いくつか原因が考えられます。
食事の直後の場合
食事直後は消化吸収のために副交感神経(生命維持、安静)が優位に働きます。だから眠くなります。血液は内臓に多く回されます。
運動時は交感神経(活動、興奮)が優位に働きます。血液は骨格筋に多くまわされます。
食事の後、消化吸収される前に走ると消化吸収系の内蔵に循環している血液が骨格筋に回されます。まだ血液がたくさん必要な時に内蔵の血流が減ると腹痛が起きると考えられます。
以上の理由で食事直後の運動は控えるべきです。
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アップ不足、走り始めの場合
肋骨の一番下、横隔膜は肋骨に付着しています。お腹を引っ込めると肋骨の下に指を入れて入りそうなくぼみです。そこが痛い場合は、横隔膜周辺の呼吸筋群に痛みが出ていると考えられます。
原因はアップ不足による、血流切り替えが不十分なことが考えられます。
安静時のゆるやかな呼吸からランニングの速い呼吸の切り替えるタイミングが早すぎたことが考えられます。
安静時の副交感神経優位の時は、身体は安静状態で省エネになっており血管は拡張しています。ランニングなど活発に身体を動かす場合は、交感神経が優位になって血管は収縮します。多くの血液を早く全身に巡らせるためです。この自律神経の切り替えもスムーズにできていないことが考えられます。
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初心者でもなく、アップ不足でも無い場合、練習後半やレース中盤などに起こる場合
これがなかなか判断が難しいパターンです。部位は、横隔膜でもなく胃や腸ではありません。
腹の内部に起こる痛みでピンポイントにどことは言いにくい部位です。おそらく胃の周辺です。
走る振動で肝臓が腹腔内で揺らされてしまうことが原因と考えられます。
肝臓は重い臓器です。肝臓が大きく揺れることで横隔膜が引っ張られて脾臓が収縮してしまうそうです。
これがきっかけで、脾臓内に貯蔵されている血液を全身に送り出す働きが起こります。
胃も強く振られます。さらに激しく走っていることで体幹に力が加わりますので腹圧が高まった状態が維持されます。胃への血流が阻害されます。送られるはずの血液の循環が悪くなるため腹痛(胃の周辺)が起こると考えられます。
解決策は、走るスピードを落として腹圧を下げることだと考えられます。もしくは走るのを一旦やめることです。
フルマラソンやトライアスロンなどの長丁場であれば、一度止まって痛みが和らいでから再スタートしても、その後復調することができればタイムロスは少なくて済むかもしれません。
しかし、駅伝やロードレースでこの症状になってしまうと大ブレーキになってしまいます。
確実な予防法は、私は現在のところわかりません。
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ここからは私の予想と推測
〜発汗による身体の水分バランスの崩れが原因になることがあるのでは?〜
走ることに充分慣れているベテランでもなる可能性はあると思います。私はランニング歴25年以上ですがなったことはありません。個人差もあると思います。
私の教え子の5000m14’45″の選手は、何年かに一度の割合ですが駅伝やハーフのロードレースでなっています。彼の経験的では10km以上の距離で起こります。
発汗による身体の水分バランスの変化も影響していることが考えられます。駅伝では給水はありませんし、ハーフのロードレースでもタイムロスになるので給水は取らないそうです。
主に冬場や春先の低い気温時のレースですが、発汗は必ずあります。
人間の身体は約70%が水分です。そのうち3%損失するだけでパフォーマンスは低下すると言われています。体重60kgなら約43リットルが水分で約126mlが3%です。小さいコーヒー缶の半分です。呼吸でも水分は僅かですが減っています。
高強度運動時に、水分が損失して強度を落とさずに運動を続けることでどこかにボロがでてしまうのだと考えられます。ミネラルバランスの崩れが先に影響すれば筋肉の痙攣や脱力、エネルギー代謝不良が起こり、パフォーマンスが低下します。これらが重なって腹痛となっているのでは無いかと推測します。
このような理由で、私はこれも原因のひとつではないかと考えています。解決策は適度な給水を取ることとミネラル分も補給することです。
以上はあくまでも予想で私の考えです。
→水分とミネラルの損失分を補わないとパフォーマンスが低下する説明”
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参考になる外部サイト
ランニング中の腹痛の原因
(財)協栄生命健康事業団
http://www.e-clinician.net/vol47/no493/pdf/sp_493_18.pdf
まとめ
ランニングはシンプルな運動、動作ですが私はたちの身体は複雑です。
運動生理学、医学の基礎的知識は陸上競技や持久系のスポーツを探求する上で必要不可欠になってきます。
日々勉強です。
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中長距離ランナーの科学的トレーニング
元800m世界記録セバスチャンコーのコーチである父親が書いた本です。日本語に訳されています。かなり深い内容が広く説明されています。
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