心拍計で運動強度を管理する。


陸上部のみなさん、市民ランナーのみなさん、どうやって運動強度を管理していますか?

陸上競技場でよく耳にする言葉を並べて見ます。

頑張り度合80%
7割の力で走る
ゆっくり走る
速く走る
もっと速く走る
ラクに走る
気持ち良く走る
息が上がらない程度に走る
息が苦しくなるまで走る

どれもこれもあいまいで不明確です。 自分一人で走るだけなら誰にも迷惑はかけませんし無駄な練習をしてもそれは自由です。でも、誰だって無駄な練習なんてしたくありませんよね?

そして、後輩や陸上仲間にアドバイスするなら、上のように、もっとがんばれば良いよ、とか7割の力で走れば良いよ、等というあいまいで不明確、主観的な表現ではNGです。

練習日誌をつけるとしても、
「今日はかなりがんばって走った。」というのは幼稚な書き方になります。

ではどうすれば良いのでしょうか?

手軽な運動強度を管理するツールは心拍計

私が考える正解は、心拍計を使うことです。
このホームページでアドバイスしている練習メニューの設定タイムは全て心拍数を基準に設定しています。計測しなくてもおおよそその範囲に入るように計算してアドバイスしています。

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400mトラック以外でも威力を発揮

心拍計を使うと、陸上競技場の外でも役立ちます。

距離が不明なロードのコースでも走っている時に、心拍数を見れば、トラックで走っているペースと比較して同等の負荷であることが分かります。

例えば、トラックで4分00秒ペースで心拍75%の持久力レベルの人ならば、ロードで距離不明、ペースもわからない場合に、心拍75%なら4分00秒あたりかなと判断できます。

また、起伏のあるコースで坂を登ってスピードが出ない時でも心拍75%なら、身体にかかっている負荷は4分00秒ペース相当であると判断できます。

心拍数は、自動車のエンジンで例えるとタコメーターのような感じです。人間は心臓がエンジンです。



心拍計の表示方法を設定する。

次に、心拍計の表示ですが、回数と%で表示することができます。メーカーやモデルにもよりますが、一番安いモデルだと回数表示だけのものが多いです。

私は、回数表示よりも、%表示をおすすめします。
%表示は、最大心拍数の何%かを表示してくれます。

運動強度は、この最大心拍数からの割合で設定するものです。具体的には、個人に合わせて走るペースを心拍数から算出します。

レースペース以上のレペティション、全力走、レースペースでレース距離を分割して行うインターバル等の時は、心拍数よりも実際のレースペースを基準にして練習のペースを設定するべきです。

その理由は、緻密な練習ペースの設定が必要なのは、AT=無酸素性作業閾値を超えるくらいまでだからです。

しかし、レースペース以上の練習時も、心拍数を計測しておくことで、レースペース以上でどれだけの心拍数で運動しているかを確認することができます。それが分かると、ビルドアップ走やjogでラストペースアップした時に、どれくらいの強度で運動しているかを知ることができます。

レベルごとの心拍数と練習ペース一覧表

自分の最大心拍数を知ることが第一の関門

最大心拍数を計測する方法の一つは、専門の施設でお金を払って計測するも方法があります。本当に興味がある方はやってみると良いでしょう。

手軽に測定するには、11分間の全力運動でラストペースアップで全力を出し切った時の心拍数です。これは一人ではなかなか難しい測定方法ですが、何人かでタイムトライアルするとか、3kmくらいの距離で駅伝などの大会があれば測定してみるとかなり正確な数値が出ます。実際に測定値で得た最大心拍数は最大かそれより何回か少ない数字ですので、トレーニングの強度管理の根拠として使用することができます。

最も簡易的な方法は、公式で計算です。当面の最大心拍数の設定は、220➖年齢で設定しておけば無難です。厳密に言うとズレがある人が多いですが、最初はそれで設定する以外の方法はありません。

ちなみに、私は31歳の時に最大心拍数197だったので、220-31=189の公式よりも高かったです。8回のズレなので4%程度の誤差になります。

トレーニングの強度は、高すぎるより少し低いくらいが安全なので、当面は公式でも問題ない思います。

参考までに、私はこれまで約900人の市民ランナーをコーチしてきましたが、最大心拍数の公式より低い最大心拍数だった人は私の経験ではほとんどいませんでした。だいたいの人は公式より少し高い最大心拍数でした。

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心拍計の客観的数値と主観的な体の調子の差

心拍が低くて、調子が良い時
心拍は高めだけど、調子が良い時
心拍が高めで、調子が悪い時
心拍が低めで、調子が悪い時

大きく分けるとこの4種類のうちのどれかになります。

心拍が低くて、調子が良い時
→絶好調

心拍は高めだけど、調子が良い時
→疲労があるけど良く身体が動く時

心拍が高めで、調子が悪い時
→風邪等で体調悪い時

心拍が低めで、調子が悪い時
→疲れがひどい時。筋疲労で体が動かないのでペースが上げれずに心拍が低い状態。

練習日誌に、ペースと心拍、主観的な感想を書いておくことで、その日の前後の体調の変化を知ることができます。

練習日誌は自己管理の原点を詳しく見る。

初心者におすすめの心拍計

私は、polarのランニング用のシンプルなモデルを使っています。SNSやパソコンと連携したりする機能やGPS機能が付くと価格も跳ね上がります。

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客観的に自分自身を知ることがレベルアップの最も近道です!

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他にも強くなるためには色々なアプローチがあります。

強くなるために必要なことリストを詳しく見る。