部員やクラブチームの状況によっては、こういう状況になります。
高校生なら、都道府県高校駅伝は男子総距離42.195kmを7人で、女子21.0975kmを5人で襷をつなぎます。
男子10km-3km-8.1km-8.1km-3km-5km-5km
女子6km-4.1km-3km-3km-5km
中長距離選手が何人いて、足りないのは何人なのかでオーダーは変わります。基本的に短い距離から短距離選手を充てます。同じ距離なら後ろの区間からです。
不足する人数に応じたオーダーの考え方
不足1人の場合
男子5区の3km、女子4区の3kmを短距離選手に走ってもらいます。
不足2人の場合
男子2区と5区の3kmを、女子3区と4区の3kmを短距離選手に走ってもらうのがベストです。速い人を2区です。
不足3人の場合
男子2区と5区の3km、6区の5kmを、女子2区4km、3区と4区3kmを短距離選手に。
不足4人の場合
男子2区、5区の3kmと6区、7区の5kmを短距離に。女子はこれ以上は無いでしょう。
さすがにこれ以上の不足人数で駅伝に臨むことは無いと思いますが、、。
一応、不足5人の場合
中長距離選手が、男子1区10km、3区8.1kmです。
短距離選手にさせる長距離練習の具体的な内容
3km担当の場合
メニュー①
1000m×3本を15’restでレペティション
設定タイムは、3kmの目標タイムを3で割ったものよりも速く。
1本目は、駅伝の入り1kmをイメージして。
2本目は、1本目より速く走りラストスパート無し。
3本目は、全力で、ラストスパートもする!
メニュー②
ペース走3km×2本(10’rest)+1km×1
駅伝で走る距離をペース走でゆとりと持って走ることで、リズミカルな省エネ走法を走りながら考えてもらう。
ラストの1kmはみんなで全力1本
メニュー③
100mを反復する練習
中長距離選手にとっては、基礎的なスピード練習としての位置づけですが、短距離選手にとっては長距離を走るためにリラックスした省エネフォームで必要最低限の努力度でいかにそのスピードを出すかを研究する良い練習になります。
目標とするレースペース(駅伝が3kmや5kmならそのペース)で走る場合と、それより速く走ってスプリンターとしての基礎的な能力を落とさないようにするための練習が出来ます。後者の場合は、400mのレースペースが練習ペースに適していると思います。しかし、時期的に気温も下がって来ますので、無理に速く走らずに男子なら100m13~14″程度、女子なら100m15~17″程度でも良いでしょう。
この三つのメニューを上手く組み合わせて、ペース走を週に1か2回、1km×3レペと100mを反復する練習を各1回均等に振り分けます。
例えば、こんな感じでメニューを配置します。
月ペース走
火回復jog4~6km
木レペ
金回復jog4~6km
土ペース走、または100mを反復する練習
日完全休養日
二日続けて、①②③のメニューを行わずに一日おきに実施しましょう。回復することも大切なトレーニングの一部です。無理をしてケガをしたり、体調を崩す事が無いようにきちんと配慮してください。
必要な長距離練習期間は?
都道府県高校駅伝は11月上旬です。
10月上旬にトラックレースを終えて、冬季練習前の基礎トレーニングとして位置付けて3週間は長距離練習期間にあてたいところです。
もし、9月末にトラックレースのシーズンを終えているなら、その後から駅伝練習を導入して良いでしょう。
短距離選手が行うべきjogのペースは?
短距離選手は遅いjogをさせない方が良いです。速めで短めのjogをアドバイスしてください。遅い動作は専門種目である短距離の動作を阻害します。
LSD、ロングスローディスタンスのデメリットとLSDをやるべき人
具体的なjogのペースは、その人の持久力レベルで変わります。短距離選手なら3000mのベストタイム(予想でも可)から算出します。
高校生でも、練習メニュー検索の中学生を選択して、3000mの記録を選んでください。専門種目は800m-1500mで良いです。タイプは瞬発力タイプを選んでください。先に紹介したよりも専門的な練習メニューが出て来ます。もし、そちらをやりたいと言う短距離選手がいたら教えてあげてください。
まとめ
何も当てが無いところから短距離選手の練習を考えるより、ここで紹介した練習メニューを元にしてアレンジしても良いでしょう。
専門種目が違う選手同士が1本の襷をつないでゴールを目指す。素晴らしいことだと思います。高校生にしかできないことですね。
どうせ走るなら1秒でも速くゴールしたいものです。
無理の無いメニューで、短距離選手にケガをさせないように気を配って上手く練習するようアドバイスしてください。短距離選手が長距離を走るメリットは、冬季だからこそあります。夏場は走らない方が良いですが。基礎的な持久力を強化するために前向きに取り組んでくれると良いですね。
そして、長距離選手がトラックシーズンに短距離選手不足の学校ならマイルリレーを走ることがあるかもしれません。その時は、快く承諾して走ってください!長距離選手が短距離を走ることは大きなメリットがあります。特に若い選手にとっては必要なことです。そういった状況を逆に利用して、自分が強くなるために苦手を克服することも大切なことです。