冬の走り込みやトレーニングの中断等でスピードが出せなくなった。感覚が悪くなった。どうすれば良いですか?
と何人からも質問を受けました。
スポンサーリンク
私なりの考えと解決方法を紹介します。
冬季の寒い時期や初心者がスピード練習をする初期段階なら
100m×10本×3set
トラックなら直線100を速く走り、コーナー100を速歩きまたはゆっくりjogでつなぎます。50″〜60″くらいになります。
シューズで良いです。
暖かくなってからスパイクで構いません。
直線は、レーススピードをイメージしてください。
ロードで距離を計測してやっても良いです。
まずは、1500mのスピード感です。
4’00がベストなら16″0ペースです。
4’30なら18″0です。
自分のベストタイムのペースでやりましょう。
最初は+1″0かかって良いです。
スピード感が戻ってきたら16″0を目指してください。
いかにラクをしてそのスピードを出すか!
これを考えてください。
走り方は、加速走で。
リレーゾーン前後の青い線の手間からなら10m長いので、そこから加速して、100のラインでストップウォッチ押して、ゴールラインでラップ押します。
私は片手に外したストップウォッチを持ってこれをやっています。
立ち止まった状態から走るとダッシュした時に力むので、加速でサーっと走り出します。
これをひたすら繰り返してください。一本ずつタイムを確認して、走った感覚とどれだけ違うかチェックします。
一本一本意識を少しずつ変えてタイムがどう変化するかを見ながら、余計な力を使わずに柔らかく、速く身体を動かすことを意識してください。
ここで、力まないように意識、、、だと具体的にどうすればよいかわかりません。
ですので、腕振りは肘を引く瞬間だけ力を入れる、反対の腕は勝手に前に戻る。
膝を前に水平に飛ばすように、飛ばす時にだけ力を入れる。反対の脚は勝手に地面を押している。
腕振りを前に意識する人なら、腕を前に出すか瞬間だけ腰の前に低いパンチを打つように。反対の腕は勝手に引けます。
パンチする側の足が接地した瞬間にパンチを打つことになります。自然と接地足に重心が移りますので、軸をしっかり保って、反対脚の膝を前に飛ばします。
骨板は常に少し前傾をキープしておく。これで腰にアーチができて体幹が適度に締まります。
こんな感じでどうですか?
イメージできますか?
自分なりの意識があればそれを1つずつ丁寧に意識します。数本ずつ意識するポイントを変えていきます。真剣に一歩一歩意識していたら、いつの間にか10本終わってます。
中長距離選手の技術練習
私は、これを右半身だけを意識して走る時、左半身だけを意識して走る時にわけてやっています。
いきなり左右を意識すると、やりたいことの焦点がぼやけてただ走ることになってしまします。右か左の片半身の動作だけに意識を集中すると動作しやすいです。しかも、意識していない方の半身も反射で同じ動きをするので、無駄な力が入らないスムーズな動きになると思います。そして、タイムは意外に落ちません。普段いかに無駄な力を入れて走っているかがわかると思います。
フォームに悩みや迷いがある人はぜひやってみてください!
この左右の意識切り替えの考え方の応用練習で、100m加速走をしている中で、前半は左で、後半は右で切り替えてみたり、jog10kmする時も2kmごとに左右の意識を切り替えることもできます。私のjogは常にこれです。
話をメニューに戻します。
100m×10本×3setの練習にかかる時間ですが、
100m加速走のタイム約20″×10回で3’20″、つなぎ1’が9回で9’、合わせて約12’で2000m終わることになります。
セット間はゆっくりjog1000mでつないでください。5’30〜6’00でもOK。次に意識するポイントを回復しながら考えて整理してください。そして、そのまま次のセットへ突入です。これを繰り返します。
3set全部ぶっ続けで走ることになります。
最後のセットが終わってもjog1000mして、その時は練習全体を反省しながら次回の課題を考えてください。
トータル、9000mになります。
所要時間約54’です。
スピード感覚を取り戻しながら、技術練習をして、実は距離も走っているという、我ながら良い練習だと思います。
冬季の走り込んできた持久力をスピードに変換する作業だと考えてください。
これだと、実は心拍数も割と高めをキープするので、普通にjog9kmするより効果あると思います。
とりあえず、週に2回ポイント練習の代わりにやってみてください。最低でも週に1回は必要です。これを2〜3週間で走りの感覚はかなり良くなると思います。
フォームは研究です。
→アフリカ人系、欧米人系、日本人系のランニングフォームついて
また、走るだけではなく、瞬発的な筋力発揮をするプライオメトリックのトレーニングも少しだけで良いので、アップや練習の最後の補強として取り入れましょう!
狙いは筋力アップと体全体を使った走り方、フォームを身につけることです。
→プライオメトリックについて詳しく見る。
スポンサーリンク
800m専門なら、次の段階で100m×5×3〜4
800mレースペースにスピードアップします。ここまで来たら、トラックでスパイクです。
やり方は同じです。
直線を走るパターンとコーナーを走るパターンがあります。直線100mを走り、コーナー100mを歩きでつなぎます。または、コーナー100mを走り、直線100mを歩きでつなぎます。コーナー走の練習です。
うまく走れたかどうか、次意識する課題をどうするかを歩きでつなぐ間にきちんとまとめておきます。呼吸に負荷をかけるトレーニングではありません。1本1本きちんと丁寧に走ることを大切にしてください。
マイルリレーも兼ねる選手は、
100m×4×3
スピードが速くなります。つなぎは長めにとります。直線で、加速10m+100m+ゴール後もそのまま10m=約120m走りますので、120mを歩いて戻ります。約2’00″が目安です。
400mまたはマイルのラップのスピードを追求してください。このスピードまで来たら、回復させて一本一本しっかり走ることが大事になります。
直線に慣れてきたら、コーナーも数本含めて走ることで、マイルリレーの一場面をイメージしながら走ることもできます。コーナー走の技術練習にもなります。
中長距離選手のコーナー走の技術
コーナーでは、遠心力でほんの少し身体が内に倒れます。この時に目線は水平に保ってください!内傾(ないけい)と言います。気持ちよ〜く身体を内に入れて左目の方が下がる人がいます。これをダメな例で、内倒(ないとう)と言います。
内倒すると右脚が上手く地面を押せなくなってロスします。
目線は大事です。コーナーに入る時にコーナーの少し内の方向に顔ごと向けます。目線だけでは無く、鼻をその方向に向けるイメージです。そうすると、身体は自然に左へ曲がろうとします。以上のことを意識して、内傾と内倒、目線を先行させることを試してみてください。
これで力みなくコーナーを走れるようになります。
実は、自転車のコーナリングでも同じです。スキーと自転車からこの技術を思いつきました。
ウェーブ走でハイスピードをなるべく楽して維持する方法を考える。
次の段階は、ウェーブ走です。
短距離選手がやっていますね。中長距離では馴染みが無いと思います。ペースを上げ下げする意味のウェーブでは無く、力の入力の強弱のウェーブです。普通、力を入れると速くなり、抜くと遅くなると思われがちです。しかし、ここでは力を入れて加速して、力を抜いてもそのスピードを維持するように柔らかく速く身体を動かし続けます。少しはスピードが落ちますが、その落ちを最小限に抑えるようにフォームや身体の使い方を意識、研究します。これを100m加速走の間に2回やります。
まわりの人から見てもやっていることがわからないくらいに力のオンオフができるようになって、速いスピードを力を抜きつつ維持できるようになることが目的です。
短距離選手にもコツを聞いたりして、貪欲にフォームや意識の研究をしてください!
私は運良く日本選手権の決勝に残るレベルの友人がいて、色々話を聞かせてもらいました。そこから自分なりに中距離、長距離にも応用して練習で意識しています。
必ずレースをイメージすること
どのスピードで走る時も、必ずレースのどこかの部分やペースを意識してください。
漠然と本数だけをこなすのでは、タイム、ペースだけを考えてしまい、レースに直結する走り方にはなりません。イメージすることはとても大切です。
→イメージトレーニングについて説明
まとめ
たくさん書きましたが、この中で1つでも【これいいな!】と思えたらそれで良いです!みなさんも独自の技術練習を考えてみてください。
上手くいったら、以前よりもフォームが良くなるかもしれませんよ!
それはあなたの意識次第です!
スポンサーリンク