立ちくらみは貧血のサイン
日常生活で立ちくらみをする人は貧血を疑ってください。
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貧血気味、貧血が改善するだけで中長距離走のタイムが伸びます!私の教え子で、5000m17’30″→16’40″まで一気に伸びた選手もいました。同じ練習をこなしていてこれだけの差があります。私以上に本人が驚いていました。
血液の赤血球数はとても重要です。
強くなるために必要なことは練習だけではありません。正しい知識も必要です!
中長距離選手は貧血に注意!!
アスリートの中でも特に、中長距離ランナーは貧血になりやすいです。
走る度に足裏の毛細血管内で、接地の度に赤血球が壊れます。これを溶血と言います。毎日6000歩〜1万歩近く走っています。
酸素が筋肉や肝臓のグリコーゲンをエネルギーに換える時に必要だという話は以前にしました。→エネルギー供給系の説明
赤血球のヘモグロビンが酸素を運びます。ヘモグロビンは鉄分がないと作られません。そして、鉄分は身体でつくることはできません。食べ物から摂るしかありません。
三食きちんと食べることが基本になります。いくら練習しても食べない人は消耗するだけです。
トレーニング
食事、栄養
休養、回復
このサイクルが大切です!
これをひたすら繰り返すのです。
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サプリメントの活用
鉄分は、食事だけでは補いにくいのでサプリメントを活用しましょう!ビタミンBやC、亜鉛、葉酸等、鉄分の吸収を助けるミネラルもあります。鉄分だけ多く摂れば良いという訳ではありません。バランスが大切です。サプリメントは、あくまでも栄養補助食品です。食事を摂らずにサプリメントだけで大丈夫!と思われがちですが、それではいけません。食事もしっかり食べましょう!
食事やサプリメントを摂取する前後30分以内は、タンニンを含む飲み物は避けてください。
タンニンが鉄分の吸収を阻害します。コーヒー、緑茶、紅茶等がタンニンを含みます。
鉄分のサプリメント
鉄分の含有量が多く他のミネラルも一緒に含んでいるものが良いと思います。
鉄分の貯蔵量と毎日の損失量
人の身体に貯蔵されている鉄分は、体重の約0.005%です。60kgの人で約3gです。ほんのわずかですが、この数グラムがあるかないかで健康状態は全く異なります。
そのうち約2gが血液中のヘモグロビンとして、残り約0.3gは筋肉中のミオグロビンとして、残り約0.7gは肝臓、脾臓、骨髄、腸に貯蔵されています。
1日に1mg(ミリグラム)が排出されると言われています。ミリグラムは1/1000グラムです。それは普通の生活時の排出で、アスリートはさらに損失分があります。発汗による損失と毛細血管内でヘモグロビンが壊れる溶血があり、プラスして約2mg損失します。1日の合計約3mgの損失です。
でそれを補うためには10倍の30mgを摂取する必要があります。
女性は男性よりも鉄分が必要
特に、女子中学生•高校生は最も鉄分が不足して貧血になりやすい年代と言われています。女性は、月経による失血性の損失により、男性よりも鉄分の損失が多くなります。これに加えて、無理なダイエットやお菓子中心の偏食になりやすい年代です。
一般の2倍、20mgを摂るように心がけましょう。アスリートじゃなくても女性は不足がちなので、中長距離選手ならなお更意識して、先ほどの20mg+アスリート損失補填分20mg=40mgの鉄分を含む食品やサプリメントを摂る必要があります。
ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分にはヘム鉄(動物性)と非ヘム(植物性)鉄があり、吸収率はヘム鉄の方が何倍も高いです。理由は、ヘム鉄は小腸ですぐに吸収されます。非ヘム鉄は吸収するのに一手間かかるため時間がかかります。
このため、非ヘム鉄はコーヒー等のタンニンを含む飲み物の影響を受けて吸収を阻害されます。ヘム鉄はタンニンの影響を受けにくいと言われる説もあります。
しかし、動物性のヘム鉄だからと言って、コーヒー等と一緒に摂るのは避けた方が賢明です。せっかく摂った鉄分が流れてしまうデメリットの可能性をわかっていて、コーヒー等を飲むメリットはありません。
以上の理由から、アスリートはヘム鉄を含む動物性の食品を積極的に食べましょう!
食後のコーヒーや紅茶、食事中の緑茶はやめましょう!
鉄分を多く含む食品
最も鉄分を含む食材の一つとして、有名なものは豚レバーです。60gに鉄分7.8gが含まれています。吸収率約10%ですが、調理時の下処理や加熱方法によってさらに損失します。短時間の焼き料理の時が損失が少なくなります。
さらに興味がありましたら、栄養や料理のサイトで調べてみてください。
貧血の種類
失血性貧血
女性の月経や、ケガ等によって血が流れ出ることが原因となるもの。
献血によるヘモグロビン数の減少→関連記事を参照してください。
鉄欠乏貧血
鉄分の損失を補えず、体内の鉄分が不足している状態です。
発汗による鉄分の損失
日常生活中の鉄分の排出
ランニングの接地衝撃による足裏毛細血管内での溶血
または、病気
女性は、両方の可能性が常にありますので、男性以上に身体の知識を深めて、良好な健康状態を保つことが大切になります。
まとめ
陸上競技、市民ランナーのフルマラソン完走目的、トライアスロン、どのスポーツでもただ練習するだけではパフォーマンス向上は望めません。
正しい知識があって、初めて効率的な練習メニューを組むことができます。
いくら効率的な練習をしていても、乱れた生活習慣や栄養失調、睡眠不足の状態では練習の効果は望めません。
規則正しい生活、睡眠時間の確保、適切な栄養補給、健康管理、体調管理が揃って、初めてパフォーマンスが向上するための基礎ができてきます。
貧血は、持久系アスリートにとって致命的です。有酸素運動には酸素の運搬能力は欠かせません。陸上競技の種目によって、使われるエネルギーが異なりますので、それも頭に入れておくと良いでしょう。
→ランニングのエネルギー供給系の説明
自分に足りないもの、ダメな部分を、練習日誌の項目に新たに加えることで自己管理できるようになります。→練習日誌の説明
スポーツと栄養について、勉強することは大切です。最初はなるべく簡単な本で基本的なことだけをおさえておくと良いでしょう!
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