800m2’16″50を突破するために、必要な他の種目の実力は?
個人の持ち味によって他の種目の記録は変わりますので、一概には言えません。
瞬発力が得意なら400mの記録は速いですが、1500mの記録はあまり良くありません。1500mを走ったことが無いかもしれません。短中距離選手ならあり得ます。
逆に、持久力が得意なら400mは苦手でも1500mの記録は良いでしょう。一般的な中長距離選手です。
瞬発力が得意な人、持久力が得意な人、その中間の人
言い方を変えると、
短距離タイプ
中距離タイプ
長距離タイプ
の3分類です。
短距離と中距離の間、また中距離と長距離の間の人も当然います。私たち人間は機械ではありませんので、無段階に持ち味があります。
例えるなら、方位磁石、コンパスの方位です。北、北北西、北西、西北西、西等、少しずつ方向が違います。度数なら360度まで細かく刻めます。
自分が何の力が得意なのか、また苦手なのかを自分で把握することが大切です。
簡単に説明するために3タイプで話を進めます。
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タイプ別で見た、他の種目で必要な記録
→タイプ別の記録一覧表
この表から、各タイプ女子800m2’16″50の隣の記録を以下に抜き出しました。
短距離タイプ
400m58″後半
1500m5’00”
3000m11’06”
中距離タイプ
400m60″前後
1500m4’46”
3000m10’33”
長距離タイプ
400m60″前半
1500m4’30”
3000m9’53”
長距離タイプの選手であれば、おそらく1500mに出ると考えられます。
ですので、800mで標準を切ろうと考える選手は短距離タイプか中距離タイプの人だと思います。
400m58″後半〜60″前後が必要なスピード
100mあたり14″7〜15″0を維持しなければならないスピードです。
この練習を参考にして、まずは100mでそのスピードを如何にラクに、無駄な力を入れずに走り続けるかを研究してください。
このリンク中の練習メニューの中の、400mのスピードを反復練習する練習をアレンジしてください。
→100mを反復する基礎的なスピードトレーニング
その次のステップが、
200m×3本×2set
設定は29″4〜30″0
つなぎは100m歩き約2′
set間10’rest
各setで意識するイメージ
①前半の200m入り速め
②中間の200m一定ペース
③後半200mラストスパート
仕上げの練習が、
レペティション300m×2〜3本(15’rest)
設定14″7〜15″0ペース=44″1〜45″0
導入当初や疲労度合いによっては2本
①400mの入り、スパート無し
②中間走、コーナー直線コーナー、スパート無し
③ラスト300m、直線コーナー直線、スパートする!
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800m2’16″50を切るための練習
目指すペースは100m17″0くらいです。
インターバル200m×5本×2set
設定レースペースの34″1
つなぎjog200m100″
set間10’restまたはjog600m5’00”
800mのレースのどこかの部分をイメージしながら走ります。入り、前半、中間、後半、ラスト等
インターバル300m×3本×2set
設定51″2
つなぎjog100m50″くらい
set間10’rest
上の200×5×2をより実戦的にしたものです。休憩が短く、一度に走る距離が長いので3本目はレースに近い感覚になります。
入り、中間、ラストをイメージします。
切り替え走300m×5〜8本
設定、入り200m35″+ラスト100m16″台
つなぎ300m歩き約5′
レースのラスト300mをイメージしたものです。ラスト100mで切り替え、スパートする感覚を掴みます。
レペティション
400m×3(15’rest)
設定
①800mの一周目より少し速め。66″前後
②それより速く
③全力
最初は2本から行います。ペースを遅くして3本やるより、速い2本の方が効果的です。3本目は入りから突っ込んで、中間疾走を上手く走り、ラストスパートまでしっかりして出し切ります。
セット走(600m+300m)×2set
設定1’42″0、jog200m1’40″、35″+16″台
set間15′
600mはレースの入り〜600m通過をイメージ
つなぎは400トラックの場合は600m地点から50m進み、水濠で折り返して150m戻り、1500mのスタート位置から300mを走ります。ラストの300mは切り替え走でスパートします。
レペティション600m+400m+300m
設定1’42″、66″、47″を目標
800mレースペース、後はそれ以上で。
回復時間15’rest
1500m4’46″〜5’00″が必要なスピード持久力
目指すペースはこれです。
短距離タイプ〜中距離タイプ
200m38″1〜40″0
300m57″2〜60″0
400m76″3〜80″0
1000m3’10″7〜3’20″0
練習メニュー
インターバル300m×5×3
設定タイム57″2〜60″0
つなぎjog100m(インターバル走るタイムと同じ57″〜60″)
set間10’restまたはjog700m約7′
①②一定ペースでリズミカルに。
③3本まで一定、ラスト2本上げる-3″目標
レペティション
1000m+600m+300m(15’rest)
①1000mは1500mのペース3’10″〜3’20”
②600mは800mのペース1’42″目標
③300mは全力、400mのペース44″〜45″目標
このメニューは、1500m、800m、400mのスピードが全て入っています。
1本目は、余力を残したリラックスした走りを。
2本目は、予選の疲れがある決勝レースの入りをイメージして。
3本目は、スピード持久力のトレーニングであり、疲れがある中でも気持ちを切らさずに最後まで走りきる心の強さも試されます。
3000m10″33″〜11’06″が必要な持久力
ペースは
400m84″4〜88″8
1000m3’31″〜3’42”
インターバル400m×10本
設定84″4〜88″8
つなぎjog200m(インターバルで走ったタイムの2倍2’50″〜3’00”)
力みの無いリズミカルな走りを。
800mのために、必ず必要な練習ではありません。
バランス良くトレーニングしたいと考えて、もしやるとすればこの様なメニューになるという参考にしてください。
レペティション1000m×3(15’rest)
①3000mのペースより5″〜7″速く
3’25″〜3’35″スパート無し
②3’25″〜3’35″スパート無し
③3’20″〜3’30″スパート有り!
1500mより遅いペース、3000mより速いペース
この練習をしておくことで、3000mを走る時のゆとりが生まれます。
この練習も800m対策ではありません。
冬季練習や駅伝の時期にやれば良い練習です。
練習メニューのバリエーションとして参考にしてください。
一週間全体のメニュー
練習メニュー検索で、現在の3000mのタイムを基準にして選択してください。
基本的な持久力を強化する練習は、800mのタイムから算出するのでは無く、持久力の能力を現す3000mを基準にします。
jogやペース走は、総走行距離の大半を占める大切な基礎トレーニングです。
自分のレベルに合ったペースで、適度な距離をコツコツと練習しましょう。
無理に距離を伸ばしたりすると、極度な疲労で練習の流れもおかしくなります。膝などの怪我のリスクも高まるので、無理な走行距離を走る練習はやめておきましょう。
→練習メニュー検索で自分に合ったメニューを確認する。
怪我は予防して、練習を中断しないことが一番です。もし、怪我をしてしまった場合は、焦って練習を再開して再発しないように、充分注意してください。諦めてはいけません!!リハビリやその時にやれることをしっかりやっていれば道は開けます。
→しやすい怪我と対処
女子選手の注意点
中学生は、体が子供から大人へと成長する大切な時期です。思春期特有の体重の増加や月経による練習メニューの臨機応変な変更も考えておくべきです。
体重増加はほとんどの選手が経験するでしょう。その時に、焦って無理なダイエットはしない方が良いと思います。三食きちんと食べることも大切なトレーニングの一部です。
→中長距離ランナーの体重について
いくら練習で良い走りをしても、その後に栄養補給がされなければ体は回復しません。また、食事を抜くことで、体は脂肪を蓄えようとします。
これを機会に体について知識を深めると良いでしょう。
次に気をつけなければいけないのが、貧血です。女性は、月経による失血性の貧血になりやすいです。さらにアスリートはランニングの接地衝撃によって、足裏毛細血管内でヘモグロビンが壊れてしまう溶血になりやすいです。
→アスリートの貧血について
中学生+女子+アスリートという条件は、最も鉄分を必要としている世代です。食事はきちんと食べましょう。家族とも相談して、鉄分を多く摂れる食事にするなど協力してもらう必要もあります。その時は、感謝の気持ちを忘れずに。家族の支えがあって競技に集中できる環境が整います。
鉄分のサプリメントを利用するのも方法です。
鉄分の含有量が多く他のビタミン等も一緒に含んでいるものが良いと思います。
まとめ
一番大切なのは、レースペースの練習です。記録会や小さな大会に出ることが最も効果的な練習になると思います。
練習では、インターバルやレペティションでレースを分割したイメージをしっかり持って、ペース感覚やリズム感、後半の疲れ具合を感じておきます。
→レースを想定した走るイメージトレーニング
レースやタイムトライアルで、それをつなげて走ります。
レースを走ると、良かった点、悪かった点が分かります。
それをまた次の練習に取り入れて、どんどん自分なりの意識付けを加えて行くことが大切です。
予選会一発本番だけはやめた方が良いです。何度か記録会で自分のレース展開を試しておくべきです。
一人でも多くの選手が、全国のスタートラインに立てるように、また自己ベストを更新できることを願っています。
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