選手であれば、おそらく1500mか3000m、またはその両種目に出ると考えられます。

ですので、800mで標準を切ろうと考える選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
 
 

400m52″前半〜53″前半が必要なスピード

100mあたり13″0〜13″3を維持しなければならないスピードです。

この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
100mを反復する基礎的なスピードトレーニング

たまに400mベスト54〜55″で2’00切る選手がいますが、それはおそらく400mで全力を出し切れていません。スピードの出し方がわからない選手もいます。特に長距離が得意なタイプです。

また、400mを走る機会もあまり無くて本当のベストがわからない場合です。記録を伸ばすためには自分のスピードを出し切れることは大切ですので、長距離タイプの選手でも練習する価値はあります。

その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は26″0〜26″6
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート

仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定13″0〜13″3ペース=39″0〜39″9
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
 
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800m2’01″00を切るための練習

インターバル200m×5本×2set
設定30″2
つなぎjog200m90″
set間10’restまたはjog600m4’30”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等

インターバル300m×3本×2set
設定45″6
つなぎjog100m45″
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。

切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m31″0+ラスト100m14″5
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。ラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。

レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。

セット走(600m+300m)×2set
設定1’30″0、jog200m90″、31″+14″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。

レペティション600m+400m+300m
設定1’30″、58″、40″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
 
 

1500m4’14″〜4’26″が必要なスピード持久力

目指すペースはこれです。
200m34″0〜35″4
300m51″0〜53″1
400m68″0〜70″8
1000m2’50″〜2’57”

練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム51″0〜53″1
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ51〜53″)
set間10’restまたはjog700m約6′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標

レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース2’50″〜2’57”
②600mは800mのペース1’30″0目標
③300mは全力、400mのペース39″0〜39″9目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
 
 

3000m9’22″〜9’52″が必要な持久力

ペースは
400m74″9〜78″9
1000m3’07〜3’17

インターバル400m×10本
設定74″9〜78″9
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍約2’30″〜2’40”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。
バランス良くトレーニングしたいと考えて、もしやるとすればこの様なメニューになるという参考にしてください。

レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’00〜3’10スパート無し
②3’00〜3’10スパート無し
③2’55〜3’05スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。

この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
 
 

一週間全体のメニュー

練習メニュー検索で、現在の3000mのタイムを基準にして選択してください。

基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mを基準にします。

jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。

自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。

無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。

練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。

怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。

しやすい怪我と対処

 


 

まとめ

一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。

練習では、インターバルやレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の疲れ具合を感じておきます。

レースを想定した走るイメージトレーニング

レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。

レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。

それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。

予選会一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。

一人でも多くの選手が、全国のスタートラインに立てるように、また自己ベストを更新できることを願っています。

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【フルマラソン以上やトライアスロンを目指す人向け】30km以上のLSDとエネルギー補給のトレーニング


LSDの効果とデメリットは、関連記事で紹介していますが、逆におすすめするケースがあります。中高生には絶対におすすめしませんが、超長距離をメインで活動する大人アスリートには時として必要な練習になります。
 
 

食事と自律神経の働き

通常は、運動中は交感神経が活発になり、消化吸収系の内蔵は機能しにくい状態です。だから、レース3時間前には食事を済ませるべきです。

日常で、ご飯を食べて胃の内容物を消化する時は、副交感神経が優位になります。副交感神経は休息時や睡眠時に優位になり、生命維持のために必要な機能の働きに関わります。

だから、昼ごはんを食べた後の授業中や、昼食後の運転中は眠くなりやすいのはその為です。

しかしながら、フルマラソンより長い距離の大会では、エネルギーが足りなくなるので、人間の自律神経の機能に逆らって、栄養を消化吸収しながら走るという厳しい行動を強いられます。慣れない人は腹痛を起こすでしょう。

腹痛を起こしにくいように、専用のエネルギージェル等はほとんど消化された状態になっており、ほとんど消化の手間をかけずに短時間に小腸から吸収されるようになっています。行動中でも摂取しやすいように粘度の高いドロドロな液状の商品が多いです。

他の自律神経の働きは、ストレッチやマッサージでも関係しています。
ストレッチと自律神経の働き
 
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身体の仕組みを理解した上での補給トレーニングLSD

このように、フルマラソンよりも長い超長距離の競技は、身体の仕組みもしっかり頭に入っていないと走り切れない過酷な競技です。それを理解した上で、補給を伴い消化吸収のテストを兼ねたLSDであれば有効だと考えます。

しかし、中学生や高校生、大学生、社会人で陸上競技のトラックレースに出場する選手は、LSDはあまりやらない方が賢明です。私はおすすめしません。

ハーフマラソンまでは体内のエネルギーで走り切れます。フルマラソンの30〜35kmで体内のエネルギーが切れる計算です。

あくまでも私の考えであり、補給するための基準を設けるための試算ですので、専門家が見ると違う数字が出てくるかもしれません。シビアに知りたいのであれば、専門の施設や企業に依頼して測定すれば、その数値は得られると思います。
 
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トライアスロンに向けたLSD

トライアスロンの場合は、ランでLSDをしなければならない訳ではありません。バイクを活用しましょう!アイアンマンに出る場合はラン単独でも補給LSDをすべきです。

ハーフアイアンマンまでなら、バイク60km+ラン10km等、合計時間が2時間半を超えるように距離を設定すれば、同じ効果が得られます。

私は、夏場にバイク100km(心拍70〜75%)+ラン5km(4’10〜20″)など、レースペースに近い強度で行っています。これは、LSDの心拍を超えた次の段階の練習ですが。

実験で、調子抜きの水分補給だけで、バイク何キロでエネルギー切れを感じるか試しました。バイク90kmくらいでした。全身に力が入らなくなるので分かります。ポラール等の心拍計ならそこまでの消費カロリー概算も確認できるので、おおまかなイメージは掴めます。

そこでコンビニに入って、食事休憩を挟み、練習を再開したことがあります。その場合は、コーラで単糖類とカフェイン、あんパンで単糖類と多糖類を摂りました。その時は腹痛にはなりませんでしたが、固形物は消化しにくくて、腹に残る感じはありました。これも実験です。
 
 

補給トレーニングLSDの次の段階、30km以上のjogでの補給トレーニング

ゆっくりなペースであるLSDで補給しながら走れたら、次は実戦のペースに近づくjogにペースアップします。もし、消化不良で腹痛や体調不良があった場合は、補給の量やタイミング、または種類を変えて再度やってみると良いでしょう。

一度に摂取する量が多いと上手く行かない場合があります。水分も併せて摂ることで吸収しやすいと思います。

最終的には、目指すレースペースで補給しながら走る練習が必要だと考えます。
 
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まとめ

30km未満の距離ならエネルギーは無補給で走れると思います。しかし、発汗によるミネラルバランスの崩れが原因で力が入らなくなったり、体調を崩すことがあります。

知識が足らない状態で無謀な挑戦はせずに、しっかりと必要な知識を学んでそれを試しながら距離を延ばしましょう。

私は、現在はトライアスロンを主にアスリート活動を楽しんでおり、総距離100km超え、総時間5時間半くらいの大会をメインに考えて取り組んでいます。

計画的な補給は必須であり、その為の準備もかなり必要になってきます。

初めてのこの距離では失敗しました。水分を摂り過ぎて腹痛になりました。エネルギー切れにはなりませんでしたが、相当のタイムロスをしました。

補給を伴う競技では知識は当然のことながら、経験が最も大切だと感じました。補給適正には個人差があり、自分に合った補給食を探すことも大事です。

最近では、それも含めてトライアスロンだと考えています。

陸上競技であれば、予選と決勝の間をどうやって過ごすか、何をどのタイミングで補給するか、昼寝はいつ何分するか、それが決勝でのパフォーマンスに大きく影響します。

最初は、先生や先輩たちに聞いたことをやると思いますが、自分でも根拠となる医科学的知識を調べて、自分なりのアレンジを加えることが大切だと思います。

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レース中の中だるみを上手にしてタイムを上げる方法

レース中の中だるみの原因

中長距離のどの距離でも中だるみは起きる可能性があります。

考えられる原因
1 速すぎる入り、無謀な突っ込み
(1)ペース感覚が未熟
誰かについて行くだけのレース展開は運任せと同じです。自分でもペースを刻めるように普段の練習時もペース感覚を養いましょう。

(2)自分の実力を過大評価
実力と目標が伴っていない場合です。前向きな強い気持ちはとても大切ですが、自分の力を適切に評価しないとオーバーペースに陥ります。

2 気持ちのコントロール不足
キツくなった時に弱気になってしまう場合です。目の前にちょうど良い選手がいればなんとか耐えられても、自分一人でペースを刻めない人が陥りやすいです。練習時、集団の場合と一人の場合で課題を作って、単独走でもある程度のペースを維持できるように練習することが大切です。

3 単なる練習不足
トレーニングが不十分な状態ではベストを出した時と同じペースで前半戦走ったとしても後半は持ちません。

 
 

レース中の中だるみは悪いことでは無い

実力を適正評価して無謀な入りをしないことが大切です。中だるみは決して悪いことではありません。極端に落ちてそのままズルズルと落ちて行くのは良くありませんが。一旦ペースが少し落ちるけどラストスパートでしっかり切り替えて、最後まで出し切ることが出来ればタイムは上がる可能性もあります。

その為にも自分のレース展開を想定しておくことが大切です。目標タイムと平均ペースを考えて、それを各距離でペース配分を振り分けてみてください。

そして、それをイメージトレーニングで頭の中で反復しておきます。可能な限り、動的イメージトレーニングでインターバル等の練習で試してください。

(3000m対策)
1000m×3、2000m+2000m

(5000m対策)
1000m×5、1000m+2000m+2000m

静的•動的イメージトレーニングを詳しく見る。

 
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予定のペースを設定する

速い場合、適度な場合、遅い場合
3通りの想定をしておきます。後はタイムの幅はありますが、考え方はどれかに当てはまります。

それでは、5000m目標20’00″、平均ペース4’00″の場合で説明します。

【入りが速い場合】
3’45-4’00-4’07-4’08-4’00(20’00”)
3’45-4’00-4’10-4’10-3’55(20’00”)

【適度な場合】
3’55-4’00-4’02-4’03-4’00(20’00”)
3’55-4’00-4’04-4’06-3’55(20’00”)

【入りが遅い場合】
4’05-4’00-4’00-4’00-3’55(20’00”)
4’10-4’05-4’00-3’55-3’50(20’00”)
 
 

【入りが速い場合】
3’45-4’00-4’07-4’08-4’00(20’00”)
3’45-4’00-4’10-4’10-3’55(20’00”)
予定よりも突っ込んでしまった場合です。ここで焦らずに、後半の貯金が出来たと考えましょう。速かった分、後半にキツイ場面が出てきます。

入り1000mで10秒速かった時、突っ込んだ10秒を落ちた区間に振り分けるつもりで、リズミカルにピッチを維持してペースダウンを最小限に抑えます。

5000mなら2000m以降は元々の設定ペースに戻します。ここで最初に速かった10秒落とすと自分で揺さぶりをかける結果となり、ペースがめちゃくちゃになる可能性があります。

3000m以降は落ちて来たら、一時的に脚を休めるつもりで。気持ちは絶対に切らさずに。抜かれたら上手くその人の流れに乗りましょう。離されても一気に離れずにじわじわと少しずつ離される感じです。ついさっきまで一緒に走っていたのだから、その人もキツいはずです。

ラスト1000mで思い切って動作を切り替えてください。スパートして最後まで力を出し切ります。ラスト100mタレても構わないので出し切ってください。
 
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【適度な場合】
3’55-4’00-4’02-4’03-4’00(20’00”)
3’55-4’00-4’04-4’06-3’55(20’00”)
入り1000mは筋肉中のクレアチンリン酸をエネルギー源とする為、出だしは呼吸の苦しさは一切無く身体が軽いです。入りは平均より5秒速くても問題ありません。

中長距離走のエネルギー供給系の説明を詳しく見る。

最初に貯金が5秒できるので、それを中だるみに使っても良いと考えます。

2000〜4000mで少し落ちても大丈夫です。ピッチを維持して脚は無理せずに、ラストに備えます。ここで貯金以上に5秒余計に中だるみしても、ラストスパートでその5秒を取り返すつもりで気持ちは切らさないようにします。

4000mのLAPは4’06″、そこから動きを切り替えて10秒ペースアップするつもりでラストスパートです!目の前にバテてスパートできない選手がいれば50mくらい先の選手を目標に抜き続けます。目に見える目標が近づいてくると力も湧いてきます。
 
 

【入りが遅い場合】
4’05-4’00-4’00-4’00-3’55(20’00”)
4’10-4’05-4’00-3’55-3’50(20’00”)
1周目で気づけば良いのですが、1000mで通過タイムを確認するまで気づかなかった場合は、慌てないでください。

そこから一気にスピードアップすると無駄に疲れてしまうので、じわじわとペースを上げてください。余力はあるので苦しさは無いはずです。2000m通過までなペースを戻せるなら戻して、厳しそうなら3000m通過までにじわじわと上げます。

そこから、引き続きペースを上げ続けてください。最初に余力の貯金があるので大丈夫です。ビルドアップします。

前半に突っ込んで落ちてくる選手たちが何人もいるはずです。50m前、100m前の背中もだんだん近づいて来ます。何人か前の選手を目標にして、抜きながら次の目標となる選手を決めて抜き続けます。

ラスト1000mは一気に切り替えてスパートします。こちらは上げ続けているので、その時に周りにいる選手たちより勢いがあります。50m先(4’00″ペースなら50m12″)の選手を抜くつもりでラストスパートしてください。
 
 

上手に中だるみをする方法

レースで少し中だるみしても大丈夫です。そこで気持ちを切らさない事、ラストスパートでもう一回スピードアップすることが出来れば何秒も取り返すことが可能です。

中だるみを上手く最小限に抑えてラストまた上げれば良いのです。その為の方法と考え方を紹介します。

ペースダウンしそうになったら、
(フォーム維持の技術)
走るピッチをそのまま維持ことを意識する。
筋力に任せてストライドを伸ばす事はせずに、逆にストライドを少し縮めることで、筋肉の負担を減らして走るリズムを維持するように考える。
腕振りでリズムを取ることで脚を連動させて動かす。

(メンタルコントロール)
自分がキツくなった時は、周りの選手たちも同じくらいの実力なんだから同様にガマンしていると考える。
絶対に気持ちを切らさない。
足元を見ない、下を向かない。下を向くと蛇行してロスする。
自分のひとり前の選手では無く、何人か前の選手の背中、または直線の終わり、コーナーの出口を見る。
目線は遠くに。
口角を上げて笑顔をつくることで脳を錯覚させる。
笑顔で発生する脳内のホルモンを詳しく見る。

 
 

具体的な中だるみの数字

3cmストライドを短くした場合

例えば、5000mでストライド180cmなら400mで約220歩なので、約6.6mの遅れです。
170cmで235歩→約7.0m遅れ
160cmで250歩→約7.5m遅れ

歩数は分かりやすく説明する為の概算です。当然ですが、個人差があります。
速いスピードで走れる人は歩数は減りますし、遅い人は歩数増えます。
さらに、女子選手は小柄なので歩数が多くなります。

ストライド180cmの場合で3cm短くしたら、
400mLAP80″なら1″3で1000mでは約3″3のペースダウンです。
LAP72″なら1″2で1000mでは約3″0のペースダウンです。

実際は、レース後半のペースダウン時はピッチも落ちやすいです。そのペースダウンを最小限に抑えるために、ピッチを維持する意識をする方が、ストライドを維持するよりも有効です。

練習で試してみてください。
 
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ラストスパート

なかだるみを上手くして、ラストは動きを切り替えてしっかりスパートすることでタイムを戻すことが可能になります。

ラストスパート時の意識の方法

 
 

まとめ

いかがでしたか?

レベルが高くなればなるほどペース感覚も磨かれて、オーバーペースで突っ込む選手は少ないです。限界のスピードとレースペースがだんだん近づいて来ますので。感覚もシビアになり微調整できるようになります。

しかし、初心者やレベルが低い選手ほど、自分が走っているペースをわかっていませんし、ペース感覚も未熟です。ストップウォッチ付きの腕時計をせずに感覚で走ったり、適当に走っている人がよく見られます。

レベルが高くてペース感覚が身についている選手がそれをやるのとは意味が違います。

まずは自分のペースを把握することが大前提です。

そして、自分が目指すべきペース配分を考えておくことも大切です。持ち味のタイプによって得意な展開がありますので、こちらを参考にしてください。

事が起きてから対処するのでは無く、しっかりと練習しておくこと、イメージトレーニングもしておくことが大切です。

毎日の練習でペース感覚は養われます。
ストップウォッチ付きの腕時計でラップタイムやペースを確認することは悪いことではありません。苦手な人は面倒がらずに練習時にラップタイムを確認しましょう。





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クーリングダウンの適切な時間は?

ダウンの目的は?

クーリングダウンは、運動時の交感神経優位の状態から、副交感神経優位の状態へスムーズに切り替えるためのステップです。激しい運動は、心身ともに興奮状態にあるので、それを沈静化させます

ダウンの目的は、筋肉中と血中の乳酸濃度を下げること、心拍数を平時に戻すときにゆるやかに戻していくことだと考えます。

低い運動強度で、乳酸の産生を最小限に抑えて血中乳酸濃度を下げたいので、酸素を身体全体に供給させることで乳酸の利用を促進して、乳酸濃度を下げることです。

また、乳酸濃度を低く抑えるためには、ペースはゆっくりになりますし、心拍数70%を下回るジョギングでは有酸素運動のトレーニングとしては非効率的になります。

だから長時間ダウンjogをしても、非効率的な持久力強化になりますので、長くする意味は無いと考えています。

では、一体どれだくらいの時間が最低限必要になるのでしょうか?
 
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クーリングダウンの時間と血中乳酸濃度の測定実験結果

早稲田大学の学生さんの研究結果を引用させていただきます。
ダウン時間と血中乳酸濃度の推移グラフ

グラフは、スピードスケート全力運動後の血中乳酸濃度と、ダウンにかけた時間推移です。ダウンの方法はジョギングとエアロバイクの2種類です。

グラフを読み取ると、20分後にはどちらの運動も、運動前の血中乳酸濃度に近いレベルまで下がりました。私は、ここでダウン終了しても良いと考えます。

全力運動の場合で20分なので、運動強度が全力より低い時は、血中乳酸濃度も低くなるのでダウンに必要な時間は短くて済むと考えます。

激しい運動ほど、血中乳酸濃度は高まりますし、その強度が低い場合は血中乳酸濃度は低くなります。グラフなら、全力後のダウンをしている何分後かの状態の値になるということです。
 
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全力運動以外のダウン時間は?

運動強度が下がれば、必要な時間は15分、10分、5分、ダウン不要という具合に短くなっていきます。

専門の大学での研究では実験として可能でしょうが、毎回血中乳酸濃度を測定する訳にいきません。一般の現場的には、自分の【感覚】で時間を調整することになります。

具体的には、こんな感じになると思います。
インターバルやレペティション→15分〜10分
ペース走+インターバル、レペ(少なめ)→10〜5分
ペース走+流し→5分
jog→ダウン不要

私が作るメニューでは、ペース走の直後はそのまま1000mのjogをしてからその後休憩に入らせています。血中乳酸濃度を緩やかに下げさせるためです。10分〜15分後に、インターバルやレペを加えたセットの練習が主です。

インターバルかレペの最後の一本後は、インターバルの場合はつなぎと同じjogをさせます。レペの場合は、止まったり座ったりさせずに、スパイクを履いたままゴール後の流れでそのまま歩かせています。200m〜400mです。

練習の合間にもダウンと同じ目的で軽い運動を挟んでいます。これらはメニュー表には明記してありませんが、理由も付けて口頭で指示をしています。自分の練習時もそうしています。

このように、普段の練習では合間にもダウンを挟んでいますので、一番最後のダウン時間は5〜10分で充分だと考えています。
 
 

まとめ

運動強度によって、必要なダウン時間は異なります。ダウンで30〜60分jogする長距離選手を見かけますが、それはダウンではありません。

持久力を高める目的のjogなら心拍70%前後が効率的です。通常、ダウンで走るペースはとても遅いものです。心肺機能を高める効果はほとんど無いと考えても良いでしょう。

きちんと目的と効果、意味を理解して【走る】必要があります。

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タイプ別5000m/3000mのペース配分の考え方


よく耳にするアドバイスは、
『入り1kmを突っ込んで、そのままいけるところまで行って、最後は粘れ!』

本当にこれでよいのでしょうか?
私は、このアドバイスは不十分だと思います。個人の持ち味に合わせたアドバイスがあるはずです。

予選、決勝、記録会等によって作戦は変わりますし、個人の持ち味(運動特性)によって適切なペース配分は違うと考えています。

学生の部活動では、顧問の先生によって、陸上競技経験者、未経験者、経験者であっても中長距離以外の種目が専門の先生もいます。的確なアドバイスをもらえない場合もあるかもしれません。
顧問の先生が陸上未経験者の場合、生徒はどうするべきか?
 
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持ち味に合わせたペース配分のアドバイス①
記録会等で記録を狙う場合の走り方

持久力タイプは、
イーブンペースが基本
入りを少しだけ速めにしてレースの流れに乗って自分に合うペースの集団に入る。
ここで無理をして速く入り過ぎて一つ上の集団に入ると後半で失速する可能性が高くなる。
中盤〜終盤は流れに乗って苦しいことろで少し落ちるけどリズムは崩さずに
ラストスパートでペースを戻す。

中間タイプは、
入り1000mを速めに入りリズムをつくる。
そのリズム(ピッチ)を維持する。
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ラスト1000mは一気に動きを切り替える。自分の得意な距離
強烈なスパートで前の選手をゴールまで抜き続ける。

瞬発力タイプは、
スピードがある瞬発力タイプの人は暴走注意
地面を蹴らない走りで腕振りもコンパクトにする。
自分の目標平均ペースより速めに入る。
そのリズム(ピッチ)を維持することを意識
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ペースが落ち過ぎるようなら腕振りでリズムをとって維持
ラストは自分が最後まで持つと思える距離(ラスト600m〜400m)から、短距離的なフォームに切り替えて一気にスパートで盛り返す。
ラストスパート次第で5″〜10″はタイム戻せる。

持ち味に合わせたペース配分のアドバイス②
大会で予選、決勝での着順を争う場合の走り方

持久力タイプは、
ラストスパートの切り替えが苦手
最後の直線勝負に持ち込まれると勝ち目は低くなるので、早めの仕掛けで余裕のある段階で自分が得意な展開に持ち込む。
ロングスパートを仕掛けるか、
前半から速めのペースでレースを展開して後続を振り落としておく。
前半から行く場合は、あらかじめペース設定を考えておき、後半ペースが落ちる区間が出て来るけど、リズムで粘って気持ちは切らさない。イメージトレーニングをしておく。持久力タイプの自分がキツイところでは、他の持ち味の選手はもっとキツイはず。そこで追いついて来るのは難しいので、一人でも逃げ続ける決意が必要。その流れで周りに何人かいれば、集団の力を借りてペース維持を。
そのままズルズルとペースダウンせずに、ラスト1000m過ぎたら行けると判断できるポイントでスパートをする。
この距離のスパートなら、この時点で後ろにいる中間•瞬発力タイプはスパートできる状態では無いし、先手を打って逃げ切る。可能ならラスト200m再度スパートをして全力を最後まで出し切る。

中間タイプは、
ラストの競り合いは強い。
前半〜中盤は前に出ずに、狙った順位の集団の中程で流れに乗って省エネで走る。
ラスト100m等短い距離の着順争いでは瞬発力タイプの人には敵わないので、早めの段階で良い位置に着けておく。
最低でもラスト500mの直線を利用して動き始め、コーナーでは無駄に外を走らず、遅くてもラスト300mでスパートを。
スパート、切り替えはじわじわ上げるのでは無く、一気に切り替える。
じわじわ上げると持久力タイプの人でも食らいつきやすくなる。
逆に、持久力タイプの選手に、ロングスパートをかけられた場合は、意を決してついていくか、ガマンして自分の得意なスパートの距離までリズムを保つ。
ついて行く場合は、長距離タイプに分があるので早い段階で前に出ず、後ろで流れに乗って力まずにそのリズムを盗む。リズム変化に対応。
長距離タイプからすれば、ついて来られることがプレッシャー。ラスト勝負は弱いので。
自分が自信のある距離までついて行ければそこからは予定通りの切り替えで再スパートする。

瞬発力タイプは、
ラスト100m〜150mの競り合いに強い。
一方で、前半からの速い流れや、中盤からのペースアップには対応できない人が多い。持久力が持たない。
レース序盤は狙う順位が見える位置で、ポケットされない身動きできる位置に入る。
レース自体が牽制し合った流れになればなるほど勝機が出て来る。
レース序盤、中盤で自分から余計な仕掛けはせずに、ひっそりと誰にも気づかれないように淡々と省エネだけを考えて身を潜める。
ラスト300mからスパートするタイミングを考えつつ、狙った順位の右後方で待機
スパートする時は一気に動きを切り替えて、後続が反応する前に加速する。

 
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まとめ

大会前や記録会前に、先生や先輩からペース配分のアドバイスをもらうことがあると思います。

自分からアドバイスを頼む場合と、相手が良かれと思って言ってくる場合があります。

どちらにしても、まず自分なりに一度考えることが大切です。

自分の考えと第三者のアドバイスが一致していれば、自信を持って臨めるでしょう。

また、違う場合はどう違うのか?
大体の考え方は同じで細かいペース配分が数秒違うのか、それとも真逆の様なアドバイスなのか。その場合はどちらを採用するのか。

最後に決めるのは自分自身です。

大会や記録会でいきなり試すのは、私はおすすめしません。レースがひとつもったい無いです。

私なら、練習のインターバルやレペティションで、次のレースで走るペース配分をイメージした練習をすることをおすすめします。

走るイメージトレーニングでレースを分割を詳しく見る。

インターバルをただやみくもに本数とタイムをこなすのか、何かをイメージしながら消化するのか、その後の結果は違ってきます。

イメージトレーニング、メンタルトレーニング、インターバル、レペティション
普段の練習が大会での走りににつながります。
 
 

中だるみを上手くする方法

レースで中だるみはつきものと言っても過言ではありません。オーバーペースで入れば確実にそうなります。その時にどう対処するか、どう備えておくかでタイムは変わってきます。

中だるみを上手くする方法を詳しく見る。

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顧問が陸上未経験な部活動、選手(生徒)たちはどうするべきか?

陸上競技部の顧問はプロフェッショナルか?

部活動で陸上競技をしている学生の場合は、顧問の先生からアドバイスをもらう機会が多いと思います。

しかし、顧問の先生は陸上競技出身者でも短距離や跳躍、投擲が専門の場合もあります。中長距離がよくわからない先生がいることも事実です。

実際に陸上競技場で、高校の先生方から中長距離の練習方法を教えてくれと言われることもあります。若い頃は、その学校の生徒達と一緒に走らせてもらったこともあります。

生徒指導のプロフェッショナルに対して、陸上競技経験のあるただのサラリーマン(私)が教えるということが実際にあります。

私は、人材育成や社員研修のプロです。陸上競技のプロコーチではありません。

しかし、人に何かを教えるということは共通していますので、応用が利きます。きっと先生もそうだと思います。
 
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先生たちもわからないこと、苦手なことがある

先生方も、専門外の種目のことは勉強していますし、何人も生徒を見ているので動きの良し悪しを見る目はあります。短距離も長距離も走る動作の本質は同じですから。

ただし、種目に応じた戦術だったり、個人の性格や持ち味に合わせたピンポイントなアドバイス、その選手専用の助言ができるかどうかは別の話です。

迷ったり、分からなかったり、困ったら、一般論を伝えることになります。それが、『最初速めに入って後半粘れ』です。または、『行けることろまでついていけ』もあり得ます。
 
 

顧問の先生方は顧問歴によって独自の指導方法を編み出す

ベテランの先生になると、自分の専門外の種目の方が教え子のレベルが高くなることがあるそうです。基礎から学び直すからです。その専門種目で活躍した他の学校の先生から教えてもらって、そこの学校に自分の生徒を合宿や練習会に送り込んで、先生自身もその練習風景を見ながら、レベルの高い選手の動作と自分の生徒の動作を比較して、それを生徒に伝えたりするそうです。指導方法はその人によって沢山あります。

自分の専門種目は、自分がやっていた先入観があって上手く教えられない場合があるそうです。自分のタイプしかわからないので、自分と違うタイプの選手には、過去にやってきた練習方法が合わない場合があります。そこを柔軟に対応してアレンジできるか、意固地におれは昔これで速くなったんだ!と強制されるかは、その先生の指導能力が問われるところです。
 
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先生たちの経歴

オリンピックに出ていた先生
世界陸上に出ていた先生
元実業団の先生
全中、インターハイ、インカレ、国体に出ていた先生
全国大会には行けなかった先生
県レベルの先生
県大会にも出ていない先生
陸上競技未経験の先生
陸上未経験だけど他の競技で全国クラスの先生
陸上未経験で運動も苦手な先生

みんな先生です。

陸上競技未経験の先生も、先生なりに努力しています。その気持ちを汲んであげることも大切です。

ちなみに私の高校時代、2年までは中距離専門の先生、3年時は未経験で運動苦手な先生でした。
 
 

陸上競技未経験の先生から学んだこと

3年生の時は私にとって転機でした。先輩としての自覚、自分でメニューを組み立てる必要性、中長ブロック長として後輩達のメニューを考えて面倒を見る責任感、部長や他のブロック長と協力して部活動を運営するための協調性、陸上競技を通して沢山のことを勉強するきっかけになりました。特に自己管理することの大切さ、大変さを学びました。1日も欠かさずに記録した練習日誌が自分のコーチになりました。

それまで先生の言いなりだった部活動が、生徒主体の活動に変わりました。顧問はそれを見守ってくれました。

その先生は物理専門で、陸上競技は全く知りませんでした。しかし、大会の引率や大会役員等を一生懸命にやってくれました。専門外の事に、一生懸命取り組むその真摯な姿勢をその先生から学びました。

今では、高校3年時の一年間があった事を本当に感謝しています。

 
 

顧問の転勤とその後

公立高校の先生には必ず転勤があります。強豪校でも、先生が転勤になった翌年から弱くなることが多いです。転勤後2年経過すれば、その先生の教え子もいなくなり全く違う体質の部活動になります。

そして、その先生が転勤して行った先の学校が強くなります。それだけ先生の影響は大きいものです。

しかし、弱い学校や陸上競技未経験の先生が顧問を務める学校でも、時々レベルの高い選手が出てきて活躍します。

そして、一人でもすごい選手がいると周りのレベルも引き上げられます。短距離ならリレーが強くなりますね。スター選手の影響もまた大きいです。

長距離は、駅伝の7人は揃いにくいので厳しいです。しかし、個人のレースでは孤軍奮闘して駅伝強豪校に割って入る選手もいます。

必ずしも、陸上競技経験のある先生が顧問を務める部活動だけ強くなれる訳ではありません。

先生が未経験者でも、生徒自身が自主性を持ってやるべきことをやれば、陸上競技は強くなれます。そのためには強い意志と創意工夫が必要です。
 
 

生徒、選手たちがやるべきこと

先生が未経験なことは変えられない事実です。その事を悔やんで1年〜3年過ごすのは時間の無駄です。

自分自身は変わることができます。

もし、顧問の先生が陸上競技未経験であれば、それはあなた自身が成長するためのとても大きなチャンスが目の前にあると言えます。

すぐに良い結果は出ないかもしれませんが、諦めずに考えて行動してください。陸上競技のことを沢山勉強してください。

最近の中学生、高校生は恵まれています。インターネットで沢山の情報を得ることができます。

それを上手に活用して、正しい情報(知識)を得て部活動に活かしてください。

超回復の原理や栄養の鉄分、交感神経と副交感神経の働き等
走る技術やメニューを立てるだけが勉強ではありません。

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速くなるため、強くなるためにはどうすれば良いですか?


時々この質問を受けることがあります。

非常に抽象的ですが、強くなりたいけど、どうすれば良いのか、何から手をつけたらよいのかわからない、そんな気持ちが伝わって来ます。特に中学生に多いです。

それでは、具体的にどうすべきか整理してみます。

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トレーニングの5原則を守ること。

これは絶対守るべき基本です。これから外れると絶対に競技力は伸びません。
トレーニング5原則を詳しく見る

目標を明確に、具体的に持っていること。
目標に向かってしっかり計画を立てて取り組むこと。

年間計画の立て方を詳しく見る

 

自分に合ったメニューとペース設定でトレーニングすること。

私が作成したものですが、今の自分の持久力(3000か5000mのタイム)と運動特性、専門種目を選択することで最適なメニューを導き出します。
練習メニュー検索

 

練習では本数とペースをこなすだけではなく、しっかりとレースをイメージして走ること。

練習量を消化するためだけの自己満足な練習ではなく、練習の目的を考えてレースのための練習をすることが大切です。走りながらのイメージトレーニングです。
イメージトレーニング(大会で過度に緊張して自分の力を出せない人へのアドバイスを詳しく見る

 

自分に合ったランニングフォームを研究し続けること。

走るフォームには個性が出ます。誰かの真似をそのままできるものではありません。自分の体型、持ち味、専門種目や距離によって理想的なフォームは異なります。
三大ランニングフォームの説明を詳しくみる
 
 

中長距離で疎かにされやすいプライオメトリック(瞬発的な筋力発揮)の練習も少し取り入れること。

長い距離には必要ないと思われがちですが、効率的な動作、無駄の少ないランニングフォームを目指す上では必要な運動です。少し練習に加えるだけで、身体の使い方が上手になりますので、やったことがない人はやってみてください。
プライオメトリックトレーニングの説明
 
 

自分に必要な筋トレや補強運動を考えて行うこと

筋トレや補強運動は、あくまでも【補う】トレーニングです。メイン練習は走ることです。自分に弱い部分や苦手なことがあれば、それを克服することが大切です。レベルアップへの過程で必要なことです。

ランナーに必要な筋トレや補強運動とは?

 
 

自主練習を計画的に行うこと

学生なら部活動が無い時や部活停止中のテスト期間などに自分で考えて練習することが必要になります。

自主練習について

 

規則正しい生活、睡眠時間の確保

生活基盤は大切です。
トレーニング→栄養→休養→回復→トレーニング、このサイクルをひたすら繰り返します。シンプルで地味な繰り返しです。

睡眠と成長ホルモン

 

栄養バランスの良い食事を三食きちんと食べること。運動直後30分以内に補食を摂って回復を促進すること。

特に中長距離ランナーは消費カロリーが大きく、筋肉疲労も大きいです。無理なダイエットは控えましょう。有酸素運動や回復のために必要な酸素の運搬能力はとても大切です。貧血には絶対ならないように気をつけましょう。
持久系アスリートと貧血を詳しく見る

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中長距離ランナーとして適切なBMIと体脂肪率を目指すこと、そして体型維持をすること。

適切なBMIはあくまでも目安で、自分のベスト体重と体脂肪率を知り、それを維持する努力をし続けること。
中長距離ランナーの体重について、を詳しく見る

 

自己管理がしっかりできること。

練習日誌で自分自身を管理することが必須です。ただ練習するだけでは競技力は伸びません。
練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る
 

セルフケア、疲労回復に努めること。

怪我の予防のためにも、毎日のセフルケアは大切です。ストレッチ、マッサージが代表的です。
ストレッチの基礎知識を詳しく見る
 

不慮の怪我や故障をしてしまった時に、その時できる最善を尽くすこと。また、トレーニングに対する怪我のリスクを理解して、怪我の予防に努めること。

ランナーがなりやすい怪我と故障を詳しく見る

故障者のエアロバイクを活用した有酸素トレーニング

 

まとめ

地味な回答ですが、この地味で当たり前のことを何年も継続することが基本になります。質問してくる人は、たぶんこんな答えを期待していないでしょう。

おそらく、こんな練習をこのペースでこれだけこなせば強くなる!とか、そんな練習内容を聞きたいのかな、と推測します。

しかし、それはこれまで紹介してきたことがほとんどクリアできた段階で行う内容になります。

今回紹介したことを、誰かに強制されてやるのではなく、自分で必要性を感じて自発的にやるようになれば内面的な成長も見込めます。

内面的な成長が、トレーニングに対する取り組み方の質を高めます。また、日常生活においても創意工夫できるようになります。

部活や練習の時間だけがトレーニングではなく、生活全体がトレーニングを支えていることが理解できるようになります。

陸上競技やランニングは、シンプルで地味なスポーツです。シンプルだからこそ、努力した分だけ自分に返って来ます。それが陸上競技、ランニングの魅力でもあります。

私は陸上競技を通して非常に多くのことを学びました。走ることを通して出会った人達に感謝していますし、良い影響をたくさん受けました。

監督やコーチがいなくて苦労したことは多かったですし、色々なことを知ったり気づいたりするのに時間もかかりました。

私と同じように、指導者に恵まれずにどうしたら良いのかわからずに悩んでいる選手はたくさんいると思います。

本来、部活動やチームで教えてもらう基礎的なことを今回は紹介しました。

陸上競技、ランニングは一人でも強くなれます!一人で走っていても一生懸命がんばっていれば、自然と同じ志を持った仲間に出逢うものです。

しっかり自分と向き合って、自己最高の自分になれるようにがんばりましょう!!

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静的イメージトレーニングと動的イメージトレーニング


大会で力を発揮できない人へのアドバイスで説明した、自分の行動と考えを書き出したものを利用して、イメージトレーニングを行います。

静的イメージトレーニング

書き出したイメージを頭の中で思い浮かべて、時間の流れに沿ってイメージします。

注意点として、寝る直前にベッドや布団ではやらない方が良いです。興奮して来て、交感神経が優位になって眠りにくくなります。

逆に、夜21:00以降はイメトレをせずに、陸上競技を忘れて自分の好きな趣味の時間にしてください。リラックスも大切です。

また、必要以上に【想像】し過ぎると、逆効果になりかねません。イメージトレーニングと想像は違います。

イメージトレーニングと想像の違いを詳しくみる。

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動的イメージトレーニング

書き出した行動のイメージを実際の行動でやっておきます。普段の練習の時にそのイメージで走ります。

例えば、長距離選手がインターバル1000m×5やるなら、レースを分割して一本ずつレースの最初、2km、3km、4km、ラストとイメージしながら走ってください。

前半突っ込むなら1本目を速めにして、次の2本目は一定ペースとか。ラストは切り替えて全力出すとか。

練習をただ練習としてこなしていては、大会と練習がつながりません。

イメージトレーニングが大切です。

中距離選手も同様に、どのトレーニングでも応用可能です。800m1’59″0目標とします。

400m×3(15’rest)のレペティションなら、
1本目は、800mレースの入り400mをイメージして。ラストスパートはしません。57″0
2本目は、レースの200〜400mをイメージして、当然ラストスパートなし。57″〜58″
3本目は、レース後半イメージで、一周まわってきたところから頭の中はスタート。走りながら500通過、600通過とイメージ、水濠からいっきに切り替えてスパート!56〜57″

こんな感じです。
15分restにすると1本1本しっかり走れるので、レースのタイムよりは良くなりますが、あくまでもイメージはレースをシミュレーションします。

休憩を短くすれば、1本1本の質(タイム)は落ちるのでレースに限りなく近い感じになります。その時は5分で400m歩きでつなげば、そういうトレーニングができます。

400m×5(400m歩きつなぎ5′)レースペース
入り57″、2本目以降は60″〜61″、ラスト60″
このようにやれば、かなりレースに近い感じのキツさになります。

1500m対策なら、インターバル300m×5(jog100m50″)×2(jog700mつなぎ)
目標ペースは4’00″00とします。300m48″0、100m16″0です。

1set目は予選、2set目は決勝

1set目は、淡々と48″0でこなす。一定のリズムで一定ペース。スパート無し。最後の1本目だけ、着順の位置取りで、ラスト100mを一気に切り替えて15″0に上げてみる。

セット間は、jogでゆっくりつなぎながら、次のセットのイメージを確認する。

2set目は、1本目速めに入ったり、遅めに入ったり自分なりに。5本あるうちの最後の2本目は練習効果を高めるためにスピードアップします。これをレース終盤のペースアップとつなげてイメージして、46″0、45″0に上げるようにします。

1500m対策のレペティションなら
1000m+600m(15’rest)
4’00目標なら、2’40″と1’36″〜1’30です。
1000mは実際の1500のスタート地点から。入り1000mをイメージ、スパート無し。
600mはラスト600mをイメージします。15’restの間に休憩とスタート地点の移動をします。900m地点から1200m地点までは一定ペースで、ラスト300mで一気に切り替えてスパートします。

こんな感じです。

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笑顔の力でペースダウンを防ぐ

根性論ではありません。
身体がキツい時に、あえて笑顔を作ることで脳が錯覚します。プラスに作用するホルモンが分泌されます。

こちらの記事にまとめてありますので、参考にしてください。

笑顔の力でペースダウンを防ぐを詳しく見る。

 
 

まとめ

身体能力のレベルアップは絶対必要です。しかし、メンタル面のレベルアップも伴わないと身体能力の全てを発揮することはできません。

練習で強いけど、大会で弱い人は、社会人なら仕事でも同じことをしていると思います。学生のみなさんは、いつかは社会人になります。その時に、陸上競技で培ったものは体力的な強さだけではありません。

現実は、体力よりも目的意識や問題意識の高さ、自分自身をコントロールするメンタルの強さであったり、自己管理する能力が社会人として求められる要素であり、それを兼ね備えている人材が必要とされています。

私は企業で、人事担当者としてリクルーティングにも携わっていたことがあります。

学生時代に運動部で競技に打ち込んでいた人というのは、こういった面が充実している人が多いので、運動部の印象は良いです。しかし、運動部でもさぼったり、大した活動をしていない人は話せばわかるので、全ての運動部が良いとも言えません。

今、学生なら陸上競技を通して多くのことを学ぶことになると思います。

怪我や故障、記録の停滞等、悩むことも多くあると思います。それらを乗り越えた人だけが、自己最高の自分に出会えます。

目標達成に向けてやるべきことを考えてみてください。

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朝練習について、学生と社会人の考え方

朝練で何すれば良いですか?
とよく質問されます。

学生と社会人で朝練習をする目的がちがいます。

学生→補足的な練習、部活がメイン練習
社会人→メイン練習、夜は残業で時間が取れないかもしれない。

それぞれの生活スタイルによってやるべき練習内容、目的が異なります。究極には、学生社会人問わず、一人ひとりで自由に使える時間(量)が違いますし、使える時間帯も違います。

学生は、ある程度の時間が確保できるものとして提案します。ある程度の時間とは、部活動の時間です。

社会人は、基本的にフルタイムで働いており、残業もあるものとして提案します。学生は、テスト期間中の部活停止中などで考えても良いでしょう。

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学生向けの提案

基本的に、朝練はいらないと思います。

ただし、長距離が強い学校で監督が決めた年間メニューの一部分として、計画されている朝練習は話が別です。おそらくそういう強豪校は、月間走行距離は非常に多いと思いますので、朝練と午後のメイン練習で分割しているものと考えられます。

他の場合で朝練をする場合は、しっかりと年間計画を立てて、目的を明確にしないと単なる自己満足練習になります。

自分は早起きして走ったんだ!と。

きちんとした計画の中で、回復のためのケアもしっかり考えていることを前提で提案します。

 

計画的な朝練習の一例

持久力タイプ、中間タイプ
jog6km前後+流し100m×5前後(100jogつなぎ)

瞬発力タイプ、中間タイプ
jog5km前後+流し100m×10前後(100jogまたは歩きつなぎ)

設定する心拍数は60%〜70%
学生なら最大心拍数200回くらいの人が多いので、それで計算すると、
120〜140回です。
走った直後の脈を15秒数えて30〜35回です。学生は心拍計を使っていないでしょうから目安にしてください。

あくまでも、午後の部活動がメイン練習ですから、朝は持久力を効率的に鍛える範囲のjogで済ませます。ペース走やインターバルは必要ありません。どんな時でもコツコツと続けられる練習であることも大切です。

jogと流しのつなぎも含めて7km前後走ることになります。月換算すると、30日中の平日は22日前後ありますので、7×22=154kmです。

部活動は、毎週日曜を完全休養として月4か5日休み。平日+土曜日で26日前後です。部活動中に10〜15kmは走ると思います。26×(10〜15)=260〜390kmです。
だいたい300kmにはなるでしょう。

朝練習154km+部活動300km=454kmです。

レベルによっては走り過ぎになります。
私の経験では、月間450kmなら長距離専門の教え子は5000m15’00〜20では走っています。

自分にとって、朝練習は本当に必要なのかよく考えてください。大半の人は必要ないと思います。

やるならば内容を吟味して、自分にとって本当に必要なことをピンポイントでやるべきです。ただ早起きしてjogしただけで強くなると言う妄信的な考えは捨ててください。

年間を通した大きな計画の中で考えられたものではない朝練習は、早起きして走ったという自己満足と根性練習のようなものです。

私は、5000m15’00くらいの選手には、ベースとなる持久力を広げるために距離を追加する意味で朝練習やってもいいかな?と言っています。レベルが上がるほどjogのペースも速くなるので、走る距離が伸びても練習にかかる時間はあまり変わりません。実際部活動の時間内に20kmは楽に走れる時間的余裕はあります。

5000m15’00レベルの選手は、心拍70%のjogは4’00ペースくらいです。基本jog20kmは80’で終わります。だから、このレベルでも朝練習でわざわざ時間をとる必要が無いと考えています。

5000m17’や18’台の選手は朝練習は必要無いと考えています。距離を走り過ぎることになって、膝の痛み等のケガをするリスクが増えますし、もしケガをして練習を中断したら間違いなくレベルダウンします。

5000m16’台の選手には、月間走行距離を意識して、走り過ぎにならないように全体を見てから、部分である1日のメニューを調節して朝練習をするように伝えます。16’台になると15’台を意識して練習に対する意気込みも強くなります。そして走り過ぎてパフォーマンスを逆に落とす人もいます。

走力の低い選手ほど、部活動中の練習に集中した方が賢明です。距離を走り込める耐性も備わっていないと思います。

月300kmがひとつの目安で、この範囲内でスピードを上げて行くことができればタイムは伸びてくると思います。

部活動の練習メニューは、先生が立てるかブロック長が立てるかわかりませんが、その与えられたメニューの中で、自分で目的をしっかり考えてがんばれば良いと思います。

私自身は、社会人になってから月240kmくらいで真夏の5000mで15’40くらいで走ったこともあります。その当時は、長距離のための練習は一切せず、マイルと800mの練習をしていました。jogは回復の日だけです。走行距離を伸ばす目的のjogはしていません。朝練習も一切無しです。高強度なスピード練習の反復と、週2〜3回のATペース走さえできていれば、そこそこ走れるもんだなと実感しました。

一方、他の年に長距離の記録を伸ばしたくて冬に月間600kmを3ヶ月走ったこともあります。その時も朝練習は無しです。一部練で20km走っていました。練習時間は90分くらいです。その時で5000m15’22″のベストが出ましたが、練習量に比べたら遅いです。私は、BMIが22で筋肉質な体型な上に長距離が苦手な中間タイプなので、長距離に適性はありません。

学生向けの朝練習アドバイスの最後に繰り返しますが、自分にとって朝練習は本当に必要なのかよく考えてください。

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社会人向けの提案

1 朝練習をメイン練習に充てる場合

個人に合ったメニュー表を参考にして、自分の生活スタイルに合わせて練習メニューを組み立ててください。

仕事の休日にポイント練習をすることになるでしょう。勤務日はつなぎのjogと流しが中心になると思います。

早朝に高強度の練習メニューは厳しいものです。仕事にも差し支えます。ビルドアップや速めのjogで、心拍60〜80%くらいに抑えておいた方が良いと思います。朝に慣れていて問題無い人は、その限りではありません。

朝は、確実に時間が確保できる時間帯ですので、社会人アスリートは朝練習をメインの練習時間にしているひとは多いと思います。

2 朝練習をつなぎの練習に充てる場合

つなぎの練習とは、とりあえずjogと流しくらいはやっといて最低限の体力維持をするものです。

就業後にまとまった時間が取れる場合は夜練が良いでしょう。その方が身体は動きやすいです。

土日が仕事休みの人は、平日水曜日あたりにポイント練習を1日入れると全体のバランスが整います。

一週間全体の流れを見て、朝練習が必要かどうかを決定してください。

私なら、こうします。

水曜日のポイント練習は身体がよく動く夜に実施。水曜朝練習無し。

その他の平日は朝練習にjog10kmを心拍60〜65%で実施。夜練は残業で無し。

体調をみて平日のどこかで1日完全休養を入れるかどうか考える。飲み会の日は朝練習を必ずする。

土曜日は、クラブチームの練習会に参加。朝練習無し。

日曜日は、朝練習で回復jog10km心拍60%で済ませて、1日家族サービスする。

こんな感じです。
社会人は、業種業界が違うと勤務形態が全然違うので、参考にならない人もいると思います。三交代勤務、二交代勤務、会社員、公務員、自営業、在宅勤務、様々です。

時間が確保できる時にポイント練習をバランス良く配分して、他の日を上手くつなぐという一週間の考え方として参考にしていただければ幸いです。

 

まとめ

学生の陸上競技部員、社会人アスリートや市民ランナー、色々な人達が走ることを楽しんでいます。忙しい人も時間に余裕がある人も、大会のスタートラインに立ったら関係ありません。

速い人が勝つ、とてもシンプルです。

速い人は自分に合った練習を考えてしています。嫌々走ったり、誰かにやらされる練習ではありません。また、義務感で走っている訳でもありません。

朝練習をしなくては、という義務感だけで走るのは意味のないことです。

自分にとって朝練習は本当に必要か考えて、意味のある朝練習をしましょう!

社会人の持久系アスリートは、生活の中で安定した時間が確保できる朝を上手く活用しない方法はありません。

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加齢による筋力低下、回復力低下、ゲガには注意

加齢による筋力低下、回復力低下

学生には考えられない話だと思いますが、現実から目をそらさないでください(笑)

社会人のみなさんは日々感じていることだと思います。

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筋力と心肺機能のバランス

年を重ねると、筋力が一気に落ちて、呼吸は苦しくないようになります。呼吸が苦しくなるまでスピードを上げることができないのだと私は思います。私は確実にそうです。

若い時は、筋力が充実していて呼吸が先に苦しくなっていたように思います。だからこそ、長距離はガマンだ、というふうに思っていました。

どこかの年齢で、筋力と心肺機能のバランスが取れている時期が必ずある、またはあったと思います。

そのバランスを意図的に合わせるのがトレーニングの本質なのかもしれません。

若い時はペース走、インターバル、スピード練習をしっかりやって心肺機能を鍛える。

年齢を重ねたら、低下していく筋力を補うために筋トレをしっかりやる。疲労が抜けにくくなるので走る距離を抑える。ポイント練習と回復練習のメリハリをつける。

若い時には信じられなかった、加齢による体力の低下は誰にでも起こるものです。

自分にとって、ベストなトレーニングは年齢によって異なります。

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心肺機能、筋力のバランスと加齢による逆転

その境目は、私の経験では29〜30歳でした。私は高校生から現在まで走り続けていますので、年齢ごとの記録低下を嫌と言うほど痛感して来ました。

これはもちろん個人差のある話です。多くの人は三十路を過ぎてまで競技生活を続けないので、この話はあまり聞いたことがないと思います。

私は、28歳の時に、自己ベストを出せる手ごたえを感じました。7年ぶりにベストが出る、そしてこれが最後のチャンスだと思いました。しかし、800m1’55″台、1500m4’02″台でだめでした。2日で4本走り、このタイムでした。800mは予選決勝ともに1’55″中盤でした。回復力は学生時代よりもありました。

速いレース展開のレースはなかなかありません。そして自分の体調をピークに合わせたレースがそうだとは限りません。住んでいる地域のレベルでも左右されます。私の県や地域は低レベルなので、速いレースは自分で組み立てるしかありませんでした。

 

理想と現実のギャップ、気持ちと身体のギャップを埋める。

私は、19歳の時に初めて800mで2分を切りました。一人練習でやっと何かコツをつかんだ時でした。それ以来、2分は予選レースでもかかることは無いなと思っていました。

しかし、28歳1’55″、29歳1’57″、30歳1’56″、31歳1’56″、32歳1’59″、ついに33歳2’01″かかりました。原因はケガによるトレーニングの中断でした。それ以来1’台は出していません。

マスターズ陸上の選手で、一度競技をやめてしまって何年も普通のサラリーマンとして生活し、生活習慣の悪化と体力の低下を感じて、何歳かを機に再開した場合は、境目なんてわかりません。別人の体でまた競技を再開したような気分だと思いますので。

一度競技をやめる=トレーニングの大きな中断では、この境目を感じ取ることはできません。もちろん、ずっと続けているマスターズ選手もたくさんいます。その選手たちは、ものすごい葛藤と戦いながら走り続けていることが想像できます。

理想と現実のギャップを埋めること=自分の現状を受け入れて、達成可能な目標を設定すること。

こう言えるかもしれません。

 

マスターズ陸上にデビュー

私は、30歳の時に1’56″30のM30マスターズ日本記録を出しました。申請しなければならないことを知らずに、日本記録にはなっていません。県のマスターズ記録にはしてもらっていますが、、。

急に衰えを感じた歳でした。試行錯誤しながら、トレーニングを組み直してなんとか調子を合わせた大会でした。

その翌日のマイルのラップは50″5でした。スピードは既に出せなくなっていました。たぶん普通の400mだと51″5〜52″0だったでしょう。その頃の300mTTのタイムは37″台がやっとでした。

余談ですが、本当の年齢別日本記録に相当する人が私の上に二人いました。同級生で、ベストが1’48″と1’49″の元実業団選手です。彼らはマスターズ登録をしておらず、私が繰り上がりになった感じです。幻の日本記録でしたが。

ちなみに、彼らはその年に、日体大記録会で1’52″と1’54″で走ったらしいです。本人から聞きました。

ベスト記録では、彼らは1’48″と1’49″で私が1’54です。6〜5″の差がありますが、30歳時ではその差が小さくなっていました。

翌年31歳シーズンでは、私が1’56″40、彼らは1’54″台でした。差がじりじり詰まってきました。

加齢のと戦いには、レベルは低いけど私の方が上だと嬉しく思いました。どこかの年齢で彼らを抜きたいと思いましたが、800mの練習でケガを多くするようになり、私は37歳を最後に800mから遠ざかっています。

 

加齢との戦い=ゲガとの戦い

37歳シーズンは目標を1’59″に設定しました。春先の練習で、400mの入りをイメージした400mを57″台で走り、「こんなもんだな。あとは600m1’27-28″通過、ラスト200m31-32″でギリギリ1’59″だな。」と考えていました。

しかし、練習中にふくらはぎの痛みが出てしまい、それが治らずにランニングが全くできない状態の日が続きました。一度ケガすると長引くのが若くない証拠です。

ロードバイクで心肺機能維持のリハビリを続けていましたが、その時に気分転換にトライアスロンに出ようと決めました。

その後、トライアスロン中心の競技生活になり現在に至ります。

ケガさえしなければ、それなりのタイムは出てたのかな、と今でも思います。ゲガには細心の注意を払っていましたが、ゲガをしてしまいました。これが加齢かと痛感しました。

中長距離選手がしやすい怪我を詳しく見る。

加齢による柔軟性の低下

筋力だけでなく柔軟性も低下します。私は身体能力の全盛期のころ身体はかなり柔らかかったです。床に脚を前に揃えて座って、そこから開脚したら180度完全に開いて腹と胸、顎が床に着くほど柔らかかったです。開脚のまま前にスライドして脚を閉じてうつ伏せになれていました。32歳頃まではキープしていましたが、徐々に開きにくくなってきました。ハムストリングを痛めて、その部位を伸ばしてはいけない期間がけっこうあり、そういった故障をきっかけに柔軟性はだんだん無くなってきています。

順調な時は毎日のストレッチで柔軟性を維持できますが、怪我をした時やその後のリハビリ期間の過ごし方が重要になってきます。

ストレッチの効果的なやり方を詳しく見る。

 

まとめ

日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳です。陸上競技やランニング、トライアスロンで、【最高の自分、自己ベスト】を追い求めることができるのは、人生の中において非常に短い期間です。ほんの数年です。

ほとんどの選手は学生時代=全盛期になります。本来は、20代後半が人間の身体能力のピークだと思いますが、そこまで競技を中心に生活できる人は、ほんの一握りです。

だからこそ、学生のみなさん、社会的アスリートでも20代のみなさんは、今を大事にがんばってもらいたいです!

私を含む、30代以降の社会人アスリートのみなさんは、ゲガには十分注意をして、今の年代での最高のパフォーマンスを出せるようにがんばりましょう^_^

ライバルは自分です!!

もし、これから走ることを再開したいと考えている方は、こちらも参考にしてください。
長期トレーニング中断後の運動再開プログラム

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グリコーゲン回復のサプリメント
運動直後に摂取して回復を早めます。


プロテイン
高強度トレーニングの直後に飲むのがおすすめです。運動直後30分以内が栄養補給のゴールデンタイムです。回復を早めます。


アミノバイタル180袋入り
高強度の運動直後または就寝前にアミノ酸を摂取することで、就寝直後の成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯に作用して回復を早めます。一回90円、部活後に缶ジュース飲むくらいならアミノバイタルです!





学生のテスト期間休みまたは仕事の都合で練習量が減った後の練習再開方法

健康な休養

学生のテスト期間や社会人の仕事の都合等で練習量が減るのは、病気や怪我で休んだのとは話が違うので、できるだけ通常メニューで再開するのが良いと、私は思います。

数ヶ月間、受験勉強等で大きな中断をした場合は、こちらを参考にしてください。
トレーニングを長期間中断した後の練習再開の流れ

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疲れがとれて身体がリフレッシュできたと考えてください。

ペース設定はいつも通り。上げることもしなければ、軽めにもしなくて良いです。

休養の期間が何日もあるのであれば、距離を少し短くします。

それで何日か練習しながら、通常の距離に戻せると感じたら戻せばスムーズに練習の流れが元に戻ると思います。

例えば、
ペース走10000m→6000m
インターバル200m×5×2→200m×4×2
jog12km→jog8km

こんな感じです。少しづつ距離を戻して行けば良いです。1週間くらいのサイクルで戻せると思います。落ちた体力によっては、練習量を半分以下にしても良いです。

学生は、年齢が若いので、そんなに落ちないと思います。若い選手は、筋力低下よりも心肺機能、呼吸の苦しさを感じると思います。

距離よりも、走るリズムや感覚を大切にした方が良いでしょう!

一方、社会人は加齢による筋力低下が先にくると思うので、走れない期間もなるべく脚の筋トレを少しでもやっておくべきです。

学生、社会人の練習中断時の影響について説明

年間計画の中で、今はどういう段階なのかを確認して、焦らず体調を戻しましょう!
年間計画の立て方の説明

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テスト期間中の練習

できれば完全休養を何日も続けるのは避けたいところです。1日20分のjogと流しをするだけでもかなり違います!

例えば、入浴前にひとっ走りしてくる等、上手く短時間練習を生活に組み込みましょう!

ジョギングしながら、テスト勉強で暗記したことが頭の中に浮かんできて復習にもなります。私は社会人ですが、仕事の案件ややるべきことが頭に浮かんできて、良いアイデアがランニング中に浮かぶことがしょっちゅうあります!

適度な運動と脳の活性化

適度な運動と思考との関係性はあります!私は専門家ではないので、そこは詳しく説明できませんが、身体は走っているけど、思考はすごく冴えていることがよくあります。もちろん、フォームも意識しながらです。一度に二つ以上のことをこなす器用さも身につくのではないでしょうか?

ぜひ、試してみてください!

これが相乗効果です。

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一年間は52週間、練習計画の考え方、メニューの組み方

カレンダー
一年あると思ったら漠然とし過ぎて長く感じますが、週間の計画で練習メニューを考えると、今週は具体的に何をやれば良いのか見えてきます。52週間の中に大中小の目標を散りばめて、練習メニューを大きなくくりで考えましょう!

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やるべきこと、やりたいこと、やらなくてはならないことを書き出す。

中高生なら、中間テスト、期末テスト、受験、などの学生としての本分があります。

大学生は、三年生終わり頃から就職活動が始まりますし、四年時はゼミでの活動や卒論があります。バイトをしなくてはならない人もいるでしょう。

お付き合いしている異性と過ごす時間も欲しいです。気の合う友達とも遊びに行きたい。

社会人ならもっと忙しいです。転勤、結婚、社内で出世して部下が増える、子どもが生まれる、、などなど。既婚者は家族との時間を確保したい。未婚者は異性とのお付き合いを順調に進めて結婚準備かもしれません。隙間の時間を活用していかに効率的なトレーニングをするか、計画を立てておくかが課題になります。

そして、陸上競技で良い成績を残したい!自己ベストを出したい!当然、市民ランナーも社会人アスリートとして自己ベストや今の年齢でのベストを出したい!そう考えているでしょう。

それぞれ立場は違いますが、競技者として目指す大会は分かっているはずです。毎年、日にちは違うけど大体同じ月の同じ週末にその大会があります。大きく変わることはありません。

一年間を52週間に分けた手書きのカレンダーで良いので、つくってください。そして、大会を書き込んでいきましょう!

テスト期間をあらかじめ予定に入れておいて、テスト期間後に元のレベルに戻すためのトレーニングも考えておくと良いでしょう。
テスト期間後に練習再開する時のメニューの説明

 

自分の目標を明確にする!

県大会出場が目標なのか、東海や関東、北信越などの地域大会が目標なのか、インターハイ出場が目標なのか、国体なのか。インターハイ入賞や優勝が目標なのか。また、駅伝の路線もあります。そんなの関係なく、自己ベストだけを追求するのか。人それぞれです。

目標がぼんやりしている人は絶対に速くなれないし、強くもなれません。

特に大会にこだわらないのであれば、何の自己ベストを出す!これでOKです!

 

大中小の目標を決める。

次に、カレンダーに散りばめた大会を眺めてください。

県予選や地域予選を勝ち抜くためには、最低限必要な記録があります。毎年同じくらいです。自分はそのレベルにありますか?無いならどれくらい足りませんか?

自分にとって最大の壁となる大会が、大目標になります。夢と目標は違います。夢は、強いて言えばさらに何年か先の目標と考えて良いでしょう。ここでは、達成困難だけど可能性のある目標を決めることです。

大目標の前に中目標となる大会や記録を決めます。

例えば、昨年のベストが2’03″の800選手とします。彼の600mベストは1’28です。県で決勝残るには1’59″が必要、だからその前の記録会では2’00は出しておきたい!など。これが中目標、中間目標です。

さらに、中間目標を達成するために、練習のタイムトライアルや記録会で出しておきたいタイムがわかってきます。

2’00で走るためには、600mのベスト1’29では無理です。1’25は出しておいて自信を持ちたいところ。そして、記録会では1’28で通過してラスト200粘るぞ!といった具合です。だから、小目標は600m1’25と考えてください。

規模の大小はあっても、こんな感じで自分で考えてカレンダーに書き込んでください。

レベルが高くなれは、小目標と中間目標のレベルも当然上がります。小目標と中間目標はひとつではありません。複数あるべきです。期間ごとに現在の能力や調子をチェックして、足りなければ修正するための作戦を考えなくてはいけません。

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来シーズンの全般を確認して頭の中でシミュレーションする。

カレンダーには次のシーズン全体が見渡せますか?

目標を散りばめて書いてありますか?

学校の予定は書いてありますか?
大会とかぶってませんか?
大会の直前に大きな予定はありませんか?

問題がある週は、小目標や中間目標を前後に移動させて全体のバランスを考えて調整してください。

期間を分ける、期分け

期分けとは、その期間何を目的とするかを明確にすることです。

通常、1番大きな目標となる大会から逆算して考えます。

大会期間
工夫次第で2〜3週間良いパフォーマンスを保つこともできます。

大会前の調整期間
二週間程度、疲労から回復してリフレッシュする期間
この時、ポイント練習はしっかりやる。スピードを上げて距離を落とすイメージです。走り過ぎないこと。

基本的なトレーニング期間
基本メニューを淡々と繰り返します。
2〜3ヶ月

強化期間
基本メニューがベースです。
ポイント練習の距離や本数を少し増やします。
その分、回復には気をつけてください。
合宿などです。

準備期間
冬場〜春の移行期間です。
いきなりトップスピードを求めずに、ケガしないように。全体的に練習のスピード、ペースを上げて、その分距離を減らします。

冬季走り込み期間
文字通り走り込みです。
ピラミッドの底辺を大きくする期間です。底辺が大きくないと、高いピラミッドになりません。

だからと言って、だらだらと長い距離を走れば良い訳ではありません。
メニュー表では、バランス良くスピードを出す日も設けてあります。

距離を走り込んでいる期間のたまにあるスピード練習はとても大切です。筋力アップになりますし、その後のjogやペース走で筋力的ゆとりが生まれて、フォームに柔らかさが出てきます。スピード練習がないと長い距離は走れるようになったけど、速くなっていない人になります。
スピードの感覚を戻しスピード強化するトレーニング

練習メニュー選択ページで自分に向いているメニューと設定ペースを確認する。

中学生は3000m、高校生以上は5000mの記録で選択した自分に合ったメニュー表には、上で紹介したパターンのメニューも書いてあります。ぜひ参考にしてください。

自分なりのアレンジで独自の自分専用メニューをつくりあげてください!

練習メニュー選択

予期せぬ故障や怪我でトレーニングしてしまうことも想定しておく。

怪我はしたくてするものではありません。もし、怪我や故障でトレーニングを中断することになれば、年間の計画も狂います。

その時は、無理やりトレーニングを詰め込んで再発したり他の怪我をしないように、計画の見直しが必要になります。本当に目標にしたい大きな大会がメインなので、怪我明けの目の前の大会や記録会で、無理をしないように計画を修正してください。

怪我や故障で止むを得ず走れない時も、できることを知識として知っておくとその時に慌てません。

エアロバイクを利用した持久力トレーニング

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部活動でレベルが違う部員たちと一緒に練習する方法

中長距離ブロック5人練習の計画

質問を受けた、ある高校の部活動に提案する練習の組み合わせ方です。同じような境遇の部活があれば参考になると思います。

条件は、火金土曜のみ合同練習。他は部活動なし。集まる3日の内、1日は中距離と長距離が分かれて専門練習を行います。
他の日は個人練習で補うしかありません。

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合同練習の日にポイント練習を持って来ます。
土曜日を専門練習の日とします。

基本的なメニューは、個人の持久力レベルに合わせたメニュー表からの選択になります。ですので、実力が近い選手でグループをつくってペース走をします。場合によっては個人です。ペース走とはそういうものです。実力が違うのに他人に合わせて行なう練習ではありません。1人でもリズミカルな走りで一定ペースを保つ練習をするべきです。

その代わり、ペース走後のプラスαは一緒に走ります。レペティションまたはインターバルです。タイム差をつけて、遅い人からスタートすることで、最後は競り合います。チームとしての一体感が生まれます。

タイム管理や練習内容の指示をする場面では、先輩やマネージャーのリーダーシップを養成する場面にもなり、部活動としては競技力向上以外の良い効果も期待できます。

 

大きな流れ

月、個人練習、基本jog(心拍65-70%)+流し×5
火、合同練習、ペース走(心拍80-85%)+レペ
水、個人練習、回復jog
木、個人練習、基本jog+流し×5
金、合同練習、ペース走+インターバル短い距離
土、合同練習、専門練習
日、完全休養日または個人で回復jog

 

補足説明

金曜のペース走の後の+インターバルは、
200m×5(800mレースペース設定)
つなぎjog200mを90″
または
300m×5(1500mレースペース設定)
つなぎjog100mを60″

各自の自己ベストのレースペースで細かく設定してください。各自が自分でタイムを測ること。遅い人から順番にタイム差をつけてスタートします。速い人が一番最後に出て、ゴールする時にみんなが競り合いになるイメージです。追いかけられる人は最後抜かれないように!追いかける人は最後に抜くつもりで!タイム差を正確にしてスタートすると面白い練習になります。マネージャーがいるのなら頼んでタイム差を読んでもらってください。

火曜のペース走後の+レペティションも同様のタイム差方式で走ると良いです。
1000m×2(15’rest)
1500mレースペースを目標にしてください。ラスト1本のラスト300mは全力でスパートです。
または
1000m+600m(15’resr)
1000mは1500mレースペースで。
600mは全力です。

土曜の専門練習は、メニュー一覧表から自分のレベルに合った好きなメニューを選べば良いです。
インターバル
レペティション
または、タイムトライアル

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まとめ

工夫次第で個人の練習がチームとしての練習にもなり、全員が個々の能力に応じた適切なトレーニングを楽しみながらすることができます。

私はそうやってチームや複数の教え子にアドバイスしてきました。

陸上競技は、究極の個人競技だと思います。
しかし、仲間がいることで個人の力を最大限に引き出すことができるのです。

先輩は先輩らしく、リーダーシップを発揮して後輩たちの良い見本になってください!後輩たちは先輩を助けてください。その経験は、社会に出た時に絶対に役立ちます。

私は、企業でリクルーティングや新人研修を担当していたこともありますが、部活動を真剣にやっていた人は社会人としてのスタートラインが全く違います。人間ができています。人間性が違います。その差は何年経ってもひっくり返らないと思います。それだけ、学生時代の部活動がその後に及ぼす影響は大きなものだと考えています。

強い学校、名門校には名物先生がいて絶大なカリスマ性があります。私が出会った名門校のOBはやはりしっかりした人が多いです。先入観もあるかもしれませんが。

そういう有名校はごく一部です。大半の学校は、名前だけの顧問だったり、競技経験が浅い先生だったりします。

私は、監督やコーチがいなくて困っている学生たち、社会人アスリートのお手伝いをします。あくまでもお手伝いです。私が長年の経験から作り上げたペース設定と練習メニューを紹介することで、コーチがいなくて困っているアスリートたちの役に立つことができるかもしれません。役に立ててもらえると嬉しいです。

実際に走るのはみなさんです。
私も社会人アスリートとして現在も走っています。

年齢や職業は関係なく、走ることを楽しむ仲間としてお互いにがんばりましょう!

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ファルトレク(スピード変化を極端に行い様々な効果を)

ファルトレクって何ですか?

ネットとかで見たことあるけど具体的に何をやって良いのかよくわかりません。
、、とよく聞かれます。

ファルトレクは、元はスゥェーデンの軍隊で行われていた隊員の体力養成訓練のひとつです。

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クロスカントリーの様な、自然の地形を利用して走り、木等の目印を利用してスピードの上げ下げを行ったり、教官が警笛を吹いたらダッシュ、再び吹いたらジョグ、のように自分の意思でなはく、第三者の合図によって一気にスピードを切り替える方法もあります。スピードプレイとも呼ばれています。

ここまでは、ネットや書籍で調べてもよく見られる文章ですね。

それでは、具体的な練習メニューとして私なりの解釈で、私がやっている内容を紹介します。

一人で練習する場合の単独ファルトレク

私はロードや河川敷の舗装路でやっています。
走る距離は最初に決めています。6〜10kmです。
基本となるペースはjogで、心拍60%〜70%の普段通りのjogです。
総距離10kmなら、1/3〜2/3をスピードアップして筋力と心肺機能に刺激を入れます。距離にして、3〜6kmは速いペースです。心拍75〜85%になります。

このスピードアップして走る3〜6kmを分割して、100m〜1000mで総距離10kmの中に散らします。

不規則に距離を散らす方法(思いつきで適当に!)と、規則的に散らす方法が考えられます。

不規則に距離を散らすメニュー例

思いつきで気ままに走る!

1km jog(累計距離)
100m上げ(1.1km)
300m jog(1.4km)
300m上げ(1.7km)
200m jog(1.9km)
200m上げ(2.1km)
500m jog(2.7km)
1km上げ(3.7km)
500m jog(4.2km)
500m上げ(4.7km)
500m jog(5.2km)
1km上げ(6.2km)
500m jog(6.7km)
200m上げ(6.9km)
100m jog(7.0km)
200m上げ(7.2km)
200m jog(7.4km)
500m上げ(7.9km)
500m jog(8.4km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.4km)
600m jog(10.0km)終了

上げる距離は適当です。上げるペースも適当です。最低限jogより速ければ効果があります。数回、かなりがんばったダッシュをしても良いでしょうし、快調走でも良いでしょう。5000mや1500mのレースペースを意識して走っても良いでしょう。

最初と最後だけは、アップとダウンでjogにします。止まらないで走り続けますので、短時間で練習が終わります。アップのjog1kmの後に、一旦止まって体操と軽いストレッチ、動的ストレッチをしてから再スタートでも問題ありません。

不規則適当バージョンの場合は、GPSウォッチがあると距離とペースが分かるので面白いと思います。無くてもできます。好みの問題です。

GPSウォッチについて。

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規則的に距離を散らすメニューの例

1km jog(累計距離)
100m×5(jog200mつなぎ)(2.5km)
200m上げ(2.7km)
200m jog(2.9km)
300m 上げ(3.2km)
300m jog(3.5km)
1km上げ(4.5km)
500m jog(5.0km)
1km上げ(6.0km)
500m jog(6.5km)
1km上げ(7.5km)
500m jog(8.0km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.0km)
1km jog(10km)終了

不規則メニューと同じ考え方です。
こちらは、距離を規則的に分散して、連続して走る軽めのインターバルといった感じにしています。個人的にはこちらが性格に合っており、こちらでやっています。
どちらにも共通して言えることが、練習が短時間で終わるということです。

ファルトレクは、特に寒い冬にオススメです。低温でスピードを出しにくい時も、ペースの上げ下げで身体がとても温まります。
ファルトレクの美味しい効果

普通のjogだと心拍数は一定か、後半ペースアップした分だけ少し上がります。淡々とリズム良く最後まで走る練習方法です。

ファルトレクは、ペースの上げ下げがあるので、スピードアップの時はjogでは使わない強めの筋力発揮が必要なので走りながらの筋トレになります。そして、心拍数も上がります。ここに意味があるのです。

スピードアップで上がった心拍数は、jogに移行してもしばらく高いまま維持されます。ここがミソです。筋力はjogで休めながら心肺機能を高めるために必要な心拍数は高い状態を維持できる、とても美味しいメニューです。jogに移行して心拍数は徐々に下がり、そのままjogを続ければ心拍60〜70%の通常の有酸素運動の領域に留まります。

しかし、心拍数が下がりきる前に再度スピードアップをすることで、心拍数は上昇し80%前後で走ることになります。がんばり度合いによっては85%を超えます。

この80〜85%が有酸素性作業閾値(AT)、乳酸性作業閾値(LT)と呼ばれる長距離走トレーニングにとって重要な領域になります。

長距離走はこのAT、LTを向上させることで速くなります。

最も効果的なAT向上のトレーニングは、AT域での20分走を2回、心拍70%のjog5′(1km前後)でつなぐトレーニングです。5000m14分後半レベルの選手で3分20秒ペースくらいになりますので、6000m×2になります。たいていの市民ランナーは20分に合わせると時間的に5000m×2になります。

これが、いわゆる『ペース走』というものです。私のホームページでは、距離が長めのペース走と区別するためにATペース走やAT走と呼んでいます。

ファルトレクはATを分散して走るイメージで、jogで休憩するので比較的ラクに高い心拍数を保てます。本格的な陸上競技のトレーニングを行う前段階に、準備として走っておく練習にぴったりです。
ファルトレクで速く走る区間のスピードをさらにアップした場合

ペースアップした時を5000mや1500mのレースペースまで上げてしっかり走れば、インターバルトレーニングの効果も生まれます。この場合は、ペースアップ状態からjogに移行しても、心拍数はしばらく上がり続け、1kmくらいの長めのペースアップをすれば90%を超えます。つなぎのjogの間も90%〜85%〜80%〜75%というように高めの心拍数を維持することになります。

 

グループで行うファルトレク(2人以上)

内容は単独で行うファルトレクと同じです。

複数で行う場合は、距離で役割を分担するのがわかりやすいでしょう。

例えば、5人で総距離10kmのファルトレクをやるとします。

1kmごとにリーダーを交代することにして、リーダーは与えられた1kmの区間で距離とペースを不規則に上げ下げします。他の人は、リーダーが上げ下げしたペース変化に即座に対応して一緒に走るようにします。これは、レベルの高い話では予選レースのゆさぶりや予想外のスパートに対応するトレーニングにもなります。

最初と最後の1kmをアップとダウンにして、仲間と順番を相談しながらアップをして、良かった点や反省点等を話ながらダウンをするのも楽しいでしょう!

また、複数で行う場合の注意点としては、実力の違うメンバーで一緒に走る場合は、実力が劣る人の総距離を短く設定すると一緒に走れるでしょう。その際は、野外で周回コースを設定して走れば、何周目に抜けて休憩して、次の周回で復帰する等の応用も効きます。

速い選手にとってはATレベルのファルトレクでも、遅い選手にとってはインターバルレベルのファルトレクになります。その時は、得られるトレーニング効果や走る距離が異なりますが、レベルが違う人たちが一緒に効率的なトレーニングができる仕掛けをつくることができます。これはコーチ目線ですが、部活動やクラブチームで、指導力のある人は提案してみんなでやってみてはいかがでしょうか?いつもと違った面白いトレーニングになると思います。

 

まとめ、ファルトレクが効果的な理由

長距離走のトレーニングで持久力を高めたい時は、いかに長く心拍数を高い状態で過ごすことが重要になってきます。

ファルトレクでは、スピードの上げ下げをすることで、心拍数が高い状態が細切れに分散する訳ですが、心拍数が高い状態の積算時間はスピードを出して走っている時間よりも長くなります。

繰り返しますが、スピードアップした後のつなぎのjogの時も心拍数が高めから徐々に落ちて行き、体はjogをしているけど、心臓はスピードアップの余韻で高いままだということです。

筋力を休めながら心肺機能に適度な刺激を入れることです。

普通のjogだけでは得られない筋力アップ、ペース変化への対応力、フォームの切り替えが自然に身につきます。

スピードをあまり出さない冬季練習や、シーズンイン前のスピード練習導入時期にも適しています。

機会があったらぜひ練習に取り入れてみてください!



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新しいウェアで気分一新するのも良いですね!ファルトレクは軽いウェアで走る方が走りやすいですよ!
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運動強度と練習日誌


練習メニューの予定を立ててますか?練習日誌を書いてますか?

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市民ランナーのみなさんは、だだ走った距離を書いている人も多いと思います。日誌をつけない人もいると思います。それは自由です。

私は練習日誌をつけています。この日誌が私を助けてくれます。過去の自分が未来の自分の最高のコーチになります。

 

練習の流れを目に見えるようにする方法

日誌の左端に運動強度を書く。
主観的なキツさを客観的な数値に置き換えます。

私のホームページの練習メニューでは9段階表示にしています。0〜⑧で表示してあります。

( )内のHRはハートレート、心拍数です。最大心拍数の割合で運動強度を設定しています。

⑧全力、レース、スプリントインターバル
⑦レペティション、インターバル
⑥(HR90%)ペース走ATより上、軽めのインターバル
⑤(HR85%)ペース走AT域
④(HR80%)ペース走ATより下
③(HR75%)速いjog
②(HR70%)基本的なjog、リズム良く気持ち良く
①(HR60〜65%)回復jog
0 (HR60%未満)心拍を度外視したゆっくりペース

ホームページの練習メニューを紹介、説明する時には、メニューのペース設定を説明しやすくするために、上の段階で表示しています。

練習日誌に書く時は、以下の5段階がシンプルで良いと思います。参考にしてください。

客観的な運動強度、心拍数(最大心拍数の割合)
5:85%以上
4:80〜85%
3:75〜80%
2:65〜75%
1:65〜60%

私は、主観と心拍数を一致させています。心拍計を着けない時も主観で書きます。慣れで、わかるようになってきます。

 

5段階の運動強度を曜日ごとに振り分けて練習の流れをつくる例

月4、ペース走+レペ
火5、インターバル
水1、回復jog
木2、基本jog、流し
金4、ペース走+インターバル
土5、レペ
日0、完全休養
こんな感じです。これを1ヶ月、2ヶ月と書くことができますの。出場する大会が決まっていれば、大会から逆算してメニューの流れ(運動強度) を振り分けていきます。

その後、具体的な練習メニューを書き込んだり、直前でアレンジすることもできます。

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心拍数の計測方法

中学、高校生は心拍計は持っていないと思いますので、時計で15秒見ながら指で脈拍を数えてください。私は首の頸動脈で確認します。

正確な最大心拍数は、実験施設で測定するか、心拍計をつけて3kmくらいの全力走で確認する方法が一般的です。走る場合はラストしっかりスパートして全力を出し切ることが必要なので、なかなか難しいです。

中高生の最大心拍数は、200〜205回くらいが予想されます。

15秒数えて30回なら、4倍して120回、約60%となります。

走り終わってすぐに数えなければなりません。心拍数は運動をやめた時から徐々に下がってきます。30秒や1分だと数えている内に心拍が下がってしまいます。

この方法は、あくまでも目安と確認程度です。しかし、心拍計を持たない人にとっては唯一心拍数を知る方法です。

毎回測ることで、持久力がついてくると同じペースで走った時の心拍数の低下が確認できます。そうなったら、練習ペースを少し上げる時です。

 

まとめ、必要最小限をいかに見極めるか

運動強度を意識することで、練習にメリハリがつきます。目的意識も明確になりますので、効果的な練習ができます。

ランニング時に心拍計を着けたことのない人は、試してみると新しい練習の切り口が見えてくると思います。

もし、心拍計を買うなら最高級の機種はやめて、無難なエントリーモデルが良いでしょう。心拍トレーニングが長続きしそうだなと思って、さらにエントリーモデルでは物足りないようであれば上の機種を購入すれば良いと思います。

ちなみに、私はエントリーモデルを使用しています。PC接続やスマホと連携してSNSにアップする機能は必要ないと考えているので、運動時の心拍数、最大心拍数の割合さえわかればそれで良いからです。

GPS機能付きの心拍計も安価になってきました。使ってみたいと思いながら、まだ買えずにいます。距離がわからないロードでは便利です。

ベストなランニングのメニューは個々に違います。無謀なハイペースや長い距離の走り込みをしても体調を崩したり故障したりするだけです。必要最小限の自分の目的にぴったりのトレーニングがあります。

ツールも目的に応じて必要最小限の機能で良いと思います。最終的には自分で使ってみて判断しないと良し悪しはわかりませんね。

polor心拍計

 

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元陸上部が練習を再開して、最初の一カ月にやるべきこと。

受験後の再スタート、病気や故障後の再スタート、引退して競技から遠ざかっていたけど気持ちを新たに再スタートしたいと考えている人は多いと思います。

走ることを再開する、その決意の大きさは人それぞれ違います。

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元陸上部ということであれば、落ちた持久力や筋力を戻していく練習になってきます。

初めの一か月はジョギングが基本になります。具体的なメニューは後で説明します。

練習の再開を思い立ったなら、ランニング練習とは別にすぐに毎日のストレッチを日課にしてください。就寝前に毎日実施してください。静的ストレッチを長めに痛気持ち良くやることで、副交感神経が働いて寝つきがスムーズになります。睡眠の最初が成長ホルモンが最も分泌される時です。柔軟性の確保と質の高い睡眠、疲労回復等の多くの効果が期待できます。

また、疲労からしっかり回復することが次のトレーニングをするために最も大切なことになりますので、三度の食事はしっかりとってください。また、運動直後30分以内と就寝前にプロテインやアミノ酸を摂取することで疲労回復が促進されます。

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第1週
主観的には気持ち良いペース、具体的には心拍60%〜65%のジョグを1日置きで週に3、4日ランニングをしましょう。時間で管理するなら30分程度で。距離なら5〜6kmになると思います。2日続けると筋肉痛から回復できないので、最初は無理せずに。ジョグの後に、軽めの流し100mくらいを3〜5本入れて筋力を戻しましょう。

第2週
心拍70%のジョグにペースアップ。主観的には気持ち良く走れるキツくない速めのジョギングです。1日置きで週に3、4日のランニング。時間なら40分程度、距離なら7、8kmになるでしょう。ジョグ後の流しを5本入れましょう。第1週よりも流しのスピードアップして走りのキレを出します。

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第3週、第4週
週に5日走ります。曜日を例にして紹介します。徐々に走るペースの幅を広げて速い動きを入れていきます。週に2日は計画的に休んで疲労回復に努めます。

月、休み

火、基本jog30’〜40′(気持ち良い速めのジョギングペースまたは心拍65〜70%)、流し100m×5

水、ビルドアップjog8km、流し100m×5
(気持ち良いペースから走り始めて、少しキツいくらいまで。または、心拍65%→80%)

木、休み

金、(火曜日と同じメニュー)

土、アップjog2km、流し×5、1km×3(5’rest)、ダウンjog1km
1km×3は心拍80〜85%で。ビルドアップのラストより速く走る程度で無理せずに。翌週からペース走(心拍80%)をするための準備です。

日、回復jog30’または6km(ゆっくりまたは心拍60%)
筋力を休めたいので流しはしません。

第5週
現在の5000mのタイムを予想してください。元陸上部員ならだいたいの見当はつくと思います。希望的予想で速すぎる予想をしないことです。速すぎるより少し遅い予想の方が、再開メニューとしては確実です。その予想タイムを元に練習タイムを設定します。

こちらのページから自分に合ったレベルを選択してください。

第5週からは、通常の基本メニューを基準にしてメニューを考えれば良いでしょう。基本メニューのペース設定は走力レベルに合わせてあるので、無理にペースを上げる必要はありません。筋力の戻り具合を自分で感じながら、欲張らずに距離を8割程度に短くしても良いでしょう。

もし、距離を8割程度に短くするなら、1週間か2週間はそのままで良いです。余力があるなら、流しのスピードを上げて動きのキレを出したり、インターバルやレペのラスト1、2本をページアップして、実戦的なスピード感覚と筋力を戻すことを意識しましょう。

以上が、大まかな流れと考え方です。

再開してすぐに気をつけること。

トレーニングを中断する前の自分と比べて、持久力や筋力が落ちていて別人の身体に思うでしょう。それでがっかりすると思います。

しかし、それはトレーニングを中断した人が全て感じることです。考え方によっては、トレーニングを中断する以前の自分は今よりも強かったということです。

無理をして、いきなり昔のペースで練習してはいけません。オーバートレーニングは怪我の原因になります。

今の自分のレベルを客観的に捉えて、レベルに合ったペースと距離でコツコツ練習を続けましょう。

まとめ、再開後の目標は個々に違う。

コツコツとトレーニングを継続すれば、年齢にもよりますが以前の自分を超えることができるでしょう!中学から高校、高校から大学なら必ずベストを出せます。出せない場合は何か原因があります。

大学卒業後の社会人アスリートも工夫次第で自己ベストを狙えます!

しかし、30歳以上の人にとっては、トレーニングの大きな中断はかなり厳しいものになります。焦らずに、今の自分を超えることを目標にして自分と向き合えるランニングを楽しみながら体力向上をしていけば、いつの間にか昔の自分に近づくことができるでしょう。

ただし、怪我には充分注意してください。若い頃より怪我しやすくなっていると思います。筋力低下、筋肉の柔軟性低下が大きな要因だと考えられます。
加齢による筋力低下と怪我の予防について詳しく見る。

無責任に、全員が昔の自分を超えられるとは言えません。そんな簡単なものではありません。

過去に完全燃焼するまで競技をやってきた人は若い頃の自分を超えられないでしょう。肉体は加齢により老化していきますのでそういうものです。30歳未満であれば加齢による影響はほとんどないはずです。身体が動かないのは、加齢のせいではなくトレーニングの中断により全ての身体能力が低下しているためです。

年齢を重ねたらその年齢でのランニング、陸上競技、その他トライアスロンやロードバイクなどの楽しみ方があります。陸上競技のマスターズやトライアスロンのエイジカテゴリー(年代別表彰)では同世代と競い合う楽しみがあります。

一方、若い頃に陸上競技を完全燃焼するほどの取り組み方をしていなければ、30歳を過ぎても自己最高のタイムを出すことは可能です!失礼な言い方かもしれませんが、、。

それぞれの環境で、再開後の目標は大きく異なりますが、大切なのは再開しようと思えたその気持ちです。自分と向き合って全力を出せることはなかなかありません。

後悔のないように今やれることを楽しみましょう!

数日間〜一週間程度のトレーニングの中断後の再開メニューはこちらです。
学生のテスト期間部活停止や社会人の出張、残業の時等
短期間のトレーニング中断後の再開方法を詳しく見る。

私のランニングバイブルです。10年以上前の本ですが、運動生理学の基本は普遍です。中長距離を深く追求したい方は読んでみてはいかがですか?
中長距離ランナーの科学的トレーニング

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走る体力要素の説明






体力の話の時に、最後に書いた項目です。
体力を要素に分解する。を詳しく見る。

  1. 瞬発力
  2. 無機的解糖系(乳酸処理能力)
  3. 最大酸素摂取量
  4. 無酸素性作業閾値
  5. 有気的解糖系(基礎的持久力)

今回はこれらを説明します。

瞬発力

非常に短い時間内に大きな力を発揮する能力です。

筋肉内に貯蔵されているクレアチンリン酸がエネルギー源になります。市販のサプリメントの名前で聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。

クレアチンリン酸は短時間の全力運動で10秒程度で使い切ってしまうと言われています。休憩すると一定の時間で回復します。

短距離の100m走りはまさにこの能力で走ることになります。

 

無機的解糖系(乳酸処理能力)

乳酸に耐える能力とも言えます。筋肉内の糖の一種であるグリコーゲンがエネルギー源となり、全力運動で約40秒の運動が可能です。グリコーゲンは酸素を必要とせずにエネルギーを発生させますので無酸素運動になります。しかし長く続けることができません。

エネルギー発生とともに疲労物質である乳酸も発生します。乳酸が筋肉内に溜まると筋収縮がしにくくなり、走るスピードは落ちます。

陸上競技400mはこの能力と瞬発力を兼ね備えている選手が有利です。

800m専門の選手は乳酸に耐える能力が高く、ある程度の瞬発力もあり持久力も比較的得意です。800mは約60%が無酸素運動になります。

1500mでも約40%は無酸素運動になります。

 

最大酸素摂取量

体重1kgあたりに取り込むことができる酸素の量です。酸素を多く取り込むことができ、体重が軽く、体脂肪率が低い人ほど高い数値になります。この数値が高いほど長距離走が速いと判断できます。

最大酸素摂取量のペースは約10分しか続けることができないと言われています。

10分間の全力走をして、走った距離でおおよそのペースがわかります。

3.5km2’51”

3.4km2’56”

3.3km3’01”

3.2km3’07”

3.1km3’13”

3.0km3’20”

2.9km3’26”

2.8km3’34”

2.7km3’44”

2.6km3’50”

2.5km4’00”

2.4km4’10”

このペースでインターバル走を何本か行うことが最大酸素摂取量を高めるための練習になります。

しかしながら、インターバル走の設定は、レースペースを基準にして反復する方法もあります。3000mや5000mのレースペースを分割して反復することで、ペース感覚やリズム感を身につける効果もあります。

 

無酸素性作業閾値

もう少し言葉を加えると、無酸素性エネルギー代謝作業閾値となります。

無酸素運動と有酸素運動の境目(閾値:いきち)です。

ATと呼ばれアネロビックスレショールドの略です。血液中の乳酸濃度で測定したものをLTで、ラクティックスレショールドの略です。AT=LTと考えて良いと思います。文献によっては、さらに上にもう一つ閾値があるとされていますが、このホームページではそれは使いません。そこは速度域が速いのでレースペース相当になるため、レースペースを基準にしペース設定をするため考えません。

ゆっくり走り始めて徐々にスピードアップして行った時にATを超えると急に乳酸が溜まり始めます。それまでは、呼吸によって取り込んだ酸素で乳酸を分解することができています。AT以上では、乳酸の分解が追いつかなくなり速くなればなるほど乳酸が発生します。運動をやめるかスピードを緩めない限り乳酸は減りません。

AT基準で考えると、ハーフマラソンはATと同じくらいか少し速いペース、フルマラソンはATより遅いペースになります。約1時間の全力運動はATを超えるくらいが限界と言われています。




実際には計測が難しい理論上の話ですが、60分間走り切れるほぼ一定ペースのランニングがATのペースと考えることもできます。

例えば、ロードレースで有り得る距離なら10マイル(16km)に出場して、16km1:00’00″のタイムなら3’45″がATペースと言うことです。そのペースをATペース走に設定すれば適度なペースでの練習が可能になります。

しかし、そんなに都合良い場合ばかりでは無いので、考え方を応用してATを予想することはできます。

16km55’00″なら3’26″ペースですが、あと5分あるので5分持たせるためにはペースは少し落ちます。3’27-28″をATと考えて良いでしょう。

逆に遅い場合。16km75’00″の場合は、平均4’41″ペースです。あと15分短い時間で良いのならどれくらい速く走れるか考えてみます。ここからは勘と感覚の世界で非常に主観的になりますので正確ではありません。私なら10秒速く、です。4’31″がAT予想です。

この方法は、ロードレース16kmが60分前後の人しか使えない方法です。

このホームページでは、私独自の方法で5000mや3000mのタイムからATを予想して設定していますので、これらの方法はあくまでも理論的な参考にしてください。レベルが合う人だけ試してみると良いと思います。

 






フォームの話、アゴ編



アゴを引け!
このアドバイスを受けたことがある人は多いのではないでしょうか?

今回はフォームの中でもあまり馴染みの無いアゴの話です。

結論は、アゴは少し上げておくくらいが良いです。

理由は、アゴを引くと首に力みが生まれます。具体的に言うと、首筋の胸鎖乳突筋が鎖骨に付着していますので、首に無駄な力が入ると鎖骨の動きが悪くなり、鎖骨と繋がっている肩甲骨も動きにくくなります。

肩甲骨の動きが悪くなると、当然骨盤も動かなくなります。すると歩幅が狭くなり、短くなった歩幅を戻そうとふくらはぎで地面を蹴る動作が強くなったり、他の動作で遅くなるのを防ごうとします。

その結果、余計な体力を消耗することになり、遅くなってしまう。

、、、という話です。

また、アゴを少し上げることで目線が下がるのを防ぐこともできます。目線が下がると真っ直ぐ走れないという距離をロスする問題の他に、背骨のアーチが弱まり骨盤の前傾も弱まり、ひどい場合は腰抜けの状態になります。重心位置が走る進行方向に対して後ろになってしまうので、接地が重心よりだいぶ前になります。

そうなると、大きな筋肉である脚の後ろ面、ハムストリングを使いにくい状態になり、ふくらはぎに頼る走り方になってしまいます。

その結果、ふくらはぎがつりやすくなり、長い距離がもたなくなり遅くなってしまいます。

、、、という話です。

みなさんもぜひ試してみてください。
アゴだけで少しだけ速くなるかもしれません。

ランニングフォーム、骨を意識する

ランニングフォーム、骨を意識?筋肉を意識?

ランニングフォーム、アフリカ人系、欧米人系、日本人系



フォームの話、骨編






前回の投稿では、腕振りで骨を回す、内旋と外旋をする操作を紹介しました。

手をダラりと下げた状態で、内側に回すのが内旋、外側に回すのが外旋です。

ここまでは簡単です。

次に手をパーにして前に伸ばした状態で、内旋外旋をしてみてください。何も意識しなかったら、手のパーも一緒にくるくる回ります。

次はレベルアップで。
手のパーは動かさずに、腕を内旋外旋させてください。これは難しいです。
上手くできない人は、壁に手をつけた状態でやってみてください。

肩、肩甲骨が大きく動くのを感じられると思います。

この操作を腕振りの要素に少しだけ加えることで、フォームが変わります。

肩甲骨は、回すというより前後に動かして開く、閉じるのイメージになります。第三者が外から見ても微妙でわからないくらいの動作です。

「あれ?何かわからないけどあの人のフォーム、力みがなくなってスムーズになった。」くらいです。

骨盤も回すという意識では無く、腰をクネクネとクネらせるような感じです。言葉で表現するのは誤解を生むかもしれません、とても難しいのです。

私の感覚で例えるのなら、水泳のクロールの逆回転を左右の腸骨で交互にグルグル繰り返すイメージです。まずは、立った姿勢でひざを半屈伸した中腰の状態から動いてみてください。骨盤が動いているのを感じることができればOKです。

そのイメージをランニングの中で、ほんの少し動作の要素を加えてみてください。地面を蹴らなくても地面に力が伝わる、と私は感じています。




以上のように、腕、肩甲骨、骨盤の前傾、背骨のアーチがタイミング良く連動して脚が反射で動いて力みのないランニング動作が連続して続くように、私は考えています。

教える対象者によって、表現や言葉を選んでどうやって伝えるかとても難しい分野です。

究極には、現場でのアドバイスでは個人に合わせてアプローチ、使う言葉、教える順番が全く違うので、ここで紹介したことが文字でどのように伝わるか難しいところです。

しかしながら、今までフォームについて具体的にどのように考えたら良いのか全くわからなかった人、考えたこともなかった人にとっては自分のランニングフォームを見直すきっかけにはなったのではないでしょうか。

自分なりの骨の操作、「コツ」をつかむことが大切です。コツという言葉の語源はまさに「骨」です。

トレーニングすべき最大心拍数の割合であったり、運動生理学的なランニングのアプローチ以外の方法として、身体操作の側面からもランニングエコノミー、効率的なランニングフォーム改善を考えて実践することが大切です。

コツコツがんばりましょう。

ランニングフォーム、顎を意識する

ランニングフォーム、骨を意識?筋肉を意識?

ランニングフォーム、アフリカ人系、欧米人系、日本人系







骨で走る?筋肉で走る?


image先日は、3大ランニングフォームである、フォアフット、ナンバ走り、筋力重視について書きました。私が3つに分けただけなので、当然他の考え方もあると思います。
接地の方法と三大フォームについて説明

みなさん、今の自分のフォームはどういうものでしょうか?極論は、その人が一番速く走れるものが最高です。快適にケガなく効率的なものを私は追求しています。

私は、世界レベルでもない、日本トップレベルでもありませんが、自分にとってベストなものを追求し続けることも楽しいです。

そんな私の考え方が他の人のヒントになり、現状を打破するきっかけになるかもしれません。私も、ランニング仲間の一言のアドバイスがきっかけで長距離のタイムが伸びた経験があります。技術的なものだったので、即効果がありました。

さて、今日のテーマですが骨と筋肉です。
骨は約206本、筋肉は約300個あるそうです。

骨を動かすのが筋肉です。

走る時にどこの何を意識すれば動作につなげやすいのでしょうか?

私が初心者にコーチングする際や、陸上選手でもフォーム修正する場合は、まずは腕振りからアプローチします。

理由は、体の中で一番器用なのは腕だからです。細かい動作の調整を操作することができます。腕振りの意識を変えることでフォーム全体が変わって、タイムが少し速くなる、長い距離でも走りやすくなる経験をしてもらいます。

常に意識して動作が自動化されてきたら、その後に次のテーマを考えて意識させるようにしていきます。

そこで、動作修正に効果的なのは骨の操作だと私は考えています。

腕振りは前後に真っ直ぐ振るだけでは効果的ではありません。骨を回す操作を少しだけ加えることで、動作の力みがなくなり、柔らかな淀みない流れる操作になり、動作が小さくなるけど、しっかり連動して地面に力が伝わるようになっていきます。

何故腕振りが地面に力を伝えるのか?

腕の付け根はどこですか?
みなさん、肩幅の一番広い所、スーツの肩パットが入る所が腕、肩の支点だと思っていませんか?

実は、腕は肩甲骨とくっついていて、肩甲骨が鎖骨に繋がっており、体の前面首の真ん中の鎖骨の付け根、そこが腕の支点になるのです。そこは胸鎖関節と言います。私も初めて知った時は驚きました。腕振りの考え方が間違っていたと知りました。

腕振りで骨を回す(内旋、外旋)ことで肩甲骨が動くようになります。すると、背骨を介して骨盤に動きが出ます。

骨盤は、左右の腸骨、真ん中の仙骨に別れています。僅かに動きます。仙骨はいわゆる背骨の先端になります。背骨は、腰の腰椎、胸の胸椎、首の頚椎で連続して24個の骨が繋がっています。当然、背骨も動きます。

骨盤を前傾させることが走る上で重要になります。アフリカ系民族は、最初から骨盤が強く前傾しています。

私たち日本人は、意識しないと骨盤が立ってしまいます。猫背の人は骨盤が後ろに倒れて腰抜けになります。

デスクワークが多い人は首が前に出て、猫背で骨盤が起きがちです。椅子に座る姿勢も直すことがランニングにもつながります。

話を戻します。

腕振りによって肩甲骨が動き、しっかりと前傾した骨盤により、背中のアーチが保たれて骨盤も連動しやすくなり、骨盤が連動することで膝を高く前に上げなくても自然に歩幅が伸びます。

簡単に流れを説明するとこういうことです。
だから、骨を意識しましょう!というお話でした。

次回は、骨の操作をもう少し具体的に紹介します。

ランニングフォーム、骨を意識する