タイプ別5000m/3000mのペース配分の考え方


よく耳にするアドバイスは、
『入り1kmを突っ込んで、そのままいけるところまで行って、最後は粘れ!』

本当にこれでよいのでしょうか?
私は、このアドバイスは不十分だと思います。個人の持ち味に合わせたアドバイスがあるはずです。

予選、決勝、記録会等によって作戦は変わりますし、個人の持ち味(運動特性)によって適切なペース配分は違うと考えています。

学生の部活動では、顧問の先生によって、陸上競技経験者、未経験者、経験者であっても中長距離以外の種目が専門の先生もいます。的確なアドバイスをもらえない場合もあるかもしれません。
顧問の先生が陸上未経験者の場合、生徒はどうするべきか?
 
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持ち味に合わせたペース配分のアドバイス①
記録会等で記録を狙う場合の走り方

持久力タイプは、
イーブンペースが基本
入りを少しだけ速めにしてレースの流れに乗って自分に合うペースの集団に入る。
ここで無理をして速く入り過ぎて一つ上の集団に入ると後半で失速する可能性が高くなる。
中盤〜終盤は流れに乗って苦しいことろで少し落ちるけどリズムは崩さずに
ラストスパートでペースを戻す。

中間タイプは、
入り1000mを速めに入りリズムをつくる。
そのリズム(ピッチ)を維持する。
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ラスト1000mは一気に動きを切り替える。自分の得意な距離
強烈なスパートで前の選手をゴールまで抜き続ける。

瞬発力タイプは、
スピードがある瞬発力タイプの人は暴走注意
地面を蹴らない走りで腕振りもコンパクトにする。
自分の目標平均ペースより速めに入る。
そのリズム(ピッチ)を維持することを意識
徐々に中だるみするけど無理して上げない。
ペースが落ち過ぎるようなら腕振りでリズムをとって維持
ラストは自分が最後まで持つと思える距離(ラスト600m〜400m)から、短距離的なフォームに切り替えて一気にスパートで盛り返す。
ラストスパート次第で5″〜10″はタイム戻せる。

持ち味に合わせたペース配分のアドバイス②
大会で予選、決勝での着順を争う場合の走り方

持久力タイプは、
ラストスパートの切り替えが苦手
最後の直線勝負に持ち込まれると勝ち目は低くなるので、早めの仕掛けで余裕のある段階で自分が得意な展開に持ち込む。
ロングスパートを仕掛けるか、
前半から速めのペースでレースを展開して後続を振り落としておく。
前半から行く場合は、あらかじめペース設定を考えておき、後半ペースが落ちる区間が出て来るけど、リズムで粘って気持ちは切らさない。イメージトレーニングをしておく。持久力タイプの自分がキツイところでは、他の持ち味の選手はもっとキツイはず。そこで追いついて来るのは難しいので、一人でも逃げ続ける決意が必要。その流れで周りに何人かいれば、集団の力を借りてペース維持を。
そのままズルズルとペースダウンせずに、ラスト1000m過ぎたら行けると判断できるポイントでスパートをする。
この距離のスパートなら、この時点で後ろにいる中間•瞬発力タイプはスパートできる状態では無いし、先手を打って逃げ切る。可能ならラスト200m再度スパートをして全力を最後まで出し切る。

中間タイプは、
ラストの競り合いは強い。
前半〜中盤は前に出ずに、狙った順位の集団の中程で流れに乗って省エネで走る。
ラスト100m等短い距離の着順争いでは瞬発力タイプの人には敵わないので、早めの段階で良い位置に着けておく。
最低でもラスト500mの直線を利用して動き始め、コーナーでは無駄に外を走らず、遅くてもラスト300mでスパートを。
スパート、切り替えはじわじわ上げるのでは無く、一気に切り替える。
じわじわ上げると持久力タイプの人でも食らいつきやすくなる。
逆に、持久力タイプの選手に、ロングスパートをかけられた場合は、意を決してついていくか、ガマンして自分の得意なスパートの距離までリズムを保つ。
ついて行く場合は、長距離タイプに分があるので早い段階で前に出ず、後ろで流れに乗って力まずにそのリズムを盗む。リズム変化に対応。
長距離タイプからすれば、ついて来られることがプレッシャー。ラスト勝負は弱いので。
自分が自信のある距離までついて行ければそこからは予定通りの切り替えで再スパートする。

瞬発力タイプは、
ラスト100m〜150mの競り合いに強い。
一方で、前半からの速い流れや、中盤からのペースアップには対応できない人が多い。持久力が持たない。
レース序盤は狙う順位が見える位置で、ポケットされない身動きできる位置に入る。
レース自体が牽制し合った流れになればなるほど勝機が出て来る。
レース序盤、中盤で自分から余計な仕掛けはせずに、ひっそりと誰にも気づかれないように淡々と省エネだけを考えて身を潜める。
ラスト300mからスパートするタイミングを考えつつ、狙った順位の右後方で待機
スパートする時は一気に動きを切り替えて、後続が反応する前に加速する。

 
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まとめ

大会前や記録会前に、先生や先輩からペース配分のアドバイスをもらうことがあると思います。

自分からアドバイスを頼む場合と、相手が良かれと思って言ってくる場合があります。

どちらにしても、まず自分なりに一度考えることが大切です。

自分の考えと第三者のアドバイスが一致していれば、自信を持って臨めるでしょう。

また、違う場合はどう違うのか?
大体の考え方は同じで細かいペース配分が数秒違うのか、それとも真逆の様なアドバイスなのか。その場合はどちらを採用するのか。

最後に決めるのは自分自身です。

大会や記録会でいきなり試すのは、私はおすすめしません。レースがひとつもったい無いです。

私なら、練習のインターバルやレペティションで、次のレースで走るペース配分をイメージした練習をすることをおすすめします。

走るイメージトレーニングでレースを分割を詳しく見る。

インターバルをただやみくもに本数とタイムをこなすのか、何かをイメージしながら消化するのか、その後の結果は違ってきます。

イメージトレーニング、メンタルトレーニング、インターバル、レペティション
普段の練習が大会での走りににつながります。
 
 

中だるみを上手くする方法

レースで中だるみはつきものと言っても過言ではありません。オーバーペースで入れば確実にそうなります。その時にどう対処するか、どう備えておくかでタイムは変わってきます。

中だるみを上手くする方法を詳しく見る。

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