【フルマラソン以上やトライアスロンを目指す人向け】30km以上のLSDとエネルギー補給のトレーニング


LSDの効果とデメリットは、関連記事で紹介していますが、逆におすすめするケースがあります。中高生には絶対におすすめしませんが、超長距離をメインで活動する大人アスリートには時として必要な練習になります。
 
 

食事と自律神経の働き

通常は、運動中は交感神経が活発になり、消化吸収系の内蔵は機能しにくい状態です。だから、レース3時間前には食事を済ませるべきです。

日常で、ご飯を食べて胃の内容物を消化する時は、副交感神経が優位になります。副交感神経は休息時や睡眠時に優位になり、生命維持のために必要な機能の働きに関わります。

だから、昼ごはんを食べた後の授業中や、昼食後の運転中は眠くなりやすいのはその為です。

しかしながら、フルマラソンより長い距離の大会では、エネルギーが足りなくなるので、人間の自律神経の機能に逆らって、栄養を消化吸収しながら走るという厳しい行動を強いられます。慣れない人は腹痛を起こすでしょう。

腹痛を起こしにくいように、専用のエネルギージェル等はほとんど消化された状態になっており、ほとんど消化の手間をかけずに短時間に小腸から吸収されるようになっています。行動中でも摂取しやすいように粘度の高いドロドロな液状の商品が多いです。

他の自律神経の働きは、ストレッチやマッサージでも関係しています。
ストレッチと自律神経の働き
 
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身体の仕組みを理解した上での補給トレーニングLSD

このように、フルマラソンよりも長い超長距離の競技は、身体の仕組みもしっかり頭に入っていないと走り切れない過酷な競技です。それを理解した上で、補給を伴い消化吸収のテストを兼ねたLSDであれば有効だと考えます。

しかし、中学生や高校生、大学生、社会人で陸上競技のトラックレースに出場する選手は、LSDはあまりやらない方が賢明です。私はおすすめしません。

ハーフマラソンまでは体内のエネルギーで走り切れます。フルマラソンの30〜35kmで体内のエネルギーが切れる計算です。

あくまでも私の考えであり、補給するための基準を設けるための試算ですので、専門家が見ると違う数字が出てくるかもしれません。シビアに知りたいのであれば、専門の施設や企業に依頼して測定すれば、その数値は得られると思います。
 
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トライアスロンに向けたLSD

トライアスロンの場合は、ランでLSDをしなければならない訳ではありません。バイクを活用しましょう!アイアンマンに出る場合はラン単独でも補給LSDをすべきです。

ハーフアイアンマンまでなら、バイク60km+ラン10km等、合計時間が2時間半を超えるように距離を設定すれば、同じ効果が得られます。

私は、夏場にバイク100km(心拍70〜75%)+ラン5km(4’10〜20″)など、レースペースに近い強度で行っています。これは、LSDの心拍を超えた次の段階の練習ですが。

実験で、調子抜きの水分補給だけで、バイク何キロでエネルギー切れを感じるか試しました。バイク90kmくらいでした。全身に力が入らなくなるので分かります。ポラール等の心拍計ならそこまでの消費カロリー概算も確認できるので、おおまかなイメージは掴めます。

そこでコンビニに入って、食事休憩を挟み、練習を再開したことがあります。その場合は、コーラで単糖類とカフェイン、あんパンで単糖類と多糖類を摂りました。その時は腹痛にはなりませんでしたが、固形物は消化しにくくて、腹に残る感じはありました。これも実験です。
 
 

補給トレーニングLSDの次の段階、30km以上のjogでの補給トレーニング

ゆっくりなペースであるLSDで補給しながら走れたら、次は実戦のペースに近づくjogにペースアップします。もし、消化不良で腹痛や体調不良があった場合は、補給の量やタイミング、または種類を変えて再度やってみると良いでしょう。

一度に摂取する量が多いと上手く行かない場合があります。水分も併せて摂ることで吸収しやすいと思います。

最終的には、目指すレースペースで補給しながら走る練習が必要だと考えます。
 
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まとめ

30km未満の距離ならエネルギーは無補給で走れると思います。しかし、発汗によるミネラルバランスの崩れが原因で力が入らなくなったり、体調を崩すことがあります。

知識が足らない状態で無謀な挑戦はせずに、しっかりと必要な知識を学んでそれを試しながら距離を延ばしましょう。

私は、現在はトライアスロンを主にアスリート活動を楽しんでおり、総距離100km超え、総時間5時間半くらいの大会をメインに考えて取り組んでいます。

計画的な補給は必須であり、その為の準備もかなり必要になってきます。

初めてのこの距離では失敗しました。水分を摂り過ぎて腹痛になりました。エネルギー切れにはなりませんでしたが、相当のタイムロスをしました。

補給を伴う競技では知識は当然のことながら、経験が最も大切だと感じました。補給適正には個人差があり、自分に合った補給食を探すことも大事です。

最近では、それも含めてトライアスロンだと考えています。

陸上競技であれば、予選と決勝の間をどうやって過ごすか、何をどのタイミングで補給するか、昼寝はいつ何分するか、それが決勝でのパフォーマンスに大きく影響します。

最初は、先生や先輩たちに聞いたことをやると思いますが、自分でも根拠となる医科学的知識を調べて、自分なりのアレンジを加えることが大切だと思います。

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タイプ別5000m/3000mのペース配分の考え方


よく耳にするアドバイスは、
『入り1kmを突っ込んで、そのままいけるところまで行って、最後は粘れ!』

本当にこれでよいのでしょうか?
私は、このアドバイスは不十分だと思います。個人の持ち味に合わせたアドバイスがあるはずです。

予選、決勝、記録会等によって作戦は変わりますし、個人の持ち味(運動特性)によって適切なペース配分は違うと考えています。

学生の部活動では、顧問の先生によって、陸上競技経験者、未経験者、経験者であっても中長距離以外の種目が専門の先生もいます。的確なアドバイスをもらえない場合もあるかもしれません。
顧問の先生が陸上未経験者の場合、生徒はどうするべきか?
 
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持ち味に合わせたペース配分のアドバイス①
記録会等で記録を狙う場合の走り方

持久力タイプは、
イーブンペースが基本
入りを少しだけ速めにしてレースの流れに乗って自分に合うペースの集団に入る。
ここで無理をして速く入り過ぎて一つ上の集団に入ると後半で失速する可能性が高くなる。
中盤〜終盤は流れに乗って苦しいことろで少し落ちるけどリズムは崩さずに
ラストスパートでペースを戻す。

中間タイプは、
入り1000mを速めに入りリズムをつくる。
そのリズム(ピッチ)を維持する。
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ラスト1000mは一気に動きを切り替える。自分の得意な距離
強烈なスパートで前の選手をゴールまで抜き続ける。

瞬発力タイプは、
スピードがある瞬発力タイプの人は暴走注意
地面を蹴らない走りで腕振りもコンパクトにする。
自分の目標平均ペースより速めに入る。
そのリズム(ピッチ)を維持することを意識
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ペースが落ち過ぎるようなら腕振りでリズムをとって維持
ラストは自分が最後まで持つと思える距離(ラスト600m〜400m)から、短距離的なフォームに切り替えて一気にスパートで盛り返す。
ラストスパート次第で5″〜10″はタイム戻せる。

持ち味に合わせたペース配分のアドバイス②
大会で予選、決勝での着順を争う場合の走り方

持久力タイプは、
ラストスパートの切り替えが苦手
最後の直線勝負に持ち込まれると勝ち目は低くなるので、早めの仕掛けで余裕のある段階で自分が得意な展開に持ち込む。
ロングスパートを仕掛けるか、
前半から速めのペースでレースを展開して後続を振り落としておく。
前半から行く場合は、あらかじめペース設定を考えておき、後半ペースが落ちる区間が出て来るけど、リズムで粘って気持ちは切らさない。イメージトレーニングをしておく。持久力タイプの自分がキツイところでは、他の持ち味の選手はもっとキツイはず。そこで追いついて来るのは難しいので、一人でも逃げ続ける決意が必要。その流れで周りに何人かいれば、集団の力を借りてペース維持を。
そのままズルズルとペースダウンせずに、ラスト1000m過ぎたら行けると判断できるポイントでスパートをする。
この距離のスパートなら、この時点で後ろにいる中間•瞬発力タイプはスパートできる状態では無いし、先手を打って逃げ切る。可能ならラスト200m再度スパートをして全力を最後まで出し切る。

中間タイプは、
ラストの競り合いは強い。
前半〜中盤は前に出ずに、狙った順位の集団の中程で流れに乗って省エネで走る。
ラスト100m等短い距離の着順争いでは瞬発力タイプの人には敵わないので、早めの段階で良い位置に着けておく。
最低でもラスト500mの直線を利用して動き始め、コーナーでは無駄に外を走らず、遅くてもラスト300mでスパートを。
スパート、切り替えはじわじわ上げるのでは無く、一気に切り替える。
じわじわ上げると持久力タイプの人でも食らいつきやすくなる。
逆に、持久力タイプの選手に、ロングスパートをかけられた場合は、意を決してついていくか、ガマンして自分の得意なスパートの距離までリズムを保つ。
ついて行く場合は、長距離タイプに分があるので早い段階で前に出ず、後ろで流れに乗って力まずにそのリズムを盗む。リズム変化に対応。
長距離タイプからすれば、ついて来られることがプレッシャー。ラスト勝負は弱いので。
自分が自信のある距離までついて行ければそこからは予定通りの切り替えで再スパートする。

瞬発力タイプは、
ラスト100m〜150mの競り合いに強い。
一方で、前半からの速い流れや、中盤からのペースアップには対応できない人が多い。持久力が持たない。
レース序盤は狙う順位が見える位置で、ポケットされない身動きできる位置に入る。
レース自体が牽制し合った流れになればなるほど勝機が出て来る。
レース序盤、中盤で自分から余計な仕掛けはせずに、ひっそりと誰にも気づかれないように淡々と省エネだけを考えて身を潜める。
ラスト300mからスパートするタイミングを考えつつ、狙った順位の右後方で待機
スパートする時は一気に動きを切り替えて、後続が反応する前に加速する。

 
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まとめ

大会前や記録会前に、先生や先輩からペース配分のアドバイスをもらうことがあると思います。

自分からアドバイスを頼む場合と、相手が良かれと思って言ってくる場合があります。

どちらにしても、まず自分なりに一度考えることが大切です。

自分の考えと第三者のアドバイスが一致していれば、自信を持って臨めるでしょう。

また、違う場合はどう違うのか?
大体の考え方は同じで細かいペース配分が数秒違うのか、それとも真逆の様なアドバイスなのか。その場合はどちらを採用するのか。

最後に決めるのは自分自身です。

大会や記録会でいきなり試すのは、私はおすすめしません。レースがひとつもったい無いです。

私なら、練習のインターバルやレペティションで、次のレースで走るペース配分をイメージした練習をすることをおすすめします。

走るイメージトレーニングでレースを分割を詳しく見る。

インターバルをただやみくもに本数とタイムをこなすのか、何かをイメージしながら消化するのか、その後の結果は違ってきます。

イメージトレーニング、メンタルトレーニング、インターバル、レペティション
普段の練習が大会での走りににつながります。
 
 

中だるみを上手くする方法

レースで中だるみはつきものと言っても過言ではありません。オーバーペースで入れば確実にそうなります。その時にどう対処するか、どう備えておくかでタイムは変わってきます。

中だるみを上手くする方法を詳しく見る。

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部活動でレベルが違う部員たちと一緒に練習する方法

中長距離ブロック5人練習の計画

質問を受けた、ある高校の部活動に提案する練習の組み合わせ方です。同じような境遇の部活があれば参考になると思います。

条件は、火金土曜のみ合同練習。他は部活動なし。集まる3日の内、1日は中距離と長距離が分かれて専門練習を行います。
他の日は個人練習で補うしかありません。

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合同練習の日にポイント練習を持って来ます。
土曜日を専門練習の日とします。

基本的なメニューは、個人の持久力レベルに合わせたメニュー表からの選択になります。ですので、実力が近い選手でグループをつくってペース走をします。場合によっては個人です。ペース走とはそういうものです。実力が違うのに他人に合わせて行なう練習ではありません。1人でもリズミカルな走りで一定ペースを保つ練習をするべきです。

その代わり、ペース走後のプラスαは一緒に走ります。レペティションまたはインターバルです。タイム差をつけて、遅い人からスタートすることで、最後は競り合います。チームとしての一体感が生まれます。

タイム管理や練習内容の指示をする場面では、先輩やマネージャーのリーダーシップを養成する場面にもなり、部活動としては競技力向上以外の良い効果も期待できます。

 

大きな流れ

月、個人練習、基本jog(心拍65-70%)+流し×5
火、合同練習、ペース走(心拍80-85%)+レペ
水、個人練習、回復jog
木、個人練習、基本jog+流し×5
金、合同練習、ペース走+インターバル短い距離
土、合同練習、専門練習
日、完全休養日または個人で回復jog

 

補足説明

金曜のペース走の後の+インターバルは、
200m×5(800mレースペース設定)
つなぎjog200mを90″
または
300m×5(1500mレースペース設定)
つなぎjog100mを60″

各自の自己ベストのレースペースで細かく設定してください。各自が自分でタイムを測ること。遅い人から順番にタイム差をつけてスタートします。速い人が一番最後に出て、ゴールする時にみんなが競り合いになるイメージです。追いかけられる人は最後抜かれないように!追いかける人は最後に抜くつもりで!タイム差を正確にしてスタートすると面白い練習になります。マネージャーがいるのなら頼んでタイム差を読んでもらってください。

火曜のペース走後の+レペティションも同様のタイム差方式で走ると良いです。
1000m×2(15’rest)
1500mレースペースを目標にしてください。ラスト1本のラスト300mは全力でスパートです。
または
1000m+600m(15’resr)
1000mは1500mレースペースで。
600mは全力です。

土曜の専門練習は、メニュー一覧表から自分のレベルに合った好きなメニューを選べば良いです。
インターバル
レペティション
または、タイムトライアル

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まとめ

工夫次第で個人の練習がチームとしての練習にもなり、全員が個々の能力に応じた適切なトレーニングを楽しみながらすることができます。

私はそうやってチームや複数の教え子にアドバイスしてきました。

陸上競技は、究極の個人競技だと思います。
しかし、仲間がいることで個人の力を最大限に引き出すことができるのです。

先輩は先輩らしく、リーダーシップを発揮して後輩たちの良い見本になってください!後輩たちは先輩を助けてください。その経験は、社会に出た時に絶対に役立ちます。

私は、企業でリクルーティングや新人研修を担当していたこともありますが、部活動を真剣にやっていた人は社会人としてのスタートラインが全く違います。人間ができています。人間性が違います。その差は何年経ってもひっくり返らないと思います。それだけ、学生時代の部活動がその後に及ぼす影響は大きなものだと考えています。

強い学校、名門校には名物先生がいて絶大なカリスマ性があります。私が出会った名門校のOBはやはりしっかりした人が多いです。先入観もあるかもしれませんが。

そういう有名校はごく一部です。大半の学校は、名前だけの顧問だったり、競技経験が浅い先生だったりします。

私は、監督やコーチがいなくて困っている学生たち、社会人アスリートのお手伝いをします。あくまでもお手伝いです。私が長年の経験から作り上げたペース設定と練習メニューを紹介することで、コーチがいなくて困っているアスリートたちの役に立つことができるかもしれません。役に立ててもらえると嬉しいです。

実際に走るのはみなさんです。
私も社会人アスリートとして現在も走っています。

年齢や職業は関係なく、走ることを楽しむ仲間としてお互いにがんばりましょう!

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ファルトレク(スピード変化を極端に行い様々な効果を)

ファルトレクって何ですか?

ネットとかで見たことあるけど具体的に何をやって良いのかよくわかりません。
、、とよく聞かれます。

ファルトレクは、元はスゥェーデンの軍隊で行われていた隊員の体力養成訓練のひとつです。

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クロスカントリーの様な、自然の地形を利用して走り、木等の目印を利用してスピードの上げ下げを行ったり、教官が警笛を吹いたらダッシュ、再び吹いたらジョグ、のように自分の意思でなはく、第三者の合図によって一気にスピードを切り替える方法もあります。スピードプレイとも呼ばれています。

ここまでは、ネットや書籍で調べてもよく見られる文章ですね。

それでは、具体的な練習メニューとして私なりの解釈で、私がやっている内容を紹介します。

一人で練習する場合の単独ファルトレク

私はロードや河川敷の舗装路でやっています。
走る距離は最初に決めています。6〜10kmです。
基本となるペースはjogで、心拍60%〜70%の普段通りのjogです。
総距離10kmなら、1/3〜2/3をスピードアップして筋力と心肺機能に刺激を入れます。距離にして、3〜6kmは速いペースです。心拍75〜85%になります。

このスピードアップして走る3〜6kmを分割して、100m〜1000mで総距離10kmの中に散らします。

不規則に距離を散らす方法(思いつきで適当に!)と、規則的に散らす方法が考えられます。

不規則に距離を散らすメニュー例

思いつきで気ままに走る!

1km jog(累計距離)
100m上げ(1.1km)
300m jog(1.4km)
300m上げ(1.7km)
200m jog(1.9km)
200m上げ(2.1km)
500m jog(2.7km)
1km上げ(3.7km)
500m jog(4.2km)
500m上げ(4.7km)
500m jog(5.2km)
1km上げ(6.2km)
500m jog(6.7km)
200m上げ(6.9km)
100m jog(7.0km)
200m上げ(7.2km)
200m jog(7.4km)
500m上げ(7.9km)
500m jog(8.4km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.4km)
600m jog(10.0km)終了

上げる距離は適当です。上げるペースも適当です。最低限jogより速ければ効果があります。数回、かなりがんばったダッシュをしても良いでしょうし、快調走でも良いでしょう。5000mや1500mのレースペースを意識して走っても良いでしょう。

最初と最後だけは、アップとダウンでjogにします。止まらないで走り続けますので、短時間で練習が終わります。アップのjog1kmの後に、一旦止まって体操と軽いストレッチ、動的ストレッチをしてから再スタートでも問題ありません。

不規則適当バージョンの場合は、GPSウォッチがあると距離とペースが分かるので面白いと思います。無くてもできます。好みの問題です。

GPSウォッチについて。

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規則的に距離を散らすメニューの例

1km jog(累計距離)
100m×5(jog200mつなぎ)(2.5km)
200m上げ(2.7km)
200m jog(2.9km)
300m 上げ(3.2km)
300m jog(3.5km)
1km上げ(4.5km)
500m jog(5.0km)
1km上げ(6.0km)
500m jog(6.5km)
1km上げ(7.5km)
500m jog(8.0km)
100m×5(jog100mつなぎ)(9.0km)
1km jog(10km)終了

不規則メニューと同じ考え方です。
こちらは、距離を規則的に分散して、連続して走る軽めのインターバルといった感じにしています。個人的にはこちらが性格に合っており、こちらでやっています。
どちらにも共通して言えることが、練習が短時間で終わるということです。

ファルトレクは、特に寒い冬にオススメです。低温でスピードを出しにくい時も、ペースの上げ下げで身体がとても温まります。
ファルトレクの美味しい効果

普通のjogだと心拍数は一定か、後半ペースアップした分だけ少し上がります。淡々とリズム良く最後まで走る練習方法です。

ファルトレクは、ペースの上げ下げがあるので、スピードアップの時はjogでは使わない強めの筋力発揮が必要なので走りながらの筋トレになります。そして、心拍数も上がります。ここに意味があるのです。

スピードアップで上がった心拍数は、jogに移行してもしばらく高いまま維持されます。ここがミソです。筋力はjogで休めながら心肺機能を高めるために必要な心拍数は高い状態を維持できる、とても美味しいメニューです。jogに移行して心拍数は徐々に下がり、そのままjogを続ければ心拍60〜70%の通常の有酸素運動の領域に留まります。

しかし、心拍数が下がりきる前に再度スピードアップをすることで、心拍数は上昇し80%前後で走ることになります。がんばり度合いによっては85%を超えます。

この80〜85%が有酸素性作業閾値(AT)、乳酸性作業閾値(LT)と呼ばれる長距離走トレーニングにとって重要な領域になります。

長距離走はこのAT、LTを向上させることで速くなります。

最も効果的なAT向上のトレーニングは、AT域での20分走を2回、心拍70%のjog5′(1km前後)でつなぐトレーニングです。5000m14分後半レベルの選手で3分20秒ペースくらいになりますので、6000m×2になります。たいていの市民ランナーは20分に合わせると時間的に5000m×2になります。

これが、いわゆる『ペース走』というものです。私のホームページでは、距離が長めのペース走と区別するためにATペース走やAT走と呼んでいます。

ファルトレクはATを分散して走るイメージで、jogで休憩するので比較的ラクに高い心拍数を保てます。本格的な陸上競技のトレーニングを行う前段階に、準備として走っておく練習にぴったりです。
ファルトレクで速く走る区間のスピードをさらにアップした場合

ペースアップした時を5000mや1500mのレースペースまで上げてしっかり走れば、インターバルトレーニングの効果も生まれます。この場合は、ペースアップ状態からjogに移行しても、心拍数はしばらく上がり続け、1kmくらいの長めのペースアップをすれば90%を超えます。つなぎのjogの間も90%〜85%〜80%〜75%というように高めの心拍数を維持することになります。

 

グループで行うファルトレク(2人以上)

内容は単独で行うファルトレクと同じです。

複数で行う場合は、距離で役割を分担するのがわかりやすいでしょう。

例えば、5人で総距離10kmのファルトレクをやるとします。

1kmごとにリーダーを交代することにして、リーダーは与えられた1kmの区間で距離とペースを不規則に上げ下げします。他の人は、リーダーが上げ下げしたペース変化に即座に対応して一緒に走るようにします。これは、レベルの高い話では予選レースのゆさぶりや予想外のスパートに対応するトレーニングにもなります。

最初と最後の1kmをアップとダウンにして、仲間と順番を相談しながらアップをして、良かった点や反省点等を話ながらダウンをするのも楽しいでしょう!

また、複数で行う場合の注意点としては、実力の違うメンバーで一緒に走る場合は、実力が劣る人の総距離を短く設定すると一緒に走れるでしょう。その際は、野外で周回コースを設定して走れば、何周目に抜けて休憩して、次の周回で復帰する等の応用も効きます。

速い選手にとってはATレベルのファルトレクでも、遅い選手にとってはインターバルレベルのファルトレクになります。その時は、得られるトレーニング効果や走る距離が異なりますが、レベルが違う人たちが一緒に効率的なトレーニングができる仕掛けをつくることができます。これはコーチ目線ですが、部活動やクラブチームで、指導力のある人は提案してみんなでやってみてはいかがでしょうか?いつもと違った面白いトレーニングになると思います。

 

まとめ、ファルトレクが効果的な理由

長距離走のトレーニングで持久力を高めたい時は、いかに長く心拍数を高い状態で過ごすことが重要になってきます。

ファルトレクでは、スピードの上げ下げをすることで、心拍数が高い状態が細切れに分散する訳ですが、心拍数が高い状態の積算時間はスピードを出して走っている時間よりも長くなります。

繰り返しますが、スピードアップした後のつなぎのjogの時も心拍数が高めから徐々に落ちて行き、体はjogをしているけど、心臓はスピードアップの余韻で高いままだということです。

筋力を休めながら心肺機能に適度な刺激を入れることです。

普通のjogだけでは得られない筋力アップ、ペース変化への対応力、フォームの切り替えが自然に身につきます。

スピードをあまり出さない冬季練習や、シーズンイン前のスピード練習導入時期にも適しています。

機会があったらぜひ練習に取り入れてみてください!



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元陸上部が練習を再開して、最初の一カ月にやるべきこと。

受験後の再スタート、病気や故障後の再スタート、引退して競技から遠ざかっていたけど気持ちを新たに再スタートしたいと考えている人は多いと思います。

走ることを再開する、その決意の大きさは人それぞれ違います。

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元陸上部ということであれば、落ちた持久力や筋力を戻していく練習になってきます。

初めの一か月はジョギングが基本になります。具体的なメニューは後で説明します。

練習の再開を思い立ったなら、ランニング練習とは別にすぐに毎日のストレッチを日課にしてください。就寝前に毎日実施してください。静的ストレッチを長めに痛気持ち良くやることで、副交感神経が働いて寝つきがスムーズになります。睡眠の最初が成長ホルモンが最も分泌される時です。柔軟性の確保と質の高い睡眠、疲労回復等の多くの効果が期待できます。

また、疲労からしっかり回復することが次のトレーニングをするために最も大切なことになりますので、三度の食事はしっかりとってください。また、運動直後30分以内と就寝前にプロテインやアミノ酸を摂取することで疲労回復が促進されます。

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第1週
主観的には気持ち良いペース、具体的には心拍60%〜65%のジョグを1日置きで週に3、4日ランニングをしましょう。時間で管理するなら30分程度で。距離なら5〜6kmになると思います。2日続けると筋肉痛から回復できないので、最初は無理せずに。ジョグの後に、軽めの流し100mくらいを3〜5本入れて筋力を戻しましょう。

第2週
心拍70%のジョグにペースアップ。主観的には気持ち良く走れるキツくない速めのジョギングです。1日置きで週に3、4日のランニング。時間なら40分程度、距離なら7、8kmになるでしょう。ジョグ後の流しを5本入れましょう。第1週よりも流しのスピードアップして走りのキレを出します。

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第3週、第4週
週に5日走ります。曜日を例にして紹介します。徐々に走るペースの幅を広げて速い動きを入れていきます。週に2日は計画的に休んで疲労回復に努めます。

月、休み

火、基本jog30’〜40′(気持ち良い速めのジョギングペースまたは心拍65〜70%)、流し100m×5

水、ビルドアップjog8km、流し100m×5
(気持ち良いペースから走り始めて、少しキツいくらいまで。または、心拍65%→80%)

木、休み

金、(火曜日と同じメニュー)

土、アップjog2km、流し×5、1km×3(5’rest)、ダウンjog1km
1km×3は心拍80〜85%で。ビルドアップのラストより速く走る程度で無理せずに。翌週からペース走(心拍80%)をするための準備です。

日、回復jog30’または6km(ゆっくりまたは心拍60%)
筋力を休めたいので流しはしません。

第5週
現在の5000mのタイムを予想してください。元陸上部員ならだいたいの見当はつくと思います。希望的予想で速すぎる予想をしないことです。速すぎるより少し遅い予想の方が、再開メニューとしては確実です。その予想タイムを元に練習タイムを設定します。

こちらのページから自分に合ったレベルを選択してください。

第5週からは、通常の基本メニューを基準にしてメニューを考えれば良いでしょう。基本メニューのペース設定は走力レベルに合わせてあるので、無理にペースを上げる必要はありません。筋力の戻り具合を自分で感じながら、欲張らずに距離を8割程度に短くしても良いでしょう。

もし、距離を8割程度に短くするなら、1週間か2週間はそのままで良いです。余力があるなら、流しのスピードを上げて動きのキレを出したり、インターバルやレペのラスト1、2本をページアップして、実戦的なスピード感覚と筋力を戻すことを意識しましょう。

以上が、大まかな流れと考え方です。

再開してすぐに気をつけること。

トレーニングを中断する前の自分と比べて、持久力や筋力が落ちていて別人の身体に思うでしょう。それでがっかりすると思います。

しかし、それはトレーニングを中断した人が全て感じることです。考え方によっては、トレーニングを中断する以前の自分は今よりも強かったということです。

無理をして、いきなり昔のペースで練習してはいけません。オーバートレーニングは怪我の原因になります。

今の自分のレベルを客観的に捉えて、レベルに合ったペースと距離でコツコツ練習を続けましょう。

まとめ、再開後の目標は個々に違う。

コツコツとトレーニングを継続すれば、年齢にもよりますが以前の自分を超えることができるでしょう!中学から高校、高校から大学なら必ずベストを出せます。出せない場合は何か原因があります。

大学卒業後の社会人アスリートも工夫次第で自己ベストを狙えます!

しかし、30歳以上の人にとっては、トレーニングの大きな中断はかなり厳しいものになります。焦らずに、今の自分を超えることを目標にして自分と向き合えるランニングを楽しみながら体力向上をしていけば、いつの間にか昔の自分に近づくことができるでしょう。

ただし、怪我には充分注意してください。若い頃より怪我しやすくなっていると思います。筋力低下、筋肉の柔軟性低下が大きな要因だと考えられます。
加齢による筋力低下と怪我の予防について詳しく見る。

無責任に、全員が昔の自分を超えられるとは言えません。そんな簡単なものではありません。

過去に完全燃焼するまで競技をやってきた人は若い頃の自分を超えられないでしょう。肉体は加齢により老化していきますのでそういうものです。30歳未満であれば加齢による影響はほとんどないはずです。身体が動かないのは、加齢のせいではなくトレーニングの中断により全ての身体能力が低下しているためです。

年齢を重ねたらその年齢でのランニング、陸上競技、その他トライアスロンやロードバイクなどの楽しみ方があります。陸上競技のマスターズやトライアスロンのエイジカテゴリー(年代別表彰)では同世代と競い合う楽しみがあります。

一方、若い頃に陸上競技を完全燃焼するほどの取り組み方をしていなければ、30歳を過ぎても自己最高のタイムを出すことは可能です!失礼な言い方かもしれませんが、、。

それぞれの環境で、再開後の目標は大きく異なりますが、大切なのは再開しようと思えたその気持ちです。自分と向き合って全力を出せることはなかなかありません。

後悔のないように今やれることを楽しみましょう!

数日間〜一週間程度のトレーニングの中断後の再開メニューはこちらです。
学生のテスト期間部活停止や社会人の出張、残業の時等
短期間のトレーニング中断後の再開方法を詳しく見る。

私のランニングバイブルです。10年以上前の本ですが、運動生理学の基本は普遍です。中長距離を深く追求したい方は読んでみてはいかがですか?
中長距離ランナーの科学的トレーニング

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トライアスロン入門書

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自分に合ったジョギングペースを明確に言えますか?



みなさんいかがですか?

ジョグのペース、軽いジョグ、速いジョグ、ペース走、、、どうでしょうか?

陸上部の選手でも、感覚的にはわかっていても明確に言える人は少ないと思います。

ここではそれを説明します。

 

結論は

速めのジョグ(心拍75%)

基本のジョグ(心拍70%)

回復ジョグ(心拍60~65%)

が目安になります。

5000m15’00″レベルの選手なら、
速めのjog3’57”
基本のjog4’12”
回復jog4’41”

5000m17’30″レベルの選手なら、
速め4’37”
基本4’54”
回復5’27”

走力、レベルによって最適なジョギングのペース設定がこんなに違います。部活動やクラブチームで、レベルが違う人たちが集まって一緒にjogをすると、誰かはちょうど良くても、他の人は速過ぎたり、遅過ぎたりします。

 

大半の人は遅めのジョグを日常的にしていると思います。

このホームページの、タイムの一覧表から、現在の自分に合ったジョギングのペースがわかるようにしていますので、ぜひ参考にしてみてください!
タイム設定一覧表を見る

トップページの練習メニュー検索で、自分の条件を選択していけば、自分に合った練習メニューと設定ペースにたどり着きます。
練習メニュー検索をしてみる

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まとめ

最適な練習ペースとは、必要最小限このペースで走れば効果的なものだ、と私は考えています。

若い頃、初めて陸上部に入って先生の言いなりで、「今日のメニューは60分ジョグだ。みんなで走って来い!先輩は新入部員をちゃんと面倒見ろよ!」という具合でした。

何年か経って、自分で考える力や調べる必要性が出てきて、正しい知識を得た時はとても驚きました。目の前に道が開けたように感じたのを覚えています!

部活やチームの伝統と言いますか、悪しき習慣と言いますか、根拠の無い指導やアドバイスを受けて、とんでもない方向に向かって走っている人達がいると思います。

このホームページ、ブログ記事がそんな迷える未来のアスリート達にとって道標になれば良いと考えています。

自分は間違ったことをしている!

そう気がついた時が、正しい方へ方向変換する時です。